Unlearn(アンラーン) 人生100年時代の新しい「学び」

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296000531

作品紹介・あらすじ

去の学びや蓄積を最大限に活かす
新しい成長の技術

アンラーンとは、「学ばない」ことではありません。
過去の学びから、クセやパターン、思い込みをなくすことで、
新たに成長し続けられる状態に自分を整える技術です。


以下の項目に1つでも当てはまる人は、
アンラーンで「学びの効率」が上がります。

□何かをしない言い訳に「(仕事が)忙しくて」とつい言ってしまう
□自己紹介では会社名や肩書を入れるのが当たり前
□最近、ワクワクすることが減った
□「疲れた」などの、ネガティブな口グセがある
□周囲の人との会話が、毎日同じような話題ばかり
□仕事とは別の分野の「学び」をしていない
□この1か月で、仕事関係者以外の人と会った人数が3人以下
□「以前はこうだった」「こういうときはこうするものだよ」と前例で説明したくなる

「新しいインプット」の前に絶対不可欠な
「学び、成長し続けられる自分」の整え方

感想・レビュー・書評

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  • 近年脚光をあびている「アンラーン」を解説した書。さくさくとよめました。

    学習とは、どんどん知識や情報をプラスにしていくこと、それによって思考の力を高めていくことです。そのプロセスの中で、インプット以上に大切なことがあります。それが「アンラーン」といっています。

    アンラーンとは、これまで学習したものを取り去って新しい学習を行うという意味ではなく、これまでに身に着けた思考のクセを取り除くことです。

    経済学者である柳川範之氏がビジネスを対象としてみたアンラーンと、為末大氏がスポーツのスキルとして捉えたアンラーンが具体的な例として描かれています。

    これまでの学習をし続けていくと、新しい環境で行き詰ってしまいます。これを防ぐのがアンラーンです。

    アンラーンが本当に必要なのは、何かの学びを得ていて、それなりの成功体験を持っている人です。

    アンラーンは、アメリカのビジネス界で注目されている手法で、「いったん捨て去る、取り外す、忘れる」といった意味です。身についた変なクセを直すというイメージです。それをクセのない、ニュートラルな状態へもどすです。一からすべてを忘れて学び直すわけではありません。

    目次は以下です。

    はじめに 大人にこそ不可欠な「新しい学び」アンラーン
    Chapter1 学びの質を高める方法 アンラーンとは何か
    Chapter2 実践アンラーン 自分を「新しく学べる状態」に整える方法
    Chapter3 アンラーンを阻む7つの壁と、乗り越え方
    Chapter4 「アンラーン」を人生とキャリアの武器にする方法
    あとがきにかえて 僕たちがアンラーンに「前のめり」な理由

  • 自分の癖を知る
    成功者(勝利者)にある体験は、過去の成功経験から固定概念が邪魔となり、実は思った以上に成功しない(レベルが上がっていない)現象をよく観る。よって固定概念を捨て、解放し、見直す事が一歩前に進めることに繋がる、と言う。「アンラーン」(癖・思い込みを捨てる)という概念は、その状況、一時スランプ状態からの突破する「技」と言うことだ。世の中は常に変化しており「このままでいい」、「慣れている」、「今更覚えたくない」をやめること。バイアス(思い込み・偏り)は成長を阻害し、それは実は「時代遅れの人間」になると言うことを知っておくべきなのだ。

  • 変化の激しい時代に、新たな学び方として「アンラーン」という概念を説明し、その方法を解説した一冊。
    アンラーンという言葉をそのまま理解しようとすると、学びの否定のようにも感じますが、著者は、「学びの否定ではなく、これまでに学んだ知識や身につけた技術を振り返り、さらなる学びや成長につながる形に整理し直すプロセス」と定義しています。
    これだけを聞くと、これまで既出のリスキリング、意識改革といったものの焼き直しのような印象があり、読み始めた当初は、そのような印象でした。その中で、個人的にいいアクセントになったのは、元陸上選手である為末大さんの経験を活かした部分です。ビジネス的な内容になりがちな所を、スポーツを例えて解説する部分は、分かりやすく、納得もできる内容でした。
    個人的に面白かったのは、ウインドサーフィンの「二大下手くそ」の話です。1つは、「ウインドサーフィンと似たようなスポーツの経験がある人」、もう1つは「体力に自信がある人」だそうです。この例えにより、アンラーンの本質や課題が見えてくる気がします。
    勉強法といった本は多数ありますが、テクニックではなく、根幹となる考え方を見直すために、興味深い1冊でした。

    ▼アンラーンは学びの否定ではなく、これまでに学んだ知識や身につけた技術を振り返り、さらなる学びや成長につながる形に整理し直すプロセス。
     学びによる知識や経験をよりよく活かし、長いスパンで活躍し続けるための、とても重要なステップ
    ▼「これまでに身につけた思考のクセを取り除く」
     「思考のクセ」というのは、環境に適応してパターン化した思考のこと
    ▼過去の知識や経験は貴重な資産
     アンラーンとは、そうした大切な資産を手放すことではなく、いつの間にか価値のないものに変えてしまわないように、時代から取り残された”お荷物”にしてしまわないようにするためのメンテナンス

    ▼学びの質が格段に上がる「アンラーンの技術」
    ①思考や行動、動作が無自覚のままに固定化・パターン化されていないかを自問する
    ②アンラーンの対象とすべき最大のものは、日常の判断や習慣に大きな影響を与えている、会社や組織におけるしきたりやルール

    ▼「固定化した思考」を発見し、解きほぐす方法
    ①無意識にやっていることを洗い出す
    ②「いつも」「これまでは」「通常は」の思考にとらわれていないかをチェックする

    ▼日々、小さなアンラーンを実践するための8つの方法
    ①日頃から、「これは、今の会社(環境)じゃなくても通用するだろうか?」と自問自答しておく
    ②今の仕事に就こうと思った理由を改めて自分に問う。その理由に対して情熱を傾ける
    ③中学生をはじめとする専門外・業界外の人に、仕事や熱中していることを説明する。その「伝わらなさ」から「自分のクセ」を発見する
    ④多様な年齢、仕事、国籍、環境の人たちの中に身を置いて、「自分にとっての当たり前」と「他人にとっての当たり前」の違いに気づく
    ⑤周囲の身近な人に、「あなた」について尋ねてみる。自己認識と周囲からの評価との違いを受け入れる
    ⑥あえて情報量をセーブして動作や仕事を言語化することで「本質」にフォーカスする
    ⑦本業とはなるべく遠い副業をして、本業だけに通用する「当たり前」に気づく
    ⑧「いかになじむか」ではなく「いかに違和感を忘れないか」を大事にする

    ▼大切なことは、自らの「思考の固定化」ー自分がカルチャー(環境)対応に染め上げられ、フレキシビリティ(柔軟性)がなくなっているのではないかということーに気づくことです。
    ▼何歳になってもアンラーンを実践し、学び続けていくにあたって重要なことがあります。それは、「人の話を最後までちゃんと聞く」ことです。

    ▼アンラーンできている状態を改めて整理すると、「それまで無造作に身につけた知識や技能を整理し直し、これから新しい知識や技能を身につけていくために、できるだけ余計なものを外してシンプルに整えることができている状態」といえます。

    ▼アンラーンを阻む7つの壁
    ①「このままでいいんじゃないか」
    ②「今あるものを手放したくない」
    ③「せっかくここまでがんばってきたのだから」
    ④「自分のやり方でやりたい」「他人には分からない」
    ⑤「あの人の言うことなら間違いない」
    ⑥「だって、これが好きなんだもん」
    ⑦誰の中にも潜む様々な「バイアス」

    ▼「早過ぎる適応」:ある条件の下での環境に適応し過ぎると、状況が変わったときにかえって阻害要因になってしまう
    ▼人間の特徴として、適応し過ぎると成長が止まる

    <目次>
    はじめに 大人にこそ不可欠な「新しい学び」―アンラーン
    「古い習慣」「見直されないルーチン」が成長を妨げる理由
    「結果を出したあと」に僕(為末)が直面した“難しさ”
    「アンラーン」は、これから誰でも身につけていける
    第1章 学びの質を高める方法―「アンラーン」とは何か?
    なぜ今、「アンラーン」が必要なのか?
    コロナ禍という「強制アンラーン」―あなたはどう対応したか?
    変化に対応するカギ「インプット前のアンラーン」
    成長の新しい武器「アンラーン」の正体
    アンラーンを今すぐやったほうがいいのは、どんな人か?
    コラム 柳川範之にとっての「アンラーン」
    第2章 実践 アンラーンー自分を「新しく学べる状態」に整える方法
    学びの質が格段に上がる「アンラーンの技術」
    「固定化した思考」を発見し、解きほぐす方法
    思考の固定化から脱却することで「見えてくるもの」
    「小さなアンラーン」を習慣化する
    日々、小さなアンラーンを実践するための8つの方法
    経験や学び―財産にするか、足枷にするかは自分次第
    コラム 為末大にとっての「アンラーン」
    第3章 アンラーンを阻む7つの壁と、乗り越え方
    「前回と同じ」「これまで通り」がもたらす“かりそめの安心感”
    アンラーンを阻む7つの壁
    7つの壁を乗り越えるヒント
    第4章「アンラーン」を人生とキャリアの武器にする方法
    アンラーンが、「活躍し続けるための武器」である圧倒的根拠
    「なんだかうまくいかない」とき、アンラーンが打開策になる
    チャンスは「余白がある人」のところに訪れる
    あとがきにかえて 僕たちがアンラーンに「前のめり」な理由

  • アンラーニングの具体的な方法を知りたくて手に取ったんだけど、アンラーンの重要性をひたすら説くばかりでちょっと期待はずれだった。やり方や習慣化のヒントをもっと掘り下げたり、ビジネスパーソンの実例を増やしたりしてほしかったなぁ。

    【読んだ目的・理由】アンラーンに興味があったから
    【入手経路】買った
    【詳細評価】☆3.4
    【一番好きな表現】そのような環境において大切なのは、染まりたい、なじみたいと願うことではなく、あるいは表面的には対応しながらも最初に感じた違和感ーーなじめないポイントや疑問点ーーを忘れないことです。(本文から引用)

  • 頭の中のスペースを半分以上空ける.....何もしない

  • 最近流行りの?バズワード、「アンラーン」
    アンラーンって、学ばないこと?じゃないよねってことは分かるものの、
    分かるような?分からないような?この言葉を分かりやすく説明してくれている本です。

    著者の一人が陸上の為末さんなので、スポーツの例も豊富で、
    イメージしやすいかと思います。

    この「アンラーン」という概念は、
    50代のオジサマが身に付けるべき価値観・考え、
    くらいにしか私は思っていなかったのですが、
    よくよく本を読んでみると、
    視野を広く持ちましょうという意味では、
    若者にも必要な概念だと思います。

    何よりも(この本には一切書かれていないのですが)
    既存の成功体験に縛られている今の組織にこそ必要な考えなような気がしました。
    ただし、今の組織で難しいのは、
    両利きの経営が求められており、
    既存のやり方を進めながら、新しいやり方(アンラーン)も進めるという
    両利きの難しさがあるところですかね。
    両利きにもこのアンラーンという考え方は適応できるなと思いながら、
    この本を読んでいました。

  • 『感想』
    〇アンラーンを悪い癖を直すという捉える考え方は面白い。

    〇学校でも仕事でも組織に属していて、居心地がいいと感じる時がある。だからといってずっと同じ環境でいると、楽かもしれないが、自分の成長は止まってしまう。

    〇新しい環境に飛び込むことは、怖いし疲れる。でもだからこそ学びが生まれる。このことをわかっていても自分で環境を変えることは勇気がいる。だから卒業とか、転勤とか自分の意志とは関係ないところで強制的に変えられることも必要なのかな。

    〇仕事で若いのが私が築いてしまった常識を簡単に壊していく姿は、実に刺激的である。もちろん経験は武器であるので、それを無視した行動の結果失敗も多いわけだが、だからこそ新しいモノも生まれる。それが人材育成の育てる側へのプレゼントになる。

    〇自分の力だけでアンラーンできないなら、他人の思考や行動を参考にして自分を作り直していきたい。アンラーンの方法は、自分以外の考えを門前払いしないで受け入れる、そして吟味したうえで取り入れるか判断するのがよい。

    〇アンラーンが大切だということを1冊使ってひたすら語っている。そんなに言ってもらわなくても大切なことは分かっているよ。ただ大切だから実行できるかは別なんだけれど。

    『フレーズ』
    ・今「10」を持っていて、そのうち、たとえば「6」をアンラーンで外すと「4」しか残らない、減ってしまった・・・というふうに捉えてしまいがちなんですが、実際は、空いた「6」にもちゃんと価値がある。「6」以上に広がっていく可能性に満ちているんだと思うんです。そういうことを一度体験できると、定期的に、計画的に「空ける」、つまりアンラーンができるようになる。(p.240)

    ・これまでの人生で培ってきたものは、たとえいったんは姿を消したとしても、経験や知識そのものが消えたわけではありません。(p.241)

  • 一生涯学ばないと生きていけないと言われている100年時代。
    学びよりも今持っている思考や慣習をあえて捨てる、アンラーンが必要になります。

    いつもこうしてるから、やったことがないから、今まで積み上げてきたものがある...

    これらは成長を止め、変化に適応できなくなる原因になります。

    自分を客観視して、一旦思考の癖を取り除くことで、新たな考えやスキルが入ってきます。
    水がいっぱい入った桶は水を捨てた分、新しい水を入れることができます。

    そんなイメージで、手放す⇄入れるを繰り返すことを小さく続けていくことが今を生きるポイントなんだなと思いました。

    良書です!

  • アンラーンは学ばないということではなく、経験や学びを捨てるということでもなく、枠組みを外してみるということ。

    環境を変えてうまく行かない人、真逆でずーっと同じ環境にいる人
    にオススメ。

    一度立ち止まり自分のクセに気付いて、無意識のうちに入り込んでしまっていたトンネルの外に出てみたら可能性は広がるよね、という話です。コロナ禍の強制アンラーンにどんどん便乗してみんなが箱の外からものを考えられるようになったら良いですね。

  • 何度も同じ失敗する時、うまく行かず手詰まりの時、改善方法が具体的に浮かばない時はアンラーンが必要かも。

    アンラーン=改善の手段
    思考や行動のクセを取り除く

    手詰まり感ある時 アンラーンの必要性を疑おう

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著者プロフィール

柳川範之(やながわ・のりゆき)東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授。中学卒業後、父親の海外転勤にともないブラジルへ。ブラジルでは高校に行かずに独学生活を送る。大検を受け慶應義塾大学経済学部通信教育課程へ入学。大学時代はシンガポールで通信教育を受けながら独学生活を続ける。大学を卒業後、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。主な著書に『法と企業行動の経済分析』(第50回日経・経済図書文化賞受賞、日本経済新聞社)、『40歳からの会社に頼らない働き方』(ちくま新書)、『東大教授が教える独学勉強法』『東大教授が教える知的に考える練習』(草思社)などがある。

「2023年 『東大教授が教える 「自分の頭で考える力」の鍛え方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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