とっぴんぱらりの風太郎 上 (文春文庫 ま 24-5)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167906894

感想・レビュー・書評

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  • 万城目学さん『とっぴんぱらりの風太郎』の上
    レビューは下の方に

  • 天下は豊臣。なれどその時代はすでに戦国の世から、戦のない
    徳川へと移り変わろうとしている。そして戦う武器すらも
    刀から銃や砲へと変わっていくとあっては、伊賀の忍び忍者稼業も
    もはやお呼びではなくなるのであろうか.....

    ただでさえ決して優秀とはいえず、しがない伊賀忍者の端くれ
    風太郎(ぷうたろう)にとっては死活問題。
    ある仕事に失敗したことがあだとなって、風太郎は忍びの職を追われ
    ニートとなってしまうのだ。風太郎(ぷうたろう)ならぬプータロー。
    その名を地でいくはめになってしまうとは~。(笑)

    京の都のはずれ、吉田山の麓にあるあばらやに住み、その場かぎりの
    日雇いの仕事をしながらのらくら暮らす、そんな風太郎の前にある日突然
    "因心居士(いんしんこじ)"と名乗る瓢箪のものの怪が表れて──

    そのものの怪(因心居士)は
    "瓢箪の種を蒔いて育てよ" と告げる。

    なまけた暮らしにうだつの上がらない青年(二十歳)風太郎の目の前に
    突然ものの怪が表れ説教させられて、おまけに"種を蒔いて育てよ"だなんて
    まるで日本むかし話かおとぎ話かのような始まり。忍びの世界とはいえど
    コミカルに話が進んでとても和ましい展開が続く上巻です。

    されど忍び。
    大坂の陣を目前に、一度は職を追われたはずの風太郎にも
    忍びの影が密かに忍び寄っていたのでした。

    つづく...。

  • 2019.3.30再読。久々の万城目ワールド。この世界観がすごくいい。

    忍びの世界しか知らなかった風太郎が国を出て、京都での暮らしの中で人の情に触れ、変わっていく。再び忍びの世界に戻り、仲間との違いや自分の心の変化に気がつく。

    いくさの世に翻弄され。瓢箪の神様に翻弄され、黒弓のペースに流されながらも結構いい感じで変わっていく姿に惹きつけられた。

  • 全十章中、六章まで。
    脳天気で図々しい弱り上手と、ちょっと神経質で不器用でまっすぐな二人――という第一印象が徐々に変化していく。主人公とともに、わけのわからない展開に巻き込まれていくが、少しずつ事情がわかりはじめる。そして下巻に続く。

    物事のコントロール欲を手放せば、余裕をもって人生を楽しめるのかなあと、ふとそう思う瞬間が何度かあった。

    万城目さんの世界は温かくて楽しい。

  • 緩い展開からシリアスな展開に

  • 2014年本屋大賞5位
    前置き長く感じるけど安定の万城目ワールドでツラツラと読めた。下巻へGo!

  • 共感できないのに、共鳴させられる主人公という作品を始めて読んだ。何も持たない彼が、自らの目的とその価値を見出し、過酷な状況に身を投じていくさまを読むことで、人間が持つある種の強さ、あるいは崇高さの可能性を信じたくなった。

  • とにかく先が読みたくなる本

  • 面白い!下も早く読みたい!

  • タイトルの『とっぴんぱらりの』や紹介文の『京でぼんくらな日々を送る“ニート忍者”』でのほほんとした内容かと思いきや、のっけから命を賭ける殺伐とした闘いがあり読むのを諦めようかと思った。
    面白くなったのは伊賀を出てからだが、やはり争いのシーンはかなり残虐。
    忍びってこうだったのか。
    忍びしか知らない人生なら自由の身になってもそれを自由と気付けないのかもしれない。
    権力にとことん利用される風太郎を解放してやりたいと思った。
    あと、ひょうたんの作り方がよくわかった。

    ひさご様、因心居士、果心居士、残菊の正体が気になります。

  • 瓢箪からこまった

  • 風太郎のイメージが、勝手にむくむく膨らんで止まらない。のんびり瓢箪育ててるかと思えば、殺伐とした戦いのシーンもあって。登場する人物がみんな魅力的...。着地点が気になる気になる。

  • 読みやすい
    瓢箪の作り方なんて初めて知ったけど、結構大変なんだ。
    よくよく考えたら、中身を小さな穴から取り出すわけだから…、そうか…腐らせて…。
    忍びの大変さと、何だかんだそんな中でいい人な風太郎。
    下巻も楽しみ

  • ザッツ万城目ワールド♪
    天下は豊臣から徳川へなろうとする頃、度重なる不運の末、あえなく伊賀を追い出され、京の町でしがない日々を送る“ニート忍者”の風太郎(笑)
    あるとき出会った“もののけひょうたん“に大きく人生を変えられる(^^)
    上巻では真田丸が出てきたりと、昨年の大河とシンクロするシーンも結構あり、違ったオモシロさも(^^)
    下巻はやがて訪れる冬の陣へ♪

  • (上下巻あわせての感想)
    時は豊臣から徳川に移り、いろいろあって忍者を首になった風太郎君。
    京に出てニート生活をはじめるも、不思議なひょうたんと出会い、
    豊臣方に巻き込まれていきます。
    全力で展開される万城目ワールド。文句なく面白いです。
    20160930

  • とってもおもしろかった。
    テンポよく、駆け抜けるようで、ぐいぐい読んでしまった。
    忍者の主人公が、どちらかと言うと落ちこぼれで、よく騙されてしまうのが(忍者なのに!)笑ってしまう。

    でも万城目学の作品だからと油断していた。
    めっちゃ死んだ。みんな死んだ。
    そして誰もいなくなった。アガサ・クリスティーかよ。
    正確に言うと、全員が死んでしまった訳じゃないけど、おまえー!なんで死ぬんだ!!って何度心の中で叫んだことか。
    なのにハッピーエンドなのは間違いない。
    なるほど、これにプリンセス・トヨトミが続くわけね、ってわかる。
    私はというと、ついつい芥下とか、黒弓のお母さんとか、残された人はどう思ってこれから過ごすんだろうって考えてしまうんだよね。
    でも、百はきっと日本を出ることなく、女の子を育てるだろうし、芥下は京都で瓢箪屋を続けるだろうし、希望があるよね、女の人はなんとか踏ん張って生きてくよねって、他の人の感想を聞いて、目から鱗が落ちる思いだった。

    で、結局とっぴんぱらりの謎は解明されないままだった。

  • 上下巻共、読了。
    時間があったこともあり、下巻は一息だった。
    万城目ファンには堪らない流れだろう、これは。このままプリンセストヨトミを読み返したい。

  • 久しぶりの万城目作品。
    話の筋がしっかりしていて、癖のない文章が読みやすかった。

    印象的だったのは、風太郎の視点で描かれる戦の臨場感。
    忍びなのに、目の前で繰り広げられる惨状に当惑する心情がリアルに伝わってきた。

    分厚いけど、読み応えがあって満足の作品。

  • 忍びの腕は一流というわけでもないが、ダメ忍者というわけでもない。
    無愛想で、人柄も特にすばらしいというわけでもなく、もちろん美貌に恵まれているわけではない。
    それを、本人、風太郎(ぷうたろう)が一番よくわかっている。

    冒頭、伊賀の城に傷をつけ、御殿の機嫌を損ね、いきなり失職。
    まだしく、プータローになってしまう。
    そういう彼だからか、次々に起こる不思議なことに巻き込まれる。
    ひょうたんの精?因心居士やら、ひさご様やら。
    相棒?の、南蛮呂宋出身の黒弓も、いろいろ引っ掻き回す。

    あれよあれよという間に、大坂冬の陣。
    戦の中で殺人を重ねて、彼のナイーブさが失われていくのが痛々しい。
    御殿や采女殿の真意は何だろう。
    忍びの道を一度は逐われ、また呼び戻された真意は?
    さて、下巻ではどうなっていくのだろうか。

  • これまでの著者の作品から比べると、想像を絶するような話ではなく、あまり万城目ワールドを感じさせない内容でした。でも早く続きが読みたくなった。やっぱり面白い。

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著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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