神田堀八つ下がり: 河岸の夕映え (徳間文庫 う 12-2)

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  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198922542

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  • 《どやの嬶ーー御厩河岸》
    水菓子屋の一人娘・おちえは、火事で家を焼かれ、父に死なれ、挙げ句の果て、叔父に銭箱を盗まれ、母と弟と、番頭の卯之吉と共に、御厩河岸の近くの仕舞屋で、小さな店を構える。
    そんなおちえの前に現れた若い男、勘次は「どやの嬶」と呼ばれる男勝りの船宿「川藤」のお内儀の息子であった。

    《浮かれ節ーー竈河岸》
    端唄好きの小普請組・三土路保胤は、ひょ んなことから、人気上昇中の都々逸坊扇歌と、都々逸合戦をすることになる。

    《身は姫じゃーー佐久間河岸》
    佐久間町界隈を縄張りにする、岡っ引の伊勢蔵は、火の用心の夜回りの途中、小汚い娘を拾い、家に連れて行くが、娘は自分のことを姫だと言う。

    《百舌ーー本所・一ツ目河岸》
    横川柳平は、本所相生町に、弟の金吉と二人暮らしをしていた。
    柳平は、故郷の津軽が恋しかったが、江戸で暮らすしかなかった。

    《愛想づかしーー行徳河岸》
    魚河岸で荷を運ぶ人足をする旬助は、出戻りのお幾と暮らしていた。
    旬助は、廻船問屋「三枝屋」の息子であったが、勘当されていた。
    ところが、店を継ぐ為に、三枝屋に戻るように言われる。

    《神田堀八津つ下がりーー浜町河岸》
    米沢町の薬種屋「丁子屋」の主人、菊次郎と、町医者の佐竹桂順との温かいお節介。
    己に厳しい板前と、小身旗本次男の矜持。

    六遍とも、河岸に絡めた秀作揃い。

  • 江戸の町人ものの短編集。「おちゃっぴい―江戸前浮世気質」の続編とのことですが、全く記憶がなかった(笑)。でも面白かったです。バラエティに富んだ登場人物なのがよかった。「身は姫じゃ」が一番ぷりぷりした感触でよかったです。でもどれもよかったなあ。おすすめ。

  • どやの嬶 恋いちもんめに似てるかな。
    お姫さんの話 なんだかせつない。
    神田堀八つ下がり かなり面白い!シリーズ化できちゃうキャラばかり。あら、おちゃっぴいを読んでなかったよ。

  • 2022/7/23
    書いてなかった。忘れてしまった。
    お姫様の話がよかったなぁ。
    江戸の市井に生きる人たちを描いた短編集だったハズ。

  • 物語に躍動感が欠けていて、どこか作家の迷いがあるような感さえある。
    もうちょっと書ける作家だと思うのだが。
    相対評価という観点も含めて、過去最低の評価を下さざるを得ない。

  • 6編の短編集。「浮かれ節」が一番良かった。無役の侍が、娘の奉公のために都々逸合戦に出るという内容。貧乏なのだが、くさりもせず心優しい主人公がいい。表題の「神田堀八つ下がり」は登場人物が多くてわかりずらかった。「おちゃっぴい」の続編なのだが、まだ読んでいないから、早めに読まなければと思う。

  • 「おちゃっぴい」の続編ですよ、という情報を「たなぞう」でいただき、<m(__)m> 読みました。

    「おちゃっぴい」がとても好きだったので、丁子屋の道楽息子・菊次郎がすったもんだの末に おかねを嫁にもらい、なんとかうまくやっている標題作(女房は洒落たものに入るのだろうか。鮪のような腹をしたおかねが洒落たものなら、道端の石っころはすべて洒落たものになりそうだ。なんてしみじみ可笑しくて哀しい)、岡っ引きの伊勢蔵の一人娘の婿に来た龍吉(彼のちゃん(*^_^*) は33歳!)もちゃんと役に立ってるみたいだし、という“身は姫じゃ”、その他、「おちゃっぴい」の後日談というだけでなく、江戸の庶民が笑ったり、泣いたり、が優しく描かれていてよかったです。

  • 江戸の「河岸」を舞台にした短編集。『おちゃっぴい』の続編だそうで・・・。気づきませんでした。すんまへん。お武家さんやら商家やら、はたまた高貴な娘さんやら、いろんな人々が登場します。安心して気楽に読める1冊。

  • 6篇のお話。おちゃっぴの続きみたい。「浮かれ節」は読んだことがあった。雑誌かなぁ?「身は姫じゃ」の親分がよかった。伊勢蔵親分ってなんだかいい。

  • 「どやのかか」と「身は姫じゃ」が好きかな。

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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