ごはんぐるり (文春文庫 に 22-4)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167905545

感想・レビュー・書評

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  • 元気になれる本。このひとことで私はこの本を評したい。
    食は楽しい。そう思わせてくれる一冊だ。

    著者が楽しんだ食事、経験した食文化、著者の食の好みといった食にまつわるエピソードが集められている。軽快な文章や、大阪出身の著者のコミカルな表現が、この本が持つ雰囲気をさらに明るくする。

    エピソードの中で、印象的なものがある。両親は日本人であるがテヘラン生まれの著者は、幼いころから日本食に親しむことができた。しかし、食材に関しては日本で手に入るそれとは違う。小学生時代のヨーロッパでのサマーキャンプで、海外の子どもたちとの食事で著者はそれを身をもって悟る。その著者の動揺が妙に生々しく伝わった。私なら、自分の中の常識を目の前が覆されたとき、驚きを通りこして固まってしまうと思う。そんな体験も、明るい雰囲気で当時の驚きを描かれているので著者の人柄の明るさを伺える。

    テヘラン生まれの著者だからこその体験談を知ると、著者の食に対する思いに共感できるだろう。

  • カイロで育ったごはんの記憶が凄まじい。水が、野菜が、卵がなまで食べれることが幸せなんだと感じた。

  • テヘラン生まれ、カイロ育ち、そして大阪どっぷりの作者西加奈子氏。
    食のエッセイなのに、肩ひじ張らずに、楽しく読める。
    えっーと、そんなのが、美味なの?と、思うような話も、、、(笑)
    でも、入院の時の、点滴のみの話は、理解できる。
    人間の元気の素は、口から食べれることに感謝すべきであると、つくづく思う。
    絶食はしたことが無いけど、きっと作者が、思わず、牛乳を何本も、一気に飲んでしまったことは、凄く理解できる。

    少し、こんなのが好きなの?と、思われる料理(?)もあるが、沢山の国々の料理の話が出て来て、飽きない。ニューヨークでのアフガニスタン料理のダンプリングを食した時に、その国の現状を考えて、あなたの国も素晴らしい!と、言えないと思った作者が、何度も料理は美味しいと言い続けた優しさ。

    タコ焼き大好きな作者が、好きになった。
    でも152ページの「お好み焼き大好きだんねん!」とは言わないよ!
    「大好きでんねん!」と、オジサン族は言うけど、「だんねん」は、大阪人でも、使わへんで~(笑)

  • 読んでいるとお腹が空いてくる食に関するエッセイ。始めて西さんの本を読んだが、文章には飾り気がないが、言葉選びにセンスを感じる。
    しかし、食に関するというだけでなく、基本的な価値観がちょっと違うのか、面白い!とはならなかった。

  • 西加奈子の小説も好きだけど、たぶん私はこの人がすごく好き

  • 食事を作って、美味しいって食べてくれるのが嬉しい。
    この本で印象に残っている所は、日本に住む外国人の方を訪ねて家庭料理を一緒に作るところ。料理をする時の音とリズム、食材や彩りからその国々の事が想像できて、読んでて楽しかったです。一緒に料理して食べた気になりました。ごちそうさまでした。

  • 関西弁が好き。

  • 2017.10.19読了

  • 初めて読んだ西加奈子。面白かったー。
    エッセイが好きと思える作家さんて意外といない。 小説が好きでも テレビで話してるのが好きでも 好きとは限らないのが不思議なんだけど 西加奈子のエッセイは大好きー。なんでだろ。
    この人の根底に 他人に対する愛情を感じるからかなぁ。
    前にテレビで話してるのを見て あの大阪人そのものの押しの強いキャラを苦手と思って 本を手に取ったことなかったのに なんか食べ物の話だったから 珍しく手に取って パラパラしたら なんかイケる気がして買った。でもこんなに面白いと思うなんておもわなかったなぁ。
    今度は小説も読んでみよう。
    エッセイも読みたいから たくさんエッセイ書いてー

  • とても面白かったです。このエッセイは、食べ物も美味しそうですが、西さんの飾らなさと豪快さ、そしてちょっとの面倒さが溢れていて素敵でした。テレビで見ていた西さんの人柄、語り口そのまま。日常のエピソードも、外国の暮らしぶりも興味深かったです。エジプトでは生食は今でも難しいのかな?わたしももっと食も楽しみます。小説も、エッセイも、食べ物が美味しそうな作品は良いですね。大好きです。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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