- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784255003993
感想・レビュー・書評
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流石に邪推しすぎでは?と思うところもあるが、面白い。アルテミジアのユーディトは何回見ても殺意がマジ過ぎて好き。(それが画家自身の覚悟を反映しているという考察も遠からずと思う。)
後はレーピンのツァーリも好き。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
そこに描かれていない時代背景のような解説があることによって、「実はこれってね‥」という謎解き?的要素がある。
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本当に怖い絵もあるし、絵が書かれた後の画家や書かれた人の運命が怖いという作品もある。でも、この手の企画にありがちな、無理やり集めた感が少ないのは、流石に著者の博学のおかげ。
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気になっていたが、あまりのベスセラーぶりに読んでなかったシリーズ。
BSの「ぶらぶら美術館」で中野京子の歯切れのいい解説聞いて、イメージと違ってたのでようやく読んでみようかなと。
ハマった(笑)改めて、戦慄するほどの面白さ。シリーズたくさんあって他の読書計画が吹っ飛ぶ(泣)
一番心に残ったのは、グリューネヴァルト「イーゼンハイムの祭壇画」における、中世の教会絵画の位置付け。中野京子の優れた筆致が、現代の私たちに、歴史の時空を飛び越えることを可能にする。そうか。当時の人々は絵を見る機会がなかったのか!それは見た人の衝撃たるや!私たちが漫然と見るのとはのめり込み方が違うのね。更級日記の主人公が源氏物語を貪り読んだのと同じなのね。
ルネサンスが人間讃歌ばかりではない弱者への痛烈な蔑みも含んだものであったことなど、作者の分析力は、論理的で素人にも飲み込みやすく、わかるって楽しい!霞が晴れるような気持ちよさがある。
中野京子のシリーズ、たくさん出ているので、困った困った。 -
面白かった。教養〜って感じ。
ルドンのキュクロプスと、ベーコンのベラスケス<教皇インノケンティウス十世像>による習作がすごく好き。
キュクロプスのはストーリー性があって面白いと思った。ストーカー…つらい…
教皇の絵はすごく現代的に見える。電気系のエフェクトみたいで斬新。かっこいい! -
面白かった。名画や絵画など大昔に流行ったもので、美しい裸の女性が横たわっているものを恍惚とした目で眺めていたんだろうというような薄いイメージしかなかった。
しかしこの本を読むにつれ、歴史的背景に基づいていたり、当時の画家の生活風景がありありと想像でき、其々が興味深く一気にページが進んだ。
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絵ってどうやって見ていいのかわからない。
現実とそっくりであれば、「上手い」とかそういうレベルです。
そんな絵画オンチの私にピッタリの本。
実際に絵を見せてくれて、歴史的背景から作者の人生・思想まで解説してくれるので非常にわかりやすい。
パラパラと見て、気になった絵のとこだけを読みました。それでも充分楽しめます。
実際、見るだけでザワザワする絵ってあるんですね・・・。 -
一枚の絵にはどれだけたくさんのストーリーが隠されているか。絵と説明文を見比べながらなるほどなるほど~と納得しながら読み進めていくのは楽しかったですが、タイトル通り、背筋が寒くなることもしばしば。中世のヨーロッパ、自然も美しく人間味溢れる時代だったかもしれないが、なんとむごい時代だったんだろう。無念の死を迎えた人々の事を思うと胸が痛くなります。
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あー怖かった!笑
絵そのものが怖いというより、何の変哲もない絵画に秘められた怖さを暴いてゆく感じ。視点と時代背景に吸い込まれ、ページをめくる手が止まらない止まらない。
中野京子氏が筆を執っているが、語り口によっては好き嫌い分かれそう。あと世界史の教科書読み直したくなる。 -
一見幸せな家族『グラハム家の子どもたち』…
けれど、この絵の完成後?
スポットライトを浴びるドガの『踊り子』…
じつは、この時代のバレリーナは?
キューピッドのキスを受ける豊満な裸体『愛の寓意』…
でもほんとは、このふたり?
名画に塗り込められた恐怖の物語。心の底からゾッとする名画の見方、教えます。