差別はたいてい悪意のない人がする

  • 大月書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784272331031

感想・レビュー・書評

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  • 私は今どこに立っているだろうか。
    傾いた世界にフラッグを立てていないだろうか。

    差別をされることを不当に思うよりも
    差別をしないように努力を積み重ねていきたいと思わされた。

    特に、事例をもってどういう点が差別となるかが説明されている点が良く、
    内容も納得させられるものばかりだった。

    誰しもに一度は読んでもらいたい本。

  • 謙虚でありたい…。自分の持つ特権についても、視野についても、無知についても。意図せず差別的発言や行動をしてしまったときには、きちんと考え、改められるように。
    差別をなくすことはできるのだろうか。みんなが生きやすい場所を増やすためには、考え続けて、学び続けて、伝え続ければ。

  • 差別なんてしてません、って顔でこの本を読んでるお前のことを言ってるんだよ。って何度もハッとさせられた。

  • フェミニズムジャンルは、韓国本が圧倒的におもしろい。
    ちょっと思いつくだけでも「82年生まれ、キム・ジヨン(チョ・ナムジュ)」「私たちにはことばが必要だ(イ・ミンギョン)」「クソ女の美学(ミン・ソヨン)」「屋上で会いましょう(チョン・セラン)」はじめ話題作がたくさん。

    本書も韓国のベストセラー。マイノリティや差別論を専門とする大学教授による見えない差別の本。
    マイノリティとして差別を受けている人でも、差別をしてしまう側に回ることもある。普通の人がしてしまう差別について、あらためて気づかされる。障害者に対する「希望を持って」という励ましは、現在のその人の生活に「希望がない」ということを前提とする発言である、のような事例にハッとする。
    韓国の事例はほぼ日本にもあてはまる。まず知ること、意識すること。

  • フェミニズムが強い韓国だからその文脈で差別を語るのかなと思ったけど、
    人種という概念に対しての批判、そんなところまでしっかり絡めてくるんだと。
    わかりやすく大衆宛に書かれてるものだしライトなんじゃないかと思ってた、こんなに本格的だとは思ってなかったから大満足の一冊でした。

  • 本書のブクログ感想の中にも悪意のない差別を見つけて、ああこういうことかと。

  • 多くの人に読んでもらいたい本。
    文章は平易で訳も良くとても読みやすい。
    例をあげて丁寧に説明されていて内容もわかりやすい。
    それ故に詰将棋のごとく逃げ場を失って行く感覚に陥る(個人的にも、構造的にも)。
    自分は差別をしたくないと願っているはずなのに…。そんなの個人の力でどうこうできることではないのでは…。やがて自分の内面と向き合うことを余儀なくされる(なんて怖い本だ)。
    一体どうすれば良いんだ!と頭を抱えながら読み進めて行った先でチャンス(ヒントではない)を貰うと同時に試される。知ってしまったら後戻りはできない。
    本書200頁からの3頁はこの先も繰り返し読むことになるだろう。

  • 自分の中にある加差別性を見つめることの連続。
    少しでも多くの人に読まれ、討議の材料になるといいのに。
    しばらくは、何度も振り返るバイブル的な存在になりそう。

  • P201にある『ほんとうに決断しなければならないのは、それにもかかわらず、世の中に存在する不平等と差別を直視する勇気を持っているかという問題である。差別に敏感にも鈍感にもなりうる自分の位置を自覚し、慣れ親しんだ発言や行動、制度がときに差別になるかもしれないという認識をもって世の中を眺めることができるだろうか。 自分の目には見えなかった差別をだれかに指摘されたとき、防御のために否定するのではなく、謙虚な姿勢で相手の話に 耳をかたむけ、自己を省みることができるだろうか。』に大事なことがぎゅっと詰まっていると感じた。ここは定期的に振り返っていきたい。

  • 差別も特権も、ありふれているからこそ見えない、韓国で16万部のベストセラーが邦訳されました。
     「自分は差別などしていない」本当にそうか。民医連は以前から「権威勾配をなくし、平等な職種関係を構築しよう」と職場への周知を呼びかけているが、本当に医療・介護や民医連の事業所において権威勾配なく職種間連携が行われているか。本書は、韓国における問題提起であるが、世界においてもトークニズム、特権、優越理論、間接差別、差異の政治など、差別に関する多様な理論が適切な事例とともにわかりやすく紹介されている。よって、個人レベルから構造的なレベルまでの差別について考える好材料になっている。日本でも、潜在的優位性、家父長制、男尊女卑、権威勾配とヒエラルキーなど、日常生活から社会関係から見直し、あらためて民主主義、人権尊重を考え直すきっかけとなる。また、ヘイト表現をやめる運動など、どのように人権運動に携わるかの模索も提起され、「真に平等」に接する人間関係の構築を考える1冊になるのではないか。

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