- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167906894
感想・レビュー・書評
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忍者風太郎(ぷうたろう)は、殿様の逆鱗に触れ、伊賀の里を追放される。元はと言えば相方•黒弓のヘマと、同じ柘植の忍び屋敷で育った同期の蝉左右衛門•百市らが原因なのだが。京のあばら屋に逼塞した風太郎は、ひょんな事から因心居士という幻術使いの術に囚われてしまう。伊賀忍者への復帰を期して、やはり同期の常世(とこよ)に合力する中で、太閤未亡人•寧々の依頼を受け「ひさご様」という貴人の京見物の案内をするが、月次組(つきなみぐみ)という連中に襲われて…。
上巻は第六章まで。黒弓を訪ねた堺で蝉左右衛門と合流した風太郎は「大坂冬の陣」に参戦する事になる。司馬遼太郎の著作で言うと「果心居士の幻術」+「城砦」の面持ち。歴史エンターテイメントとして面白いです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
万城目学さん『とっぴんぱらりの風太郎』の上
レビューは下の方に -
天下は豊臣。なれどその時代はすでに戦国の世から、戦のない
徳川へと移り変わろうとしている。そして戦う武器すらも
刀から銃や砲へと変わっていくとあっては、伊賀の忍び忍者稼業も
もはやお呼びではなくなるのであろうか.....
ただでさえ決して優秀とはいえず、しがない伊賀忍者の端くれ
風太郎(ぷうたろう)にとっては死活問題。
ある仕事に失敗したことがあだとなって、風太郎は忍びの職を追われ
ニートとなってしまうのだ。風太郎(ぷうたろう)ならぬプータロー。
その名を地でいくはめになってしまうとは~。(笑)
京の都のはずれ、吉田山の麓にあるあばらやに住み、その場かぎりの
日雇いの仕事をしながらのらくら暮らす、そんな風太郎の前にある日突然
"因心居士(いんしんこじ)"と名乗る瓢箪のものの怪が表れて──
そのものの怪(因心居士)は
"瓢箪の種を蒔いて育てよ" と告げる。
なまけた暮らしにうだつの上がらない青年(二十歳)風太郎の目の前に
突然ものの怪が表れ説教させられて、おまけに"種を蒔いて育てよ"だなんて
まるで日本むかし話かおとぎ話かのような始まり。忍びの世界とはいえど
コミカルに話が進んでとても和ましい展開が続く上巻です。
されど忍び。
大坂の陣を目前に、一度は職を追われたはずの風太郎にも
忍びの影が密かに忍び寄っていたのでした。
つづく...。 -
全十章中、六章まで。
脳天気で図々しい弱り上手と、ちょっと神経質で不器用でまっすぐな二人――という第一印象が徐々に変化していく。主人公とともに、わけのわからない展開に巻き込まれていくが、少しずつ事情がわかりはじめる。そして下巻に続く。
物事のコントロール欲を手放せば、余裕をもって人生を楽しめるのかなあと、ふとそう思う瞬間が何度かあった。
万城目さんの世界は温かくて楽しい。 -
2019.3.30再読。久々の万城目ワールド。この世界観がすごくいい。
忍びの世界しか知らなかった風太郎が国を出て、京都での暮らしの中で人の情に触れ、変わっていく。再び忍びの世界に戻り、仲間との違いや自分の心の変化に気がつく。
いくさの世に翻弄され。瓢箪の神様に翻弄され、黒弓のペースに流されながらも結構いい感じで変わっていく姿に惹きつけられた。 -
緩い展開からシリアスな展開に
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2014年本屋大賞5位
前置き長く感じるけど安定の万城目ワールドでツラツラと読めた。下巻へGo! -
共感できないのに、共鳴させられる主人公という作品を始めて読んだ。何も持たない彼が、自らの目的とその価値を見出し、過酷な状況に身を投じていくさまを読むことで、人間が持つある種の強さ、あるいは崇高さの可能性を信じたくなった。
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とにかく先が読みたくなる本
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面白い!下も早く読みたい!