イン・ザ・プール (文春文庫 お 38-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167711016

感想・レビュー・書評

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  • 空中ブランコと感想は同じ。また読んでみたい本に仲間入り

  • 短編なので読みやすい!笑える!最後には和める。いい本に出会えた。

  • (2008.6)

    こっちが1作目?
    伊良部先生の華麗なる診察(笑)最高です!

  • 伊良部の馬鹿さ加減にやられます。
    ちっぽけなことで悩んでる自分がアホらしい。精神科にいますが、伊良部みたいな先生がいれば楽しいんだろうなぁって、つい思ってしまいました。

  • 奥田英郎さんの本。
    ちょっと風変わりな精神科の先生とのやり取りが面白い。
    短編なので、少しずつ読んでいくのもいいかも・・・

  • 奥田英朗の連作短篇集『イン・ザ・プール』を読みました。
    ここのところ、国内の作家の作品が続いています。

    -----story-------------
    直木賞受賞作『空中ブランコ』のルーツ。
    これが伊良部のデビュー作!

    「いらっしゃーい」。
    伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。
    色白で太ったその精神科医の名は、伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。
    プール依存症、陰茎強直症、妄想癖……訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。
    こいつは利口か、馬鹿か? 
    名医か、ヤブ医者か?
    -----------------------

    2002年(平成14年)に刊行された精神科医・伊良部シリーズの第1作です。

     ■イン・ザ・プール
     ■勃ちっ放し
     ■コンパニオン
     ■フレンズ
     ■いてもたっても

    第4回大藪春彦賞受賞、「このミステリーがすごい!」で『模倣犯』に次ぐ2位……精神科医・伊良部一郎、彼のもとを訪れる悩める者たちは、誰もが驚き呆れる、、、

    どっちが患者なのか? 体調不良のはずが水泳中毒に、ケータイがないと冷や汗がでる、勃起して、ずーっとそのまま直らない。

    藁をもつかむ思いで訪れた神経科で患者たちを待っていたのは……とてつもなくヘンな医者だった! カバと見まごう巨体を揺らし、度外れた好奇心で患者の私生活に踏み込み、やりたい放題、、、

    でもなぜか病は快方へ……? 現代世相の病理を、コミカルかつ軽妙な筆致で描き出した怪作! 精神科医・伊良部の突出した存在感が笑いを招く!

    破天荒な精神科医・伊良部一郎が患者たちの問題を奇抜な発言や行動で解決に導くコメディタッチの物語……患者の方も、下痢と不眠の悩みからプール依存症となった出版社勤務の男をはじめ、陰茎強直症のサラリーマン、ストーカーに追い回されている妄想癖の女優を目指しているイベントコンパニオン、携帯電話依存症の男子高校生、雪だるま式に増大する不安を抱える強迫神経症のルポライターの男 と、一筋縄ではいかぬ人物ばかり、、、

    伊良部のユニークなアプローチと、その暴走治療?により患者たちが心の平安を得る過程が笑いと感動をもたらします……伊良部の突出した存在感が印象的ですねー 現代世相の病理を、コミカルかつ軽妙な筆致で描き出した怪作だと感じました。

    以下、主な登場人物です。

    伊良部 一郎(いらぶ いちろう)
     精神科医。35歳。伊良部総合病院の息子。色白でデブでマザコン。
     「いらっしゃーい」と甲高い声で患者を迎える。愛車は黄緑色のポルシェ。
     注射フェチで、患者が来た時はとりあえず注射を打つ。神経は図太く、遠慮知らず。
     破天荒な性格。ボサボサの髪にはフケが浮き出ている。
     思ったことは何でも実行に移す主義。父親は日本医師会の理事。

    マユミ
     伊良部の助手を務める茶髪の若い看護師。
     美人だが愛想はない。
     ミニスカート等、セクシーなナース服に身を包み、露出狂かと思われるくらい肌(特に胸と太もも)を露出する。
     一人でいることを好み、友達もいないらしい。

    大森 和雄(おおもり かずお)
     「イン・ザ・プール」主人公。
     38歳。既婚。出版社勤務、主婦向けの月刊誌の編集部在籍。
     運動をするように伊良部に言われ、プールに通い始める。
     完璧なフォームとより長距離泳ぐことを求め、仕事中も泳ぐことばかり考えてしまい、やがて泳がずにいられなくなるプール依存症に。

    田口 哲也(たぐち てつや)
     「勃ちっ放し」主人公。
     35歳。サラリーマン。
     淫夢を見て勃起していたところ、棚から落ちてきた広辞苑が直撃し、鎮まらなくなる。

    安川 広美(やすかわ ひろみ)
     「コンパニオン」主人公。
     女優を目指すイベントコンパニオンだが、事務所の斡旋で結婚相談所のサクラもしている。
     毎日誰かに尾行されている気がして、眠れぬ日々が続き、友人の助言で神経科を訪れる。
     友人は自意識過剰だと言う。
     
    津田 雄太(つだ ゆうた)
     「フレンズ」主人公。
     高校2年生。
     どんな些細なことでも携帯電話でメールしてしまい、その回数は1日に200回以上におよぶ
     。片時も携帯を手放せなくなり、10分程度触っていなかっただけで、左手に震えの症状が出始め、親に勧められ神経科を受診。

    岩村 義雄(いわむら よしお)
     「いてもたっても」主人公。
     33歳。独身。ルポライター。
     タバコの火の始末の確認行為が習慣化し、止められなくなる。自ら強迫神経症と診断を下し、伊良部の元を訪れる。

  • 伊良部の患者への寄り添い方や、悩みの解決の仕方が独特で面白い。
    短編集でどの話もスッキリ終わるのが、読んでいて気持ちが良い。

  • 精神的な病気になってしまった人の短編集
    中古で100円だったので、読んだことないなと思って購入。
    面白かったです。
    医者が患者の症状に拍車をかけてるように見えました笑
    コンパニオンの話が怖かったです。勃ちっ放しは可哀そうでした。まじ色々怒っていいし、医療器具の弁償なんかしなくていいと思いました。

  • さらりと読めて、オチもある。ひねりはないが、飽きもしない。阿刀田高ショート系の落とし方に似ているようで、でもブラックジョークまではいかない。「何か読みたい」という時に、またページを繰るのかもしれません。

  • オススメしてもらって読んだ。おもしろかった!!
    「イン・ザ・プール」「たちっぱなし」は読みながら声に出して笑ってた。「フレンズ」の感じすき。

  • カウンセリング大事(笑)

  • 夏休みに図書館で読んでた。

  • 表紙に惹かれて教授の本棚から頂戴しました。
    学生が置いて行った本らしい。ところどころ、「うわ、、」となる部分があった。

  • めちゃくちゃヘンな先生。だけどほんとはものすごく優秀なのかも。2話、3話読み進めるうちじわじわとクセになる感じが楽しかった。

  • 面白かったです

  • じわじわとくせになる伊良部先生。
    多種多様な症状をなんだかんが最後に解決させてしまう(…といっていいのか。笑)のが爽快。

    シリーズ読み進めるの楽しみです!

  • クスッと笑える独特な雰囲気の小説。表紙で興味を持ちいわゆるジャケ買いで読んでみた。

  • 例のシーンで読んできた小説の中で初めて「プッ」っと笑ってしまった

  • 緊張が抜ける雰囲気の先生ながらも、なんとなく解決されていく感じがふわっとしてて面白い。クスッと出来るところもありながら、なんか良いな…で終われるやつでした。強迫性障害は割と自分にも当てはまるところがあって…という感じでした(笑)

  • 適当な様に見えて何だかんだ解決の方向に向かって伊良部先生のキャラクターか魅力的でした。

  • メンタルの病で深刻になった患者さんたちと、ふざけたお医者さんの噛み合わないやりとりにくすっと思わず笑ってしまいます。お医者さんの対応の雑なこと、適当なこと!でもそんなお医者さんに何故だか癒されていく人たち。乗り越えるきっかけは、意外と他愛の無いことだったりするんですね。
    自分が苦しくなった時に、まあまあ、と息抜きに読みたい一冊です。

  • 時効警察から三木聡監督の作品を観ていた頃、イン・ザ・プールも観たはず。
    患者たちは最初こそ不信感を抱くものの、段々と伊良部と話したくて通院する様になる。
    それを計算してやってるとしたらすごい

  • ※星3つ相当。面白いです
    以前、「オリンピックの身代金」を読んで、面白いな〜この作家さん、と思って伊良部3部作と呼ばれているイン・ザ・プールから行ってみました。軽快に読めて束の間現実を忘れることができて面白い。読後の爽快感。良いですね。次の「空中ブランコ」にも行ってみたいと思いやす。

  • とあるサイトにて『爆笑できる本』として紹介されていた本。

    爆笑こそはしなかったけれども、確かに伊良部の変態()っぷりは漫画的な面白さはある。この医者の治し方というのは上から正しい事を説いたり、寄り添って話を聞くというスタンスではなく、自分より変な人を見て(見せて?)自らを振り返って自分で解を導きだすというやり方ではないか、と思った。
    実際にはこんな医者、個人的には嫌だけど。

  • なんだかほんとに明るい伊良部一郎。
    診察室は地下にあるのに「いらっしゃーい」なんてもうそれだけで心が軽くなりそうです。
    とんでもないアドバイスが何故か患者を救う、あのなんともいえない間と緩い感じ、いいなぁ。

  • 再読。
    「イン・ザ・プール」心身症の治療のため水泳始めたらハマったサラリーマン。
    「勃ちっぱなし」タイトルどおり。仕事にも支障がでる。ブチ切れたら治った。
    「コンパニオン」ストーキングされてる気がする23歳コンパニオン。
    「フレンズ」ケータイでつながってないと不安な男子高校生。この頃はガラケーだった。
    「いてもたっても」タバコを消したか心配でたまらず何回も家に帰ってしまうルポライター。
    伊良部の精神科医は天職のようだ。人を深刻にさせないから。

  • 人は、言ってる事とやってる事と考えてる事が一致しない時にモヤモヤするものだと思っていて、社会人になってからそんな感覚が一層増えた気がします。
    この小説に出てくる伊良部さんは、自分の気持ちと欲にとても正直で、私もそんな風になれたらもうちょっと楽になるのかもなぁなんて思った。
    表紙の赤ん坊は伊良部さんの人柄を表しているのかな、こんな先生がいたら私も神経科に通いたい。毎回の注射はごめんだけど。

  • ずっと昔に阿部寛主演のドラマで「空中ブランコ」を見たときは、なんて駄作なんだ!と思ったで色眼鏡つけたまま読みましたが、原作はよい感じにコミカルでした。

    ただ、やはり精神科ではなく神経科であることからもわかる通り、ドクターのトリッキーさが仇とならない患者ばかりなのが気になりました。こんなに上手くいかないよ、と毎回突っ込んでしまいました。

  • 悩みごとが読み終わったころにはどうでもよくなってるかも!

  • 伊良部先生の精神科の医者らしくはないけれども、どこか憎めないキャラクターが伝わってきて読んでいる側もユーモアのセラピーを受けているような気になります。やって来る患者達の抱える症状を軽く捉えてバカバカしい対処法ばかり提示するも、それが結果として患者達の症状の解決につながる様は、頼りなさそうに見えて実は名医なのかも…⁉︎と不思議な気持ちになります!水泳好きの私としてはやはり「イン・ザ・プール」に登場する水泳の虜になってしまった患者さんの話が特に好きですね!

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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