クリスマス・プレゼント (文春文庫 テ 11-8)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (590ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167661878

感想・レビュー・書評

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  • 一篇、一篇、味わい深い短編集です。短いながらも、よく考えられた短編で、面白いですし、怖い話ばかりです。まさかそんなことが…と思われるようなどんでん返し、実に面白かったですミ(`w´彡)

  • どの短編も2時間の映画として成立する精緻で洒落たストーリーばかり。読み進みながら、この役はヴィゴ・モーテンセン、これはエディ・レッドメインそしてこっちはライアン・ゴズリングというように登場人物が生き生きと目の前に浮かんでくる。久しぶりに短編を堪能した。

  • どんでん返りまくりというか、最後まで分からんというか。しかも短編なので続々と来るので贅沢にも後半はやや飽きてくるというか慣れるというか。美人は3日で飽きるとはよく言ったもんだよ。
    というわけで後半もクオリティは落ちてないかもしれんけど、どうせひっくり返るんでしょこれとか穿った見方をしてたら更にダブルでどんでんされたりするからね。向こうも分かってるな。

  • 短編集だが、非常にレベルの高い作品の集まりだった。

    ジョナサンがいない が1番好き。こういうミスリードは上手く騙されると気持ちいい。確かに読み返してみると、これから会う男と恋愛するとは一言も書いてなかった。ニッケルバックのsaving meを思い出した。

    他では サービス料として も好き。

    後半になるにつれ、パターンが読めてきた部分はあるが、それでもどれも楽しめた。

  • 「これかな?」というのに気がついてしまっても、そこからまた二転三転するので確実に騙されます。一番面白い短編集と言っても過言ではありません。

  • 面白い。どの話も、最後にどんでん返しが用意されていることが多く、話としてもしっかりまとまっていて面白い。

    ジョナサンがいない 叙述トリックというべきか、男の正体と女の目的がわかった時のスッキリ感

    ウィークエンダー 
    サービス料として
    ビューティフル 美しさ、というものが時に人生を狂わせることも…面白い
    身代わり 
    見解
    三角関係 これぞ叙述トリック
    被包含犯罪 シリーズ化して欲しい。すっきり
    宛名のないカード 嫌ミス系かな。
    クリスマス・プレゼント どんでん返しからのどんでん返し、からのどんでん返し。すっきりします。
    超越した愛 この小説をここまで読んだ人は、割と序盤にオチに気づくかな。
    パイんクリークの未亡人 強い女。これもどんでん返し系だけど、最後のところはやはりもうここまで読んだ人は気づくかな。
    ひざまずく兵士 ブラックジョークが聞いたオチで秀逸。

  • クリスマスにふさわしい気の利いた短編集で、ページを開くのが楽しみだった。ただ、ディーヴァーの短編というのは知らなかったので、海外フェアに入っていなかったら読まなかったかもしれない。
    ビギナー向きだったし、すぐに読めそうだったが、文庫で600ページ近く、読み終わるのに時間がかかった。


    短編というと最後のどんでん返しとが、気が利いたコント風とか、パズルを解く楽しみとか、短い中にも遊びがあるものが多い。

    これはディーヴァーらしくというのか、短編といえどもストーリー性があって、読んでいると物語が出来上がる、それが面白いこともあれば何か少し気合が入りきらないものもあった。

    「ジョナサンがいない」「サービス料として」
    だまそうとして馬鹿な失敗する。計画を煉りつくしたつもりで墓穴を掘ってしまう。

    「三角関係」
    どうも他に好きな人が出来たらしい。「三角関係」という本を買ってきてじっくり読んで研究をする。この手なら相手をうまく殺せるのではないか。何食わぬ顔をして、一緒に猟に出かける。ここだ!と本の通りの場面は逃したが、何とか目的は達した。さて空港まで帰ってきたら。
    これは最後でやられた。そうだったのか。これオススメ、巧い。

    もう一編

    「この世はすべてひとつの舞台」
    シェークスピアが意欲的に脚本を書いていた頃だという時代がかった物語が実にうまい。
    芝居を楽しんで帰り道、名士だった父親がムルタにはめられた話を聞く。今は好きな芝居代もやりくりする生活だ。敵は父親の土地を元に肥え太っている。復讐だ。橋の上で決闘だ。今ではムルタは宮中にまで取り入っている男である。決闘の声で治安官が駆けつけた時にはムルタは橋から突き落とされ岩に頭をぶつけて死んでいた。
    裁判が行われた、犯人にされたクーパーは申し開きにこういった。
    「わたしたちは芝居の稽古をしていたのです、そこに通りかかったムルタさまが、私があまりに下手で稽古をつけてくれたのです。軽く突くとよろけて、手摺にぶつかり不幸にして崩れ、落ちてしまわれたので私は胸が塞がる思いでございます」
    ムルタは芝居好きだったが。民衆に憎まれている。うぬぼれやでつい剣を抜いたのだろう。と検察官は考えた。
    そこで呼ばれたシェークスピアが証人に立った。「クーパーは芝居を愛好していて、一度舞台で演じてみたいといって来ました。台詞も優雅でいいので剣も練習して置くようにといったのです」
    私の次の戯曲ですか?推敲中ですが。仮の題は「ヴェニスのムーア人、オセロー」と呼んでおります。
    クーパーは放免された。
    その夜は仲間が集まって祝杯を挙げた、決闘中どういう手順で誰が助けたか興味深いが、少なくともシェークスピアは一枚噛んでいた。

    「クリスマス・プレゼント」
    短編というには少し量が多い。車椅子の気難しいリンカーン・ライムはクリスマスの騒ぎが気に入らない。母親が家出したという少女が尋ねてきた。なんだかだとぶつくさ言いながらそれでも少女の訴えに協力する。リンカーンファミリー総出で、アメリアは昔のカーレースの腕を生かして雪の積もった橋の上を突っ走って、真っ赤なカマロを追跡する。介護師のトムは車椅子の後ろにリースをつけてライムに怒鳴られる。ちょっとテレもあってクリスマスをあからさまに楽しめないライムがなんだか可愛いらしい。
    母親も無事に見つかり、結婚詐欺師まで捕まえて、ご機嫌なライムは主義に反して母子のパーティに参加する。オールスターが顔をそろえた、クリスマスストーリーだった

  • 短編集だが、どれも短い話の中にどんでん返しがあって、上手い!

  • 意外な結末に惹きつけられるものの、ハッピーエンドではない。
    全編そうなのかな?と思いきや「被包含犯罪」で少し救われる。
    以降は同じようにスカッとする話がないか期待して読んでいる自分がいたのだけど残念ながらそれはなかった。
    重いといえば重い内容だったけれど、どの話もしっかりとしていて面白く最後まで飽きなかった。

  • 十六の短編を収録したミステリー

    思った以上に完成度の高い短編が多くてうれしい驚きでした。ページ数も3、40ページほどのものがほとんどなので、気楽に読めるし、どんでん返しをたくさん楽しみたい、という方なら一気に読んでもいいと思うし、一話一話気が向いたときに読んでいくのもいいかもしれません。

    苦い結末の物も多いのでイヤミス好きの方にもお勧めできそう。またそういう結末のものが大勢を占めるので時たま紛れている、爽やかな結末の作品がまた引き立っています。

    特によかったのは『ジョナサンがいない』『三角関係』どちらも見事にやられてしまいました。
    『被包含犯罪』はリーガルものの面白さに加えラストシーンのかっこよさが光ります。
    『ウィークエンダー』『ひざまずく兵士』は後味の悪さがなんとも言えず好みです。
    『クリスマス・プレゼント』は中編ほどの長さがあるだけあって、スピード感もある作品です。リンカーン・ライムなどの登場する作品となっているので『ボーン・コレクター』など彼らの登場するシリーズ作品を読んでからだと楽しさも倍増すると思います。トムのキャラはやっぱりいいなあ。

    英国推理作家協会賞最優秀短編賞受賞作『ウィークエンダー』収録
    2007年版このミステリーがすごい!海外部門2位

著者プロフィール

1950年、シカゴ生まれ。ミズーリ大学でジャーナリズムを専攻。雑誌記者、弁護士を経て40歳でフルタイムの小説家となる。科学捜査の天才リンカーン・ライムのシリーズ(『ボーン・コレクター』他)や“人間嘘発見器”キャサリン・ダンスのシリーズ(『スリーピング・ドール』他)は全世界でベストセラーになっている。ノンシリーズ長編小説、短編小説など人気作品も多数刊行
『ブラック・スクリーム 下 文春文庫』より

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