Run!Run!Run! (文春文庫 か 43-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167771010

感想・レビュー・書評

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  • 2時間ドラマっぽい。

  • 「県庁の星」の作者の箱根駅伝もの(県庁は読んでないけど)

    「たすきなんて興味ないから。自分の走行区間で、大会記録を狙うだけ。全体の順位はどうでもいいんだよね。みんなのタイムを見てると、優勝争える感じじゃないし。駅伝で思い出作りしたい人たちは参加だけで嬉しいのかな?でも僕にとって駅伝は通過点なんだよね。駅伝を最終目標にしてる選手と同じ取り組み方はしてないってこと」

    長距離走にズバ抜けた才能を持つ優は生まれてから出た大会で1位以外になったことがない。
    裕福な家庭で育ち、将来を嘱望されて箱根駅伝優勝を目指す新進私立S大学に入学するが、すべてはオリンピックで金メダルを取るためであり、箱根駅伝は単なる通過点。
    仲間なんて必要ない、一人で走るのだからと部内の決まりにも従わず、すべては自分を中心にまわっていると考える傲慢さと自分勝手さ、相手を顧みない言動で周りとの軋轢はどんどん大きくなって行く。

    一方、田舎育ちで自分には才能はないし、トップアスリートにはなれないのはわかってるけど、とにかく走るのが好き!
    憧れの箱根駅伝で走りたい、いや走れなくてもチームの一員として携われるだけでも夢のようだと言う、人懐っこい同級生岩ちゃん。

    そして優には暗いドーピング問題が関わって来る。

    一気に読めちゃいます。読後感がこれまた爽やか☆

  • 正直つまらなかった。オチが普通だし・・

  • 自分も陸上の長距離をやっていたから
    少しは気持ちがわかった気がした。

    夢に向かってチャレンジできるのは
    すごいこと。
    それを叶えることが出来るのは
    もっと、もっとすごいこと。

  • 仲間との熱い青春ものなのか、科学を絡めたミステリーなのか、どっちつかず。中途半端でどの要素も深く描ききれず薄い印象。そのせいか最後まで物語に入り込むことができなかった。陸上ものということで、「一瞬の風になれ」のような濃い時間にどっぷり漬かれる青春ストーリーを期待してしまってたのかも。

  • 長距離ランナーとして恵まれた肉体を持つだけでなく、そのための努力も人一倍してきた天才、岡崎優。同じ陸上部の仲間に対し協調性も興味もなく、大学の箱根駅伝は通過点に過ぎず、目標はオリンピックだった。しかし突然の兄の死をきっかけに家族関係が壊れ、ある秘密を知った優は重たい決断を迫られるが・・・・・・。(文春文庫裏表紙より)


    兄が電車の人身事故で亡くなり、
    ちょっとおかしくなってしまった母親がふと漏らした言葉
    「DNAの遺伝子をいじった」
    という言葉に、優は、自分は父親が自分の欲しいような長距離ランナーになれるような肉体になるように、遺伝子をいじったのではないか、と疑う。
    実際兄は、医学部生で、もしかしたら自分の遺伝子がいじられたものだと知り、自殺してしまったのかも知れない。


    また、箱根駅伝には、もちろん2区に優は選ばれたのだが、
    ドーピング検査でDNA検査をするかもしれない、というインターネット上の知らせで、自分が遺伝子がもしいじられていて、それがドーピング検査でばれてしまえば、今後の進路に影響があるかもしれないと考え、
    自ら駅伝への出場を辞退した。
    そして、入部当時から、周りが優の一匹狼な性格に辟易していた中、一人仲良さげに話しかけ続けていた岩本、箱根駅伝の補欠候補、の補佐役として尽くす事になる。

    ここからの、岩本と優との練習で、だんだん優の気持ちが柔らかくなっていく感じが、すごく良い。
    岩本は、ホントに良い奴だ。優も、岩本がいなかったら、遺伝子の話を聞いたら兄のようになってしまったかも知れない。

    本番、岩本はブレーキを起こしてしまい、走り方もバラバラだったが、
    優がダッシュで自転車で追いかけ、普段の練習でいつも後ろからメガホンで「タン、タン、タン、、、」とリズムを刻んであげていたのを、
    本番で、岩本に追いつき、声で「岩本、タンタンタン、だぞ!」って声かけてあげていて、
    ああ、優はホントに変わったな!って思った。
    あんなに一匹狼で、仲間なんてどうでも良い、みんなが走る前にたすきを手に持ち、まわしていく、というシーンで、隣の男が「こういうの大事なんだよ」みたいな事を言ったら、優が「それ本気でいってるの?」なんて済まして言っちゃうし、
    でも、そこですかさず岩本がパッと優の首にたすきをかけ、またはずして次の人に回す、なんて事やってくれたりして、
    優の気持ちをほぐして(?)くれている感じがした。

    なんだかんだで、優は岩本の練習に付き合うようになってから、岩本の隣に座るシーンが増えた気がして、岩本や、岩本と優のコーチにはだいぶ気を許していたんじゃないかな、と思う。


    主人公が、駅伝で走って、走りきって、感動!
    っていう話ではなく、
    主人公が、だんだん回りに心を開いていく様子が感動的な話だった。


    優は、駅伝が終わって、自分はホントに走る事がすきなんだって事に気付き、
    遺伝子検査を受ける事を決めた。
    遺伝子がいじられている事が確実となり、
    でも、あまりショックがなく、指導者としての道を歩む事となる。
    これも、岩本への練習指導がなかったら、絶対にそんな考えには至らなかっただろうし、
    絶対にショックで兄のようになってしまっていたと思う。
    本当に、岩本に感謝、ですね。

  • 2009.10. ちょうど箱根の予選会

  • 図書館

    私の好きな青春小説・スポーツ小説!
    あさのさんのバッテリーの巧みたいな子が主人公。


    でも遺伝子操作もテーマなんだろうな、多分…

  • この本が、ハードカバーで出版された年は、陸上小説のあたり年みたいなもので、佐藤多佳子さんの「一瞬の風になれ」、三浦しをんさんの「風が強く吹いている」と、どれも秀作でした。

    その中にあって、これは少し変わっているのかもしれない。
    なにしろ、主人公が箱根駅伝を走らない!
    ・・・・・・・・・・が、それでも、十分に「走ること」の魅力は伝わってくる。
    走らないからこそ、かもしれない。
    ぜひ前2作とあわせて読んで欲しい1冊。

  • 巷では取材不足の面でこき下ろされています。確かに2kmの練習タイムが8分だったり、5km19分なんて数字が出てきたり、言われてみると酷いかも。でも、私は気付かなかった。
    そんな事を気にせずに(というか、気付かずに;苦笑)、さらりと読む分には十分に面白いのです。傲慢で自己中心的な主人公が変身して行く物語ですが、最初の傲慢さぶりも見事ですし、エピローグを含む最後の数10ページの処理も綺麗に良く出来ています。ただ、ここも深読みしちゃうと、主人公の変身が自然のように見えて、どこか必然性に乏しい様にも思えます。
    ところで桂さんと言えば「県庁の星」。原作は未読ですが映画は見ました。そういえばこれも傲慢な主人公がチームに馴染んで行く話でしたね。桂さんのテーマのようなものなのですかね。

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著者プロフィール

一九六五年東京都生まれ。大妻女子大学卒業後、会社員、フリーライターを経て、二〇〇三年『死日記』で「作家への道!」優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『県庁の星』『嫌な女』『ハタラクオトメ』『頼むから、ほっといてくれ』『残された人が編む物語』『息をつめて』など。

「2023年 『じゃない方の渡辺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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