新装版 鬼平犯科帳 (1) (文春文庫) (文春文庫 い 4-52)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167142537

感想・レビュー・書評

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  • 長谷川平蔵は斬り捨て御免の権限を持つ幕府の火付盗賊改方の長官にして、盗賊たちから“鬼の平蔵”と怖れられている。
    が、その素顔は義理も人情も心得た苦労人である。
    さまざまな浮き世の出来事を描き出す、鬼平シリーズ第一巻。八話収録。

    舞台が「剣客商売」では華の盛りの田沼意次から松平定信政権へ移った頃なのね-
    ある話に出てきた人物がまた別の話に、な連作なので、ついつい次の話へと読み進んじゃいます。
    平蔵の奥方はできたひとだわ-私はこちらのシリーズの方が好みかな-
    こちらも少しづつ読み進めていきたいと。

    おしの十蔵―火付盗賊改方長官の交代。拷問がエグイ。
    本所・桜屋敷―平蔵の生い立ちと若かりし頃の剣術同門人・岸井左馬之助との再会。憧れの存在が…切ない
    血頭の丹兵衛―〔急ぎ盗〕を繰り返す怪盗と粂八の密偵就任。尊敬していた者の変節…切ない
    浅草・御厩河岸―昔の恩義と現在の暮らしの板挟み。長命の相という占いが当たってるといいな-
    老盗の夢―女との将来のために隠居撤回しひと盗きを画策。あーあ…差し違えたのがまだ救いかな。
    暗剣白梅香―平蔵を付け狙う刺客と敵討ちと返り討ち。まさかの邂逅。せっかくの堅気の暮らしが-もういつ出くわすかビクビクしなくていいのは良いかな。
    座頭と猿―ある女を巡る悪党たちの思惑。どっちもどっち。
    むかしの女―平蔵が荒れていた頃世話になった女の末路。人の口には…ってやつですな-

  • 時代小説。鬼平シリーズ1。短編8作。

    「唖の十蔵」「本所・桜屋敷」「血頭の丹兵衛」「浅草・御厠河岸」「老盗の夢」「暗剣白梅香」「座頭と猿」「むかしの女」

    火付盗賊改方の長官、鬼平こと長谷川平蔵を中心に物語は続く。
    盗みが「おつとめ」と呼ばれた訳とか、盗賊にも様々な種類の人間がいること。そして鬼平と左馬之介、小房の粂八などの昔のことも書かれている。

    作者のシリーズの中で「剣客商売」を読み終えたので、こちらか仕掛人のどちらかを読もうと思っていますが、只今考え中です。
    江戸の「粋」が、自分が関西人なのでもうひとつピンときていないのかもしれません。

  • 鬼平かっこいい
    こんな上司ほしいよ。
    そしてまた食べ物がおいしそうなんです。たまらん。

  • 池波正太郎さんの小説は
    一文すらが生きている。
    その言葉に魂が震える。

  • ついにかの名作を初読。
    最近の佐伯泰英氏のシリーズと比べると問答無用で悪人を斬るところなどは人情味に欠ける印象だけど、居眠り磐音も吉原裏同心も初巻はほぼ舞台設定に終始した印象があったことを考えると、この先平蔵を中心とした主要人物が個性を見せ始めるのだろうと期待したい。
    故・池波氏と同じ台東区民としては、家の近所が頻繁に登場するので、当時の様子を想像するだけでも楽しいです。

  •  粋だ。義理と人情。妖艶な色香。旨そうな料理。優しさ。厳しさ。
     第一話、啞の十蔵には泣かされる。切ない。

  • テレビ版なども見たことが無かった私は、
    鬼平こと長谷川平蔵が悪人をやっつけてめでたしめでたし。みたいな話を想像してました。
    そこには長谷川平蔵を中心にした江戸の民の生活があり、そこで起きる事件が1エピソードごとの短編になっている。
    長谷川平蔵が中心にいる訳ではなく、エピソードごとのメインの人物がいる。
    エピソードを跨いで出てくる登場人物もいて、他のエピソードに出てくるとなぜか嬉しい。
    物語の最後は少し寂しい終わり方をするものばかりだが、それがまた良い。

  • 今更ながらこのシリーズを読もうと思う。
    平蔵さんがあまり出てこない。

    【啞の十蔵】夫殺しの女をかくまった同心の話。しょっぱなから暗め。粂登場。
    【本所・桜屋敷】平蔵若い時の女性があんなことに。左馬之助・彦十登場。
    【血頭の丹兵衛】粂、密偵になる。
    【浅草・御厩河岸】立派な?盗賊を密告する苦悩。
    【老盗の夢】引退しておけば良かったのに。
    【暗剣白梅香】平蔵、刺客に狙われるが、この刺客が敵討ちの最中で…
    【座頭と猿】盗賊が女を巡ってすったもんだ
    【むかしの女】強請りたかりは、死ぬよ

    今回の推しは、粂と酒井。
    そういや「釘ぬき屋」って、闇の狩人に出てきたアレでしょうか?

  • あまりに有名ですが、ドラマも見た事なくそもそも時代劇を見て育ってもいないので読む機会もなかったのですが。。池波氏の『散歩のときなにか食べたくなって』や『男の作法』を読む中で、その生業としている作品を読んでおかねば、、と言う理由から。
    さすがに面白かった。一つ一つは短編ですが、盗賊や登場人物が繋がっていて、少しずつその生い立ちなどが明かされ、絡み合って行くところが、さすが、と思ったし、人気シリーズとなる事にも納得。
    そして江戸の街並み、情緒、人情。。。今更ながら好きです。今後もちょっとずつ読み進めていこうと思います。

  • ハマってしまいそう。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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