「仕事ができる」とはどういうことか? (宝島社新書)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299018595

感想・レビュー・書評

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  • スキルはコモディティ化していくが、センスは場数を踏んで鍛えられる。
    直ぐスキル習得に走るのは、自分が安心したいだけ。
    アウトサイドインではなく、インサイドアウトから行動する。

    センスかぁ。センスね。


  • 現代はスキルにばかり注目されている。
    弱い人間ほど法則を求める。
    役に立つ=スキル
    意味がある=センス

    努力と成果の因果関係がわかりやすいから、みんなスキルに飛びつく。
    すぐに成長したと感じたがる。

    モテる、とかこの人なら大丈夫、と相手に思わせるような数値化できないような部分がセンス。

    優先順位をつけるなどはアート、センス

    あまり面白くはなかった。

  • 旬な2人の対談。
    日本企業の欠点をバッサリ切ってますね。
    センスを磨きましょう。

  • 内容に関しては首肯で、たしかにというところ。また、スキルがもてはやされるのと多様性が大事にされるというのは矛盾を抱えているというところは日頃のモヤモヤを代弁してくれた気分だった。
    決してスキルを否定するわけではないが、いま問題解決がされすぎて課題設定の方に希少性があり、課題設定にはセンスが大事ということ。
    とってもよく分かったが、肝心のどうやってセンスを獲得するか、、についてはケースバイケースという感じをうけたのはしょうがないのか、、

  • 「仕事ができる」とはどういうことか

    センスとスキルの話にもはや食傷気味だが、またしても読んでしまう。
    結局、仕事ができるとはセンスが良いということで、センスとは一言で言えば「時間的・空間的」な「art of allocation(≒配分のセンス)」につきるという話と理解した。スキルは業務効率化であり、単一のゴールに対してどう最短距離で走るかという問題である。一方、センスはやはりどこまで行っても配分の問題で、そもそものゴールセッティングをどう決めるかという問題。どこにどれだけ時間を割くか、どこにどれだけ時間を割かないかという部分はセンスが問われる。特に、時間を割かないことを決めることがセンスそのものなのだろう。これが、空間的な配分。もう一つは時間的な配分。これは、単純に何に何分かけるかということではなく、どの順番でやるかということ。わかりやすい例として挙げているのが、ビンタしてから抱きしめるか、抱きしめてからビンタするかで、全然意味や主観的な捉え方が異なるということ。タスクそれ自体にはそこまで意味がないものに対して、順番によってどう意味付けするかというところがミソなのである。
    後半に元中日のピッチャーの山本昌のストレートの話が出てくるが、山本昌のストレートはスピードガン上では遅い。しかし、バッターによっては150㎞の球よりも早く見える人が出てくる。それはなぜかと言えば、緩急でバットを振らせているから、ストレートをどのタイミングで使うと早く見えるかと知り尽くしているから、直線的なスピードがなくても、バッターは振り遅れる。本書にでは出てこないが、古武術研究家の甲野善紀先生の「ボクサーにパンチを当てられるか」という動画を思い出した。結論として、甲野先生はいくらでもボクサーにパンチを当てられるのであるが、甲野先生のパンチのスピードは全く速くない。しかし、相手から見える部分がパンチをする前と後でほとんど変わらないからボクサーはパンチを避けられない。通常、パンチをするときにはテイクバックを取ったり、パンチをする場所を事前に受け手が特定できるようなシグナルを出すが、甲野先生は意図的にシグナルを消している(消しているように見せている)ゆえに、次の瞬間にはパンチが身体にあたっているという現象が起こる。これもシークエンスとしての速さである。
    最近、先輩の前任者が無理やり引き受けて、採算が合わなくなってしまった業務委託を顧客に押し戻すというハードな交渉をしている先輩のMTGに同席した。顧客との関係性を維持しつつ、先方の心証を極力悪くせずに話す先輩の語り口を見て、つくづくセンスを感じた。その先輩は所謂営業マンのようなガッツや熱さは全くなく、極めておっとりした方だが、どの話をどの順番でするかというセンスのなせる業で、顧客と良好な雰囲気のまま業務委託を押し戻していた。何を話すかにせよ、話す順番という部分は本当にセンスが問われ、これがない場合には深刻な事態となる。そんな瞬間を視ることができ、非常に面白かったという部分と、本書は何となくリンクしていた。

  • 単行本を新書化したもの

    p21 スキルはエビデンスとして言語化・数値化して示すことができる センスは難しい

    p27 役に立つはスキル、意味があるはセンス

    p55 我々は技術革新の恩恵によって基本的に暇になっている そこで衣食足りて礼節を知るという方向にいくか、それとも小人閑居して不善をなすという方向へいくか

    p109 すぐ分析する人は仕事ができない

    p155 プロのすごみは何をやるかではなく、やることの順序、シークエンスに現れる

    p183 組織化の社会心理学

    p197 負けた側に何が足りなかったか NTTやIBMにはミッションはあってもモチベーションがない

    p205 仕事ができる人の思考の軸足はインサイドアウトです。
    アウトサイドインのひとは使わない部品みたいな在庫がめちゃめちゃ溜まっている

    p206 映画 セッション

    p220 努力していると、安心する

    p224 全体を全体のまま把握するということがセンスの錬成のなる 宮本武蔵の五輪書 人は視ようとすると必ず、全体でなく部分を視てしまう。意図的に視るという行為は必然的に注視を起動しますが、注視というのは部分化するということですから、なかなか全体を視るというのは難しいし、それこそスキルとして言語化できないんですね

    p228 オイゲン・ヘリゲル ドイツの哲学者 大正時代に東北大学で哲学を教えた 弓と禅

    撃とうと思って撃つな そうではなく矢にいかせなければんらない 矢はいくべきときに勝手に行くから行かせない

    p235 リベラルアーツ 人間をわかるための学問

    p235 大きな人こそ自分を小さく考えている。だからこそ他者に対して注意が向く。相手の立場にたってものを考えることができる。自分に都合のいいように考えない。自己中心的に考えない。これが人間洞察の基盤にあると思います。器が小さい人ほど自分が大きんですね。自分のことで頭が一杯で、自己を客観視できあに

    自分が小さい人は、頼りにされても、安易に人に頼らない。貸しが多いのに、回収しない

    ラ・ブリュイエール 得は勇気と気前のよさだ。なぜかというと、生命と金銭という二大重要事を軽視することだから

    p242 ラッセル 幸福論 自分自身に興味と関心を向ける人は必ず不幸になる

    p247 自分の小ささ 謙虚とは違う 
    政治的な屈辱は安い。政治的な屈辱をやり過ごせるヤツが強いんだ(プーチン)

    p248 一番悪いのは、他人の力をかりて雪辱を果たそうとすること

    p275 アウトサイドインのひとは「どうなるんでしょう?」ということを知りたい インサイドアウトの人は「それはどうなるかわかんないけれど、自分はこうしようと思う」と思考する

    p281 インプットの仕方が上手な人というのは何を知りたいかわかっていると思う

    p295 スキルとセンスは、部分と全体

    部分なくして全体はありえない。しかし部分を高めても全体としてのシステムのパフォーマンスが向上するとは限らない。むしろ部分への注意が高まることで視野が局所化してしまえば、システム全体としてのパフォーマンスは低下してしまうだろう

    部分を十全に成立させ、機能させるためにはスキルは必要だ。逆に言えばスキルが必ず具体的な個別活動と紐付く以上、「スキルは部分化する宿命」にある、ということだ。したがって、いくら部分の機能を向上させたからといって、それで全体がうまく成立し、機能するとは限らない。俯瞰的な視野からシステムの弱点をつかみ取り、時流にあわせてシステムを改変していくには全体を大きな枠組みとしてそのままに捉えるセンスが不可欠になる

    p289 今求められているのは「儲かる仕組み」と「社会の課題解決」を全体として構想し、その構想によって人のモチベーションを引き出せるような人物、人材だろう

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著者プロフィール

経営学者。一橋ビジネススクール特任教授。専攻は競争戦略。主な著書に『ストーリーとしての競争戦略:優れた戦略の条件』(東洋経済新報社)、『絶対悲観主義』(講談社)などがある。

「2023年 『すらすら読める新訳 フランクリン自伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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