旅行者の朝食 (文春文庫 よ 21-2)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167671020

感想・レビュー・書評

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  • どっしり、ガツン。重厚なこってり感がつきまとうが、胃もたれは起きないエッセイ集。

  • ははぁ、と感心しながら(笑)一編、あと一編読んでしまう。
    やっぱり語り上手だなあと思う。

  • 健啖家の血を引く著者の、食べ物に関するエッセイ。
    『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の次に読む米原さんの本だが、こちらは文章も短く、タッチも軽妙。
    食物についての蘊蓄も多数。
    蕪を主食としてきたロシアにジャガイモを根付かせるため、皇帝自ら農民の前で食べて見せ、なおかつ刀を突きつけて食べさせようとした、などというエピソードがたくさんあって、楽しい。

    一番面白く読んだのが「トルコ密飴」の話。
    ロシア人の友人から振る舞われた絶品のハルヴァと、少女時代にチェコで食べた「トルコ密飴」が、同じものだったということが明らかになっていく。
    読む楽しみを存分に味わわせてくれる文章だった。

    ハルヴァの描写がなんともおいしそう。
    ヌガーが割と近いようだけれど、個人的にはドライフルーツが入って、スパイシーな豆板…と思ってしまうが?

  • 食いしん坊な人は読むと楽しいと思う。文中に出てくるハルヴァを食べたことがある。しかしイランのハルヴァで、ナッツがいっぱい入った香辛料の匂いがする硬くパサパサしたヌガー、といった代物だった。たまらなく美味しいハルヴァがあるならば、いつか食べてみたいもの。
    あとはうんちく好きな人にもおすすめ。

  • 食事は人生を彩ります
    うんちくを知ってればなおさら?

  • ロシア語の通訳、作家としても活躍されている米原さんの
    食をテーマにしたエッセイ。

    ロシアの歴史的背景など、食をテーマに独自の掘り下げ方で
    楽しく書かれた内容です。
    初めて聞く食べ物がたくさん登場しますが、文章を読んでいるだけで、食べたくなるものばかり。
    食にこだわる米原さんならではの1冊です。

  • タイトルに旅の文字が入ってたら原則読む、という時代がだらだらと続きました。
    そのタイトルに騙され、それがいつもの米原節。紙なのに味が有る。

  • あまり我々世代が詳しくないソビエトをはじめとする東欧。その食にまつわる米原氏のおもしろいお話。
    印象的だったのは、通訳を通じて知り合ったソビエトやロシアの要人の食の好み。
    ゴルバチョフとエリッツィンの日本食に対する好みがそのまま政治のパワーに現れている、というくだりは興味深い。
    そして探し続けたお菓子の話。
    日本人として当たり前に考えている我々の食について少し考えさせられた。世界の食材は入って来る日本。しかしまだまだ知らない食べ物もある。

  • ロシアの料理は貧しいのではないかというイメージがあるので、面白いかどうか心配だったが、思いの外、抱腹絶倒。
    外国でいかに日本食が恋しくなるか、童話に出てくる食べものにまつわる話など、実体験を交えて面白く書いてある。

    ロシア語通訳者ならではの話も。ゴルバチョフやエリツィンとも食事の席を共にしたことがあるのだろうか、ゴルバチョフは刺身・鮨はだめだがすき焼きはOK、エリツィンはなんでもよく食べるそうだ(それが改革の度合いに比例するかのように)。

    次の引用は、本当に共感できる。
    「私の親類縁者には無類の食いしん坊が多く、しかも美味しいものを発見すると、それを他人にも食べさせたいという強烈な情熱に駆られる習性がある。それが人を幸せにする最も確実な方法と思い込んでいるのだ。」

    食べることが好きな人におすすめの本。

  • 料理のおいしい国の軍隊は弱い、英国、米国の料理はおいしくないから彼の国は強い、という着眼は感動的。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。作家。在プラハ・ソビエト学校で学ぶ。東京外国語大学卒、東京大学大学院露語露文学専攻修士課程修了。ロシア語会議通訳、ロシア語通訳協会会長として活躍。『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川文庫)ほか著書多数。2006年5月、逝去。

「2016年 『米原万里ベストエッセイII』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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