- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167528188
作品紹介・あらすじ
晴明と博雅は俵藤太とともに、平将門の死の謎を追ううち、将門の遺灰を盗み出した者がいたことを突き止める。事件の裏に見え隠れする将門との浅からぬ因縁。誰が、将門を復活させようとしているのか?そして、その背後に蠢く邪悪な男の正体とは?ラストまで息をつかせぬ展開と壮大なスケールで読ませる人気シリーズ長篇。
感想・レビュー・書評
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上巻の中での色々な展開、関係する人物の過去の出来事の描写が在って下巻に至る。
下巻では、或る大きな陰謀と、それを阻んで丸く収めようとする側と、何方に寄って動くのか判り悪い者との動きが交錯しながら、何やら禍々しい事態が進展する。虚実入り混じったような、武術的な戦闘力と呪術とが交錯する闘いが展開する。そして如何なって行くのかという物語だ。
その豪勇な様が「鬼神の如く」と語り伝えられる勇壮な武者が、本当に“鬼”となってしまっているという様子…そこから起こる様々な物語…そういう状況の仕掛人と、その仕掛人の正体を暴いて事態の解決を図ろうとする人々という感の本作の物語。少し夢中になった。
本作は、何か「画が思い浮かぶ」という調子の多くの章が折り重なって全体の形を作っている。何か「映像化」を意識しながら綴っているような気もしないではなかった。何れにしてもなかなかに愉しい!広く御薦めしたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今回も期待通り…いや、期待以上の面白さでした。
上巻に散りばめられた伏線が下巻後半で一気に繋がって行く怒涛の展開に引き込まれ一気に読んでしまいました。
また、晴明と博雅2人のやり取りをじっくりと描写しているのも長編ならではの魅力ではと。
それにしても、今回のこの二人は友達以上の関係では!?と勘ぐりたくなる距離の近さでしたね 笑
そして、芦屋道満は悪ぶってるけど根はやっぱりいいヤツだ!と思いました。 -
最後は大活劇の様相。今までの短編とテイストが違ったが、二人のやり取りは相変わらず。いつまでも続いて欲しい。
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上下巻合わせて読むべし。中盤からは映画のよう。映像を頭に浮かべながら読書できる。
滝夜叉姫は平清盛の娘、滝子姫のこと
怨念のイメージしかなかった将門が愛の深い人、普通の人であることにほっとするエンディング。
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すごいボリューミーだった
大地獄祭りって感じで面白かった -
晴明たちは、平将門を鬼へと変え都をおびやかそうとする黒幕の存在にしだいに近づいていきます。そこに、俵藤太と桔梗の心のつながりや、父である将門の身体を集める滝子などのストーリーがからまって、上巻で張った伏線を回収しつつ、物語のクライマックスへと向かっていきます。
二巻にまたがって展開される物語でしたが、文章のテンポがよいこともあって、あっという間に読めてしまいました。本シリーズの他の巻にくらべると、エンターテインメント性を追求することに徹した作品という印象ですが、その意図は十分に達成されているように感じました。