希望が死んだ夜に (文春文庫 あ 78-1)

著者 :
  • 文藝春秋
4.17
  • (284)
  • (292)
  • (124)
  • (14)
  • (4)
本棚登録 : 3338
感想 : 224
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167913649

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一気読み!!
    ミステリかと思って読み始めたら、貧困問題、毒親、先生、バイト先の店長、終盤には、、、!!と、自分勝手身勝手な大人ばっかだだし、社会問題いっぱいだし、これは、結構深刻で残酷で切ない話だった。

    最近一気読みばっかだな。
    やっぱりミステリはおもしろいな。

  • ミステリというより社会派的な作品だと思う。貧困や生活保護、なんて重い作品なんだろう。

  • まだまだ先がある、若いからどうにかなる
    と世間から言われる中学生という年頃の中で、
    この二人は、
    他の人からは理解できない、されたくもないような
    辛い環境下の中で今を必死に生きている。
    でもその中でどうしても乗り越えられない壁にぶつかった時に、お互いに頼って、依存して
    終わらせようとするけど、
    覚悟を決めたはずの中にある小さな後悔や、責任で
    最悪の結末になってしまう。
    片方は生きて片方は死ぬという言葉に表せば簡単な結末でも、一人は置いてかれた悔しさや悲しみ、もう片方は置いてった苦しみや安心があって
    簡単に片付けては行けないラストだった。
    でもやっぱり置いてかれた方からしたら、なんで?ってなるだろうな。
    最後警察がかけた言葉が気になる。

  • 先の読めない展開でどんどん引き込まれていき、ラストは衝撃の連続。あっという間に読んでしまった。
    貧困問題をテーマとしているが、そこにミステリーの要素もあり読み応えがすごかった。
    大人に振り回され、必死に生きる子どもがいるのだ。もがいてもがいて行き着いた先が絶望・・・。二人を救えるタイミング、いくつかあったよね?彼女たちの周りにいる大人がダメすぎる。誰にも救われなかった二人の末路に胸が締め付けられる。
    読み終えたあとにタイトルの意味が重くのしかかってくる。希望=ネガとのぞみ。深いな・・・

  • 思い返すと小中学校のときにも色んなやつらがいた。面白いやつ、運動ができるやつ、優しいやつ、うるさいやつ。臭いやつもいた。
    当時の自分はクラスにいた当人しか見えてなくて、彼ら彼女らの背景、家庭環境まで考えもしなかった。
    何人か友達の家に行ったけど、多少厳しい、優しい等の違いはあれど、自分から見て彼らの親はみんなまともな大人だった。

    うーん、、、、臭かったあいつに風呂くらい入ってこいと言ったことなかったかな、、、
    少なくとも思ったことはあった。

    色々考えさせられた。「思いやり」と言っても、知識や見えてる世界が限られていると、思いやれるのもその中に閉じてしまうと感じた。

  • 言いたいことがあって、ミステリーとしては薄いと感じた。でも言いたいことがとても正しい。
    14歳は色々迷うし絶望したりもする。
    それでも、と思えていればいいなと思う。

  • 結末が只々切なかった。
    中学生にこんな窮屈な思いをさせる貧困問題は自分が想像してるものよりもっと重く悲しいものだと感じた。

  • 【探したけど、希望はどこにも無い。あったのは儚い幻】

    中学生ののぞみが殺害された容疑で捕まった同級生·ネガの動機を調べる事になった刑事達はその背景の社会の闇に気付く物語。

    深夜に起きた首吊り自殺。
    捕まった少女に動機を聞いても黙秘を貫くのみで、その不可解さが解決の糸口となる。
    そこにあったのは中学生を働かされる圧倒的貧困。
    しかし、アフリカなどの飢餓や苦しみがある訳では無い。不幸を比べる事自体が歪だ。
    当事者にしか分からないそれぞれの地獄がある。

    信頼出来る大人に搾取される子供達の痛みを想像するしか救いは無いのだ。

  • 子供の貧困、生活保護について書かれた社会派ミステリー。14歳の少女ネガが親友であるのぞみを殺しましたという自白から物語は展開していく。しかし、動機はいくら聞いても黙認を続け刑事である真壁と仲田が真相を求めていく。
    後半に行くにつれ、ネガとのぞみの間にあった誰も知らない絆がある事が分かり始め面白かった。ネガを残して自殺してしまったのぞみと唯一の親友を失ったネガの心境を思うととても苦しくなる。親達も生活保護なんて受けたくないというプライドなんか捨てて、生活保護を受けていたらこんなことにはならなかったのになと思う。のぞみの最後の遺書の描写が印象深かった。真犯人が分かった時には驚いた。最後ネガはどうなって生きていくのかは書かれていなかったが強く生きて欲しいと心から思えるような作品。

  • 子供の貧困問題をベースに刑事の視点とこの物語のキーとなる女子中学生の視点が交互に書かれる。
    結末は非常に切ない‼久しぶりに読みながら涙ぐんでしまった。中学生でそんな決意をしなければならない社会ってなどうなんだろうと思うし私自身も親として非常に考えさせられた作品であった。このストーリーの終わらせ方も秀逸出会ったと思う

全224件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1978年生まれ。メフィスト賞を受賞し、2010年『キョウカンカク』で講談社ノベルスからデビュー。近年は『希望が死んだ夜に』(文春文庫)、『あの子の殺人計画』(文藝春秋)と本格ミステリ的なトリックを駆使し社会的なテーマに取り組む作品を繰り出し、活躍の幅を広げている。

「2021年 『Ghost ぼくの初恋が消えるまで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

天祢涼の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
凪良 ゆう
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×