旅行者の朝食 (文春文庫 よ 21-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167671020

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  • ロシア語通訳として、また名エッセイストとして知られる米原さんの食べ物に関するエッセイ集。ロシアとかチェコとか、はたまた神戸とか世界各地、とりわけ西欧とかアメリカとかよく見聞きするのでない地域の食のことが出てくるのが面白い。
    珍しいもの、食べ慣れないものを食べられるかどうかで性格が見えるというのは、たぶん当たっていて、わりと食わず嫌いなゴルビーに対し、生ものでも何でも好奇心旺盛に食べるエリツィンという比較はなるほどと思わせる。そこに、期せずして民主化が進んだゴルビーと、最終的にロシア初代大統領になったエリツィンの違いを見るあたりも面白い見立て。というか、ゴルビーってそういう役回りだったんだという感じで、自分のゴルビー認識と違ってた。
    果たしてプーチンはどうだろう。たぶん、食わず嫌い派なんじゃないかな。

  • 題名は、ロシア人ならちょっとでも言及されると思わずニヤリとせずにはいられない程不味い、缶詰だそう。 そう言えば、カート・ヴォネガットの「チャンピオンたちの朝食」は、昔のコーンフレークのキャッチコピーで、(一定世代以上の)アメリカ人なら誰でもピンと来る…と訳者が註釈してた。 食文化の壁って厚いなあ〜〜

  • NHKのグレーテルのかまどで一部紹介されていて気になった本。
    出てくる異国の食事に興味がひかれる。
    食べるためだけの旅行もいいかもと思った

  • 作者の食べ物に対する情熱には関心した。また、食べ物にまつわる諸々の話は興味深かった。

  • 『旅行者の朝食』だなんて
    なんて魅力的な響きでしょうか~

    どんなものか知りたくなって
    どんなのものか食べたくなる

    あくなき追求は見事です!

    さあ~米原さんと一緒に
    食と文化を旅しましょう~

    私も食べる前にこの本で“サラミ”の正体を知っていたら
    今ごろ食べてはいないですね~~

  • 16.12.01

  • 2004年刊(一部の初出1999~02年)。

     著者の類稀な好奇心・博学博識、海外での長期生活から湧き出るグルメ?エッセイ。いやむしろ、食を定点にしたロシア文化紹介本の趣きだ。
     彼女の体験はロシアは固より、英仏伊等も含まれる一方、その博識はアニメや童話、さらには福音書やロシア人のエッセイに及ぶ。

     全部面白いが、一番爆笑したのは、一ヶ月近くのシベリア滞在譚。著者は同行クルーと帰国直後に初めに食べる品として市販弁当は絶対にしないと盟約した。にも関わらず、幼子がそれを美味しそうに食しているのを見、堪らず反故にした件。
     何でもないタコ型ウィンナーですら郷愁と美味を生む。和食が日本人の奥底を規定している事実をまざまざと感じさせるものだ。

  • ロシア語同時通訳者の米原万里さんによる、食べ物やウォッカに関するエッセイ。おちゃらけた感じかと思いきや、博識をベースにきちんとリサーチした、まじめな考察だった。本書を読み終わると、ちょっとしたトリビアネタが手に入る。
    キャビアの話と、トルコ蜜飴の話が特に面白かった。
    米原さんは本当に各方面に知識が深く、著作がどれも興味深い。日本語もうまいので、安心して読める。超売れっ子翻訳者という本業ながら、きちんと調べて、これだけ内容が濃い本を次々に出版して、早逝てしまった著者を尊敬してやまない。

  • いつもながらに博識です。通訳者だからですか?ステーキは65度がジューシー、は参考になりました!

  • 没後10年ということで、初めて読んでみました。食べ物に関連したエッセイで、著者らしく取り上げるものがワールドワイド。聞いたことのないような食べ物も紹介されてました。特にハルヴァへの執着が凄い……そんなに美味しいなら食べてみたいぞ。古い文献を参考にしたり食への探求心が素晴らしい。ちびくろサンボのホットケーキや桃太郎のきび団子を考察しているあたりも面白かった。私も米原さんと同じ「生きるために食べるのではなく、食べるためにこそ生きる」タイプの人間なので、楽しく読むことができました。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。作家。在プラハ・ソビエト学校で学ぶ。東京外国語大学卒、東京大学大学院露語露文学専攻修士課程修了。ロシア語会議通訳、ロシア語通訳協会会長として活躍。『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川文庫)ほか著書多数。2006年5月、逝去。

「2016年 『米原万里ベストエッセイII』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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