- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167200275
感想・レビュー・書評
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蘇我稲目のあたりから、桓武天皇の頃くらいまでの飛鳥-奈良時代の脇役を主人公とした短編集です。
政治抗争は主筋にせず、色恋から時代を追う感じの構成が多かったかな。
万葉集を読めたらなあ~、とあらためて思わされました・・
平安文学大好きなのに、私は和歌を理解するセンスがないのです。
せいぜい音読して耳障りがいいなあ、とか感じる程度。
暗誦してる歌も数えるほどしかありません。
情けない・・・
(源氏好きなのに、源氏からは一首もない)
歌人だったらダントツ額田女王が好きだったけど、この本の連作4編の主人公「大伴坂上郎女」の人生にも興味が沸きました!
とってもドラマチックです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
3か月前から奈良時代を勉強していて良かった
永井路子先生の本は一生楽しめるぐらい、資料の読み込みが深く感性も良質です -
大伴坂上郎女の登場が多く、私が好きな歌も出てきて、予想外の歓びでした。
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古代朝廷の権力を巡る争いをそれに関わる人々の恋とからめて描いている。
時代設定も文体も好み。 -
蘇我氏とか藤原氏とか歴史の教科書でマーカーで印つけて忘れ去ってた人々が恋愛しちゃってるよー、という新鮮さ。
もうちょっと歴史ちゃんと理解できてたらなあ、と痛恨です。 -
『殯の庭』良かった。異父兄弟たる新田部皇子と藤原麻呂との関係。ともすると麻呂は藤原四兄弟(異母の四男)としてしか語られないからなぁ。
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祖父・蘇我赤兄の夢を果たそうとしながら、皇后の座へ今一歩という所で欺かれた山辺皇女は、夫・大津皇子が自裁した訳語田(おさた)の地へと向かい、我を忘れて裸足で飛鳥の道を駆け抜ける。
耳を澄ませば、昔、乳母が透きとおるように甘い声で歌った遠い異国の子守唄が聞こえた。
それは、有間皇子を滅ぼした者への呪詛だった…表題作『裸足の皇女』ほか、坂上郎女の恋路を辿る連作『恋の奴』『黒馬の来る夜』『水城相聞』『古りにしを』、有名な相聞歌を後世に残す中臣宅守と弟上娘子の禁じられた恋を描く『火の恋』など、蘇我家から藤原家への時代の移り変わりを、数々の主人公の目を通して描きだす短編集。
奔放で、ひたむきで、命がけ。
一族を栄達へ導き、ときに滅亡へと追いやることもある骨太な万葉の恋を、迫力ある筆致で描く。 -
短編集なのに長編並みに面白かった!
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裸足のひめみこは大津皇子の正妻になった
天智天皇の娘のことで、本名を山辺皇女といいます。
祖父は蘇我赤兄。
大津皇子のことを愛していたひめみこは
『髪を振り乱し、裸足で駆け出し、半狂乱で飛び出して死んだ』
をエピソードにして書いたらしいです。
大津くんは個人的に大好きな人なので、死んでほしくなかった。
有馬くんも同様に・・・。
どこがよかったか?
全体的に古代史ファンならば全部ひっくるめてイヤな雰囲気にならないでしょう。
主人公らしく山辺は可愛いです。
だいぶ以前に読んだので記憶がうすれてますが、大津皇子が浮気性の、だらしない、いやな男のように思いました(苦笑)
でも大津皇子は皇太子でライバルの草壁とちがって、たくましくて勇敢な皇子だと印象強い人なので、やはりキライになれないでいるw
ほかに坂上郎女が異母兄弟の大伴宿禰宿奈麻呂と結婚するまでを描いた作品も。
異母兄さんの郎女に対する、近づかず離れずの愛し方がよかった記憶あります。
はだしの皇女では、大友皇子のふんぞり返ったような態度が生意気でかわいいですよ(笑)