全アジア航路を行く

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 17
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309019512

作品紹介・あらすじ

韓国、中国、台湾、北朝鮮、フィリピン、カンボジア、マレーシア…海に囲まれた日本から航路でアジアを目指す、気鋭の紀行作家によるルポルタージュ。

感想・レビュー・書評

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  • 船旅、良いよね…。
    ということで珍しい船旅の紀行文が集まった本。日本発の国際航路以外にも、アンダマン海やカンボジアなどあんま乗らない航路があって、そこらへんは独自性があります。

    文章も非常に読みやすく、純粋な船旅パートだけでなくその前の導入から、面白く読ませてくれます。フィリピンの章の結びは、沢木耕太郎的な旅情を感じました。調査もしっかりやられている印象で、安心して読めます。(とは言え、文中で気になったのが1箇所。フィリピンの英語話者よりインドの方が多いと思うけど)
    著者は写真を入れない主義、とのことで文中の写真は最小限(乗船した船、一部船内の風景)にとどめているようなのですが、個人的にはやっぱり文章だけだとわからない部分はあるので写真があればなぁという部分もちらほら。

    この本を見て、船旅に出たい!と思うものの、国際航路は日韓航路と中国航路の一部以外は虫の息。この本で取り扱った航路もいくつか廃止されてしまっているのが残念。まぁ、そんな取り残されてる感じも含めて、船旅の魅力なのかも。

  • ほほう、というかんじの本。
    良い素材を、非常に良い文章で書いている。
    安心して読める著者であり、宮脇俊三の系統を感じさせる。
    老成した感じだが、実はまだ私よりも若いのか。

    日韓、日中、日台(もうないけど)は情報も多いにあるが、
    ボルネオ~ミンダナオや、フィリピン内海航路を取り上げた本はあまりなく、その意味でも貴重。

    もっとも、樺太航路で出てくる、地名表記に関する、政治的というよりも、稚拙な意見表明は、なんだかちょっとつまらない。

  • 面白かったー。それぞれのルートの詳しい情報が、歴史も含めて豊富。加えて著者の感じたことが端的に臨場感のある表現で描かれている。変に叙情的になりすぎていないバランスが見事。

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著者プロフィール

昭和50年、東京生まれ。早稲田大学法学部卒業、筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業科学専攻博士後期課程単位取得退学。日本及び東アジアの近現代交通史や鉄道に関する研究・文芸活動を専門とする。平成7年、日本国内のJR線約2万キロを全線完乗。世界70ヵ国余りにおける鉄道乗車距離の総延長は8万キロを超える。平成28年、『大日本帝国の海外鉄道』(現在は『改訂新版 大日本帝国の海外鉄道』扶桑社)で第41回交通図書賞奨励賞を受賞。 『鉄道と国家──「我田引鉄」の近現代史』(講談社現代新書)、『旅行ガイドブックから読み解く 明治・大正・昭和 日本人のアジア観光』(草思社)、『宮脇俊三の紀行文学を読む』(中央公論新社)、『アジアの停車場──ウラジオストクからイスタンブールへ』(三和書籍)、『「日本列島改造論」と鉄道──田中角栄が描いた路線網』(交通新聞社新書)など著書多数。日本文藝家協会会員。

「2022年 『アジアの一期一会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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