新装版 鬼平犯科帳 (1) (文春文庫) (文春文庫 い 4-52)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167142537

感想・レビュー・書評

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  • 火付盗賊改、長谷川平蔵を人は、鬼平という。
    おれも妾腹の上に、母親の顔も知らぬ男ゆえなぁ。
    という鬼平。
    そんな生い立ちから、若い頃にやんちゃをする。
    マドンナがいたことが、軌道を変えることになる。
    鬼平は、盗人に対する目が、優しく、厳しい。

    池波正太郎の主人公は、いずれも勘ばたらきが良い。
    その勘ばたらきが、自分の身を助け、盗人を捕まえることができる。
    盗人の美学が、堂々と語られるが、それをものともしない輩が出てくる。
    時代は、良きものが廃れて行く。
    盗まれて難儀するものへは、手を出さぬこと。
    つとめをするとき、人を殺傷せぬこと。
    女を手篭めにせぬこと。という三カ条が、盗人のルール。

    簑火の喜之助。年老いて、ししおき豊かな女に惚れて、
    最後のおつとめをしようとするが、その結末と女の生き様が、
    何とも言えぬのである。
    鬼平では、いい女が少なく、悪女が多い。

  • ドラマでも有名な鬼平。時代小説はなんとも古くさいイメージがあって、手を出したことがなかった。窃盗団をあの手この手で捕まえる役人の話なんだが、結構イケてる。人情あり、恋あり。座頭の彦の市が出てくるのだが、これが座頭市かぁ!?なんて思ったり。どちらが先で実在の人物かはわからないが、きっとモデルの人がいるのであろう。
    昔の窃盗団は普段は何食わぬ顔でお店をやっていたりする。また働き者の女性が飯炊きなどで、狙いをつけたお店に送り込まれる。信頼を得るほどよく働くこと、4年!ようやく引き戸の鍵を中から開け、案内するというなんとも気長な作業だ。それだけ貧富の差が激しく、一度で当分暮らせるくらいなのだろう。

  • 3大シリーズ中 最も有名であろう鬼平シリーズ・1
    全24巻
    もちろん鬼平も読んでますよー^^

    TV化もされているので ご存知の方も多いと思いますが
    名前先行・・って感じで 内容はあまり知られていない可能性が高い^^;

    原作はやはり凄い面白いですよ
    まぁこれも未完となっていることが 悔やまれますけどね

    原作読んでからのほうが TVドラマも楽しめます (^O^)/

    そろそろ鬼平も 読み直しの時期かなーと思います^^

  • 面白くてついつい読んでしまいます。なぜ今まで読まなかったのだろう。

  • 池波正太郎初読。山本周五郎が好きだと言ったら勧められたもの。
    うーん‥‥一巻だけではちょっと鬼平がいつまでも茫洋とした主人公だし、あんまりなんでもできるみたいな主人公は山本周五郎的ではないかな。盗みの美学みたいのを謳い上げるのも周五郎とは違うと思うし。
    エロ描写も好みじゃないし電車の中で読みにくいし、私には合いませんでした。

  • 池波作品ここにありって感じがする。
    剣客を読んでいると、平和の中での侍の生き方という、良くも悪くも、曖昧なテーマっぽいけど、これは、何が悪で、何が正義かがはっきりしているので、読んでで痛快!!!

  • ザッツ時代劇。ふつうに面白いのだが、あと何十巻も同じような話を読む気にはならないなぁ。

  • 何度も繰り返し読んでいます。第1巻は解説が植草甚一というのもポイントです。『情の裏うちなくしては智性おのずから鈍磨する』という文章を目にするだけでも購入の価値ありです。
    ちなみに、鬼平犯科帳は24巻全て持っています。

  • 名著、鬼平!
    シリーズを通して痛快。
    鬼平の勘が冴え渡る事件、チーム鬼平(笑)の
    チームワークが冴える事件、鬼平が歯噛みする難事件、いろいろあって楽しい。
    長いシリーズで読みごたえバッチリ♪
    剣客商売→鬼平→梅安→剣客に戻る、のループで読むと、時代に差があれ、それぞれの立場があって面白いのだ。

  • 初池波作品。読みやすくてビックリした。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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