旅行者の朝食 (文春文庫 よ 21-2)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167671020

感想・レビュー・書評

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  • 著者の体験、食への好奇心から調べた歴史、食い意地から起こった笑いを誘うエピソード等が詰められたエッセイ集。
    表題作の言葉からイメージするものとのギャップ…この落差は忘れ難い。
    そして、ハルヴァ!ずいぶん前にグレーテルのかまどで見たけど、出典が収録されているとわかってうれしい。

    「人類二分法」が好き。

  • いやあ、面白い!
    ハルヴァが気になって気になって…業務スーパーで売ってるらしいけど、ほんとかな。

  • エッセイの名手による食べ物エッセイ。あちこちで書いたものの集積。何ヶ月か前の日経新聞の特集に取り上げていたような曖昧な記憶。

    心の底から敬愛申し上げる米原センセイがつまらないわけがない→やっぱり面白い。

    キャビアとかジャガイモの深い蘊蓄。キャビアを取った後のチョウザメを殺さずにジッパーを付ける!知らなかった。

    「食べる」ことが好きな人必読。

  • 前半と後半のテイストの差が激しくて、米原さんの気質を見た気がします。表題の旅行者の朝食、ちょっと気になる気がする、でも食べたくない、そういう好奇心が顔を覗かせて、この中ではかなり好きなお話でした。ソ連らしさも出ているというか。

  • 再々・・・読。米原さんのエッセイを時に読み返すことは、冷戦時代を改めて学ぶことでもあり、笑い転げながら今を見つめ直す機会となる。食に纏わるあれこれが主軸なので、全く米原エッセイを読んだ方にもお勧めの一冊。

  • 落語のように話がしっかりして面白い。
    小学生の頃、読売だったような気がするが、新聞の日曜版にも連載をされていた気がする。お亡くなりになられていたと、この本を調べている時に知った。ご冥福をお祈りいたします。
    米原さんの力量も大いに関係しているのだとは思うけれど、食のエッセイというのはなんでこんなに面白いのだろうか。食というものが人間の本能に訴えているからだろうか。
    米原さんの他の作品も読みたくなった。

  • 「かつて口にした〝ハルヴァ〟というお菓子の正体は」
    「ちびくろサンボが食べたのは、本当に虎のバター入りホットケーキなのだろうか」

    こういった疑問を突き詰めることは、とても楽しい研究だと思った。「気になることを調べる」「既存の知識と関連づける」というのは、極めて基本的な学習であるはずだけど、忙殺されている今読むと、贅沢にすら感じる。
    ただ、読者はその贅沢なデータの集積を、問題提起から出典、結論まで美味しいとこ取りできてしまうので、まあ良いのか、となる。

    それにしても、米原万里さん、よく食べる人だ……。
    『ロシアは今日も荒れ模様』を読んだ時と、印象が変わっただろうか。存命なら70歳とは思えない、親近感のようなものを感じる。異国情緒は感じさせても、時代は感じさせない文章を書かれるんだろうか。

    チョウザメにジッパーを付けて卵を取り出す話にショック受けたのに、嘘だった。ミステリでもない本で、こうもシレッと騙されるとは思わなかった。
    こういう語り(騙り)が稀によくあるので、語り手としては良い意味で信頼しないように読んだ。

    異国の食べ物や、子供向け作品に登場する食べ物についてのQ&Aのほか、日本人の和食と米への、切っても切れない執着が何度も語られる。
    食欲を刺激される人もいるだろうが、私は台所に立ちたくなった。

  • やはりこの本で夢中になる話は間違いなく「トルコ蜜飴の版図」の項だろう。
    ここで出てくるハルヴァというお菓子、思い出の味を頼りに食べるもどれも違う。ニベアの缶に見た目は似ているらしいが、調べても見つけられず、こちらも余計にハルヴァが気になってしまう始末。ついには自分でいい感じの缶の入れ物を見つけ、手作りのハルヴァを入れて再現しようか?などと、考え中。

  • 蘊蓄がたくさんあって、面白い!海外に住んでたので、深くうなづく記述が多かった。ロシア料理食べたい。ハルヴァ食べたい。

  • お腹が空いてきた

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。作家。在プラハ・ソビエト学校で学ぶ。東京外国語大学卒、東京大学大学院露語露文学専攻修士課程修了。ロシア語会議通訳、ロシア語通訳協会会長として活躍。『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川文庫)ほか著書多数。2006年5月、逝去。

「2016年 『米原万里ベストエッセイII』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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