ハリウッド映画で学べる現代思想 映画の構造分析 (文春文庫 う 19-10)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167801250

感想・レビュー・書評

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  • 文庫本になってやっと読んでみました。
    内田さんの書かれている物はなんでも好きでわりとよく読みます。
    昔の映画も好きなのでこの本はとても面白かったです。
    ただ、ヒッチコックの「裏窓」という映画のくだりでフーコーなど登場するとちょっと難解でつまづきました。
    面白かったのは「エイリアン」の章。
    「エイリアン」は以前に何度も観たのでとても分かりやすく・・・
    いえ、というより実はそういうお話だったの??と、ちょっとびっくりしました。
    ジェンダーフリーというのはいかにもアメリカ人が好きそうなテーマですよね。
    あらためて、映画って深いと思いました。

  • 内田さんは何度も何度もおさらいのようにラカンやフロイトのことを説明してくれてとても分かり易い。
    それに合わせて映画と照らし合わせてくれてくらるから尚更分かり易い。

    エイリアンのリプリーが猫を取りに行くシーンがずっと疑問だったが、なんとなくわかったかな。

  • ここでとりあげられている映画を見たくなった。
    特に興味深かったのは第3章の「アメリカの男はアメリカの女が嫌い」である文化についての考察。

    「アメリカ」というのは昔からなんとなく子供の時からひっかかる国(言葉?)なのである。自分の違和感がどこから来ているのかの一つの切り口になったら面白い。

  • う〜ん、やっぱり深読み・こじつけが過ぎるんじゃないの?と思ってしまう。

    「エイリアン」については私は甚だ疑問で、「裏窓」についてはナルホドねえ〜と面白かった。

  • 相変わらずのウチダ節。
    でも、なんでもありのブログ本と違って、映画を題材にした現代思想の解説本と、テーマが絞ってあるので、こちらも集中して読めました。
    ふつうの解説本なら途中で投げ出したくなるような難しい言葉を、一見易しい言葉で説明してくれているので、最後まで一気に読み通すことができました。ホントに分かったのか、と言われると、心もとないですけど。
    映画をこのように見ることができると、楽しみが倍増するでしょうね。

  • 【自分のための読書メモ】
     作者曰く、「この本の目的は、・・・みんなが見ている映画を分析することを通じて、ラカンやフーコーやバルトの難解なる術語をわかりやすく説明する」ことにあるとのこと。たしかに、この本は二度おいしい。読めば、現代思想のいいところを総ざらい的に理解できるのだから。
     かといって、映画の分析が面白くないかといったら、これが目からウロコ。ホントに『エイリアン』や『ゴーストバスターズ』がうまいこと料理されてます。『エイリアン』から、フェミニスト的主題が切り取られていたのにはびっくり。
     結びつきそうにないものを結びつけるのが人文学の醍醐味ですよね。

  • 取り上げられている映画の中で、知らないものがいくつかあったため、知っているものが取り上げられている章と比べて、理解に差が出た。

    エイリアンとかゴーストバスターズとか、また見たくなったってことは、内田先生にまんまとやられたことになる。

    アメリカンミソジニーについて書かれた、最後の章は、映画を知らない割にスラスラ読めた。
    柔和で喉越しのいい文章だ。

  • その映画には、一体どんな意味があるのか。その意味から、現代思想を読み解いてゆくという、現代思想の入門書。
    心に残る映画は、その当時の思想が深く根を降ろしていることを、有名な映画を思い出しながら辿ってゆける。あのシーン・映画にはこういう意図があったのか、と読みながら懐かしさが少しこみ上げてくる。
    心に残る映画とは、思想の根底から土台を作り上げ成り立っていると思った。その思想を、映画監督は意識的/無意識的に演出として映画にし、思想家は分析して論じる。このアウトプットの違いはあるが、この二つの道を上手く結びつけて、本書は現代思想を丁寧に論じている。

  • 読もう読もうと思っていた本だが、丁度文庫化されて有り難かった。ただ結論から云うと、個人的に映画の構造分析自体にはあまり興味が湧かないのであったw。ま、この本自体は映画をサカナにして構造論を語ったものである、ということなのだけどね。でもそれ以外の部分におっ、と思わされる、さすが内田樹という記述がちらほら。

  • さらっと読める、「映画を素材に使った、現代思想の入門書」。
    映画批評とかいうと、気合入れて何かを糾弾しているような文章が多かったりするけど、比較的ニュートラルな立場で、材料として映画と向き合っている姿勢にするっと寄り添えました。

    映画だけじゃなくて、物語・テキスト・表象・意味・・・そんな広い諸々をいっぺんに考えられるとともに、映画の他にはない特性をはっきりと知ることができる一冊かな、と思います。
    次に何か読みたくなるし、観たくなる。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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