蒲生邸事件 (文春文庫 み 17-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (686ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167549039

感想・レビュー・書評

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  • 主人公 孝史 18歳
    ホテル火災に巻き込まれ、死の寸前で「時間旅行者」の男性に救われ、昭和11年二•二六事件の渦中にタイムトリップするSFミステリー

    孝史の運命は? 現代に還ることができるのか?

    現代っ子が昭和初期の厳しい環境に戸惑う姿、軍の緊張感、ホロリとくる出会い、長編ですが一気読みの作品です

    もっと歴史の知識を持って読んだら良かったと思いました 心の声

  • タイムトラベルができるなら何でもありになりそうですが、きっちりまとまってました。表紙のフキさんが読んだイメージと違いました。

  • 宮部さんによる、時間旅行物+歴史小説+青春小説+ミステリ・・・

    二・二六事件ってなんだっけ、確か、歴史で習ったはずだけど、という私と同じような浪人生が主人公。
    彼と一緒に、その時代とそこに生きる人々を知ることになります。

    読み終わって、登場人物ひとりひとりがとても鮮やかです。
    その人たちの足跡を眺めることは、生きることを再考することにつながるのでしょうか。
    戦後も臆病者として堂々と生き抜いたあの人や、歴史の流れから逃げるのではなく、その中の一人として生き抜いたあの人の選択が心に残ります。

    この本が書かれてからも時代は少し流れ、あの人たちと同世代のほとんどの方が亡くなられているのか、と改めて思います。

  • 久々に読んだ長編小説。不思議な話で最初は不気味だったけど、次第にストーリーに引き込まれ、最後はとても心暖かい気持ちで読了した。宮部みゆきは、すごい!

  • この本は東ティモールから帰国するときにバリでのトランジットが10時間くらいあったので暇つぶしに読んだのが最初、つまり10年以上前。今回は再読なのですが、もちろん内容はタイムトラベルねただということ以外は全く覚えていなかったに近いので、とても楽しく読めました。暑い夏の夜は宮部みゆきは合うなあ。

  • 時間旅行という特殊能力を持つおじさんに関わって過去に飛ばされてしまった主人公の物語。
    実は主人公があまり好きなタイプではなくページをめくるのが億劫でした。しかし途中からは段々と面白くて、二・二六事件や近代史のことは全然詳しくありませんでしたがスラスラ読めました。日本の歴史に大して知識を持たないのは、私を含めた現代の若者の特徴だなとしみじみ感じました。
    未来を知っているからと時折傲慢さを見せた主人公が、しだいに変わっていくのが面白かったです。未来を知っていても「歴史」は変えられないし、偉くもなんともない。私たちが生きているのは今なのに、そんなことを知らない人から上から目線で未来はどうとか説法を聞かされたらそりゃ腹立ちますよね……

  •  受験生の孝史がホテルの火事に巻き込まれた。ある男が間一髪助けてくれたが着いたところは226事件の真っ最中の昭和の時代だった。
     分厚さに怯んで本当に10年以上積読になっていたが、ついにこの2月に読み上げた。
     伏線の回収には、感心した。さすが宮部みゆきさん。一部孝史の性格やこの文庫の表紙の雰囲気とか、いまひとつな点もあったが★5





  • 大学受験に落ち、予備校受験のため、東京の平河町一番ホテルに泊まった孝史。

    そのホテルのエレベーターロビーには、この敷地に建っていた蒲生邸とその持ち主、蒲生大将の写真が掲示されていた。

    一日目の試験が終わり、ホテルに帰ったその晩、火災が起きる。

    火の中から、男と一緒に逃げた先は昭和十一年二月二十六日の蒲生邸であった。

    男は時間旅行の能力を持っていた...


    時間旅行と戦争の始まり、止められるものなら止めたい戦争。
    でも歴史という大きな流れはそれを許してはくれない。
    もう一度読みたい一作。

  • 大学受験に失敗し、予備校の試験を受けるために上京した青年・尾崎孝史が、ホテルで火災事故に見舞われる。
    窮地に陥ったとき、彼は平田というおじさんに連れられ、2・26事件の真っ只中にある昭和11(1936)年にタイムトリップしてしまった。
    そして、孝史はそこで、蒲生憲之大将の自殺の場面に遭遇することになる…

    盗まれた銃の行方が気になって、とてもスリリングだった。
    昭和20年にふきが焼夷弾で死んでしまった場面、そして、黒井が現れたときに孝史が後ろから珠子に殴られたのにはビックリしたなあ。
    タイムトリップをしても歴史は変えられないことを悟った平田の心境に、何かグッとくるものがあった。

    孝史が蒲生家のいざこざにズケズケと首を突っ込む様子が少し鬱陶しく感じた。
    宮部さんは、もう少し真摯な青年を描けなかっただろうか?

    最後のふきの手紙には感動した。

  • 個人的に、宮部みゆきさんの作品の中では3本指に入る位好きです。
    登場人物全員が歴史の引き立て役のように見えて…
    特に好きな登場人物がいないのに物語に引き込まれました。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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