立証責任 上 (文春文庫 ト 1-3)

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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167527211

感想・レビュー・書評

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  • 重厚なミステリーです。
    一人称小説では無いのですが、ほぼ主人公の視点から物語りは描かれます。その結果、色々なところでミスリードをさせられますが、不愉快な感じは有りません。謎解きと言うより、心理ドラマ的な要素が多い作品ですから。
    どうもトゥローは法廷物のイメージが強いのですが、この作品では法廷シーンは余り出てきません。しかし、良くあるように主人公が探偵みたいに動き回るようなことは有りません。あくまで弁護士として、それも良心的な弁護士として活動します。弁護士の倫理や制約が良く判り、なかなか興味深かったです。検事の女性のキャラクターも素敵でしたし。
    それにしても、この弁護士、ちょっともてすぎです。

  • 結局、この作家の書いているのはミステリーではない。
    法廷ものでもない。
    中年や初老の男性たちのロマンスだ。

    (下巻に続く)

  • 推定無罪以上に心理描写は素晴らしかった。ただ、本格ミステリーとしてみると物足りない部分も。あとは、新たな付き合いとなる女性たちに比べてより重要な人物である亡くなった妻については回想であるため、イメージが掴みづらいところがあると感じました。
    総じて言えばやはり文章力は訳者さんの力量もあって素晴らしいので、筋は前作には遠く及ばないとは思いますが、十分楽しめました。

  • 弁護士サンディが出張から帰ってきたある日、妻クララが自殺していた。3人の子供は成人し、幸福な生活を営んでいたと思っていたのに何故?妻あての病院からの請求書は何だ?義弟の大陪審からの召喚状はどうすれば。

    何かこの映画見たことがあるんだけど、思い出せない主役が。ハリソン・フォードかなあ?それにしても、以前、妻が関係をもっていた義弟と不倫していた女の人と再婚なんてするもんなのだろうか。

  • 以前読んだ「推定無罪」が面白かった記憶があったので読んでみました。<br>
    「推定無罪」が事実で展開していく物語とするなら、こちらは感情で展開して行く物語でしょうか。<br>
    しかし、主人公の初老の弁護士に共感しづらい。奥さんが死んだ途端、セックスに取り付かれたようになって、挙句に妊娠中(もちろん結婚している)で年下の女性判事に惚れたりしちゃって、何だそりゃ。<br>
    感情で展開させていくべく(?)、彼が関わる義弟の件も結局家族ばかりがベタベタに絡んでいるので、真相が判明したときはちょっと痛い気分になります。それでも序盤の妻の自殺から、義弟が何故か有罪答弁をしようとする心理に至るまで綺麗にまとまったという意味ではよく練られたストーリーと言えるかもしれません。<br>
    「推定無罪」も、「立証責任」も、変わり者の男(主人公)に共感できないと真に楽しめないのでしょうが、3作目も見つけたら結局読むと思います…<br>
    本編とは関係ないですが、解説がダメダメです。これ、解説先に読んでたら読むのやめたかも。

  • 今思うと、学生の頃、私は余程時間を持て余していたんだと思う。こんな堅苦しいタイトルの本を手に取るなんて。
     でも、この本に出会ったおかげで読書好きになったんだな。多分。

  •  前作「推定無罪」を読んだ時も感じたのだが、ジョングリシャムと同じ括りのリーガルサスペンスと読んで欲しくない。トゥローはもっと深いのだ。人間の本質まで抉ってくる。じっくり読まなきゃ。

  • この知らなかった事実を知ったときのイヤーな感覚。
    またたまらないわねぇ。

    何不自由のない弁護士が巻き込まれることになった妻の死。
    どうやら妻は彼の知らないところで
    何らかの事柄をやらかしていたようで
    治療記録にはある病気の記録が残っていました。
    それはつまり…

    まだ物語のさわりしか出ていないも同然なのですが
    もう嫌なフラグしかたってないんですよ、これ。
    何が明らかになっていくか。
    そしてスターンとディクソンを貶めようとする黒幕は
    一体だれなのか…

  • 前作『推定無罪』で主人公サビッチの弁護人として快刀乱麻の活躍ぶりを見せたスターンが今回の主人公だが、前作とは打って変わって妻の自殺で始まる冒頭から肉欲に溺れていく凋落ぶり、はたまた長男ピーターに鼻で笑われるダメ親父ぶりをこれでもかこれでもかと見せつけ、結局スターンも“人”に過ぎないのだなと思わせる。
    人間ドラマとして本書は最高の部類に入るだろう。それは人物描写の緻密性、物語としての結構を見ても間違いない。
    (下巻へ続く)

  • 最後に・・

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