- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167761011
感想・レビュー・書評
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最初に読んだ時と私の状況がだいぶ変わってることもあって、新しい気持ちで読み直した。
三浦しをんさんの作品って、おもしろくて軽く読める。初読だと筋書きを追うことに夢中になってしまうけれど、ものすごくグサッと刺さる言葉が多くあるから、再読が必要かも。
子供が親を選びなおすことはできないけれど、与えられなかったものを望んだ形でだれかに与えることはできる。
ポップなノリだけどずっしり重い。ワイルドシティまほろは町田市なのかもしれないけど、全国どこにでもありそうなシティなのがいい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
多田を取り巻くさまざまな人間模様が描かれており、人それぞれ幸せのかたちは違うことをこの本を通して気づけた。
この本に登場する人物たちは、幻の町「まほろ市」にいる若干おかしな人たちなだけなのに、私の住む街にもそんな人たちはいるのだと錯覚してしまう。
著者が書く他の作品にも触れてみたいと率直に感じた。
- 「だれかに必要とされるってことは、だれかの希望になるってことだ」P.105
- 「美しい肺を煙で汚したまえ、少年よ。それが生きるということだ」P.132
- 「愛情というのは与えるものではなく、愛したいと感じる気持ちを、相手からもらうこと」P.196
- 「不幸だけど満足ってことはあっても、後悔しながら幸福だということはないと思う」P.288
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「不幸だけど満足ってことはあっても、後悔しながら幸福だということはないと思う。」が心に残ってる言葉。ゆるーい感じに見えて内容は過激というか、人の良い部分も悪い部分もそのまま見える感じ。読んで良かった!ドラマと映画も見たい
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本は基本的に一度読み手放すのですが、お気に入りとして保管し2回以上読んだ作品です。
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町田が舞台ということで読みました。
土地勘のある人は様々なシーンで情景が浮かんでくると思います。 -
楽しい。
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何かを喪失し、また何かが欠落している人間たちの物語。
その心の欠けた部分や過去の苦しみを多くの者は直視しようとせず、かと言って捨て切ることもできぬまま日々暮らして行く。そんな心の「欠け」を主人公の多田が、行天が、浮き彫りにしてゆく。
この物語の素晴らしいところは浮き彫りになった心の「欠け」に対し、主人公が救済になり切れていないところにあると思う。
親からの愛情を感じられない小学生に対して自らが望む形の愛を両親から受けることは今後も無いだろうと言うシーンがある。ここからは何でも屋を営む多田であっても人々の心まで動かすことは出来ない、という皮肉めいたメッセージを感じる。
そして自らが抱える心の闇や行天を傷つけた忌まわしい過去に対しても、何でも屋・多田はどこまでも無力だ。
それでも、多田は生きていく。
生まれ育ったまほろ市で。
毎日依頼をこなしながら。 -
「探偵bar」が公開になり、即続編が決まったとき、某評論家の方が、
「続編にするならこっち(=まほろ)のほうがいい」みたいなことが書いてあって、確かに龍平も瑛太も間違いないし(「アヒルと鴨の~」ではたいへんに驚いたのが記憶に新しい」、そういえば三浦しをんて読んだことないし・・・くらいに思っていたら、この度2012年本屋大賞を受賞されたり、もっというと昨年大いに楽しませてもらった「モテキ」監督大根さんが来年これをドラマにするという。これはもう今読まなくていつ読む?!みたいなタイミングで、とうとう初三浦しをんである。いまさら・・・と思われるのかもしれないが、わたしには今来ました。
実のところつい最近まで三崎亜記と勘違いしていた。
このタイミングでさらに知って驚いたのだが、三崎亜記て男性なんだ!!
余談だが三崎亜記は通り過ぎてるな。となり町戦争。
ともあれ昨晩読了したこの作品。
折りしも本屋大賞を受賞した時だったので、著者ご本人の動く映像をワイドショーでタイムリーに拝見したが、年代も一緒だし、ちょっとおもろーな人だなという印象が先に入ってしまったのだが(趣味:妄想て言ってた。(笑)
文章が、例えて言うならのどごしのいいお蕎麦を食べたような、
するするっと読めるのに、構成や登場人物それぞれに深い味わいがあり、
なるほどこれはおもしろいと思いました。
とりわけこの作品がそうなのか。
そういえばこれ、なにげに直木賞も獲ってたんだ。
本当にうまいと思う作品て、ほんとにするするっと読める。
この作品がそれをまた教えてくれたと思う。
行ったことはもちろんない、モデルになった駅前の風景の描写とか、
その街の空気みたいなものまで、文章だけで伝わってくるし、
確かにこの主人公は瑛太と龍平がぴったりくる。てかきた。
ドラマの兼ね合いもあるけど、これは続編も読まねば。-
この度はお気に入りありがとうございます♪
ひさしぶりに自分の感想を読み返したら、
お恥ずかしいことに松田龍平さんが
隆平さんになっていて(...この度はお気に入りありがとうございます♪
ひさしぶりに自分の感想を読み返したら、
お恥ずかしいことに松田龍平さんが
隆平さんになっていて(苦笑)
せっかくなのでこのタイミングで訂正しました。
1月からドラマも始まり、原作にはないオリジナルもたくさんあり、改めて「まほろ~」を楽しんでいる今日この頃です。
もともと映画鑑賞(とりわけ邦画)が好きで、
そこから原作読みがおもしろく、高校生以来の「本の虫」と化しておりますが、近年ブクログの発達で、こちらでたくさんのご縁があり知らない作家さんや作品、それを読んでいらっしゃるたくさんの感想に出会うことができ、さらに視野が広がっています。
リアルでない分、かかわり方がいささか乱暴なときもございますが、また時々こうしてお目にかかれるのを励みに、楽しみにいたしております。
今後ともよろしくお願いいたします。です。
2013/02/15
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三浦しをんさんの、文体の豊富さにいつも脱帽です。しばらく積読でしたがやっと一気に読了。面白かった。自分の心、感情が自分にもよくわからない、気づけないとは本当にそう。
気付きたくない、見たくない、隠したいでは前には進めない。それに向き合って、進むでも戻るでもいいが、停滞するのがきっと良くないのだとは思う。行天、多田の傷はきっとこの先癒えていく…と信じたい。 -
舟を編むで感動し、次なる三浦しをん作品として読み始めましたが、さくさくっと軽快な文章であっという間に読め終えました。
便利屋を営む多田と、そこに転がり込んだ同級生行天が、まほろ市で起きる事件に次々と巻き込まれていくという作品。
読了後すぐに映画も観ました。
小説の空気感が、俳優、風景と上手くリンクしていて映画がより楽しめました。
映画化される小説多いですが、これは映画と合わせて読みたい一冊です。 -
多田と行天の距離感が絶妙。 淡々としているようにみえて優しさと繊細さが垣間見え、読んでいて不思議な心地良さ。 誰しも心の内に冷たい部分を抱えていて、 すべてが元通りは無理でも、幸福は形を変えて再生する。 出会いと再生の物語。 面白かった。とても好き。
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自分の不可侵としている領域に、やすやすと入ってくる人っていますよね。たいていはその人の価値観で荒らされるので早々にご退出願うのですが、ときどきスッと真実だけ置いて帰る人がいます。静謐に保っていた水面にちょっとだけ波紋を起こしていくような。余計なことしないでと思う反面そうかも知れないと認めざるを得ない一石。波紋が収まった時の水面はもう以前とは違っていて、人はそうやって変わっていくのかもしんない。そんな多田と行天の一年。こういうかけがえのない関係っていいなあ。
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まほろの世界観が好きで、しばらく経つとまた読み返してしまう。多田も行天も影の部分を持っていながらどこか暖かい。
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とても良かった。
会話が自然で、文章も読みやすくしっかりしているので、ストーリーに集中できる。
人物もそれぞれに味がある。そして何だか、時々ぎゅっと胸がつまる。 -
便利屋の多田と高校時代の同級生である行天の話
行天は便利屋の雑用仕事を手伝うのですが、彼の奇行によって話が面白おかしくなっていきます。
そんな行天に困りながらも多田は彼と仕事を続けていきます。
多田はあまり客の事情に介入すべきではないと思っていて、ただ与えられた仕事を淡々と仕事をこなしていくスタイルなのですが、行天がそういったことにどんどん首を突っ込んでいくのでストーリーが展開していきます。
多田や行天以外にも個性的な登場人物が多くて楽しめると思います。
ストーリー面は、話がどんどん拡張していくというわけではなく、短い話が多い感じなのでそんなに印象に残らなかったです。 -
映画は観てなかったけど、映画の通り
行天は松田龍平さんで再現できた。
傷を負った人間は心が本当に優しいよなぁって感じた。
多田も行天も、いつも自分じゃなく他人を気にしてて素敵だと思った。なんかいいなぁ。