- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309205397
作品紹介・あらすじ
一九四四年八月。舞台は第二次世界大戦終結直前の、ニューヨーク。「ビートを生み出した殺人事件」として知られるルシアン・カーとデヴィッド・カラマーの事件を軸に、「作家以前」のケルアックとバロウズが、ふたりで章ごとに書きつないだ幻の共作。
感想・レビュー・書評
-
映画「キル・ユア・ダーリン」の題材となった、ルシアン・カーと後のビートニクの立役者達の関わり、そして殺人を元に、まさにその「後のビートニクの立役者」であるケルアックとバロウズが連作で書いた小説。
一番面白かったのは、実は翻訳者の後書きだったりする。
こんなに自分で訳した物をこき下ろしている後書きって初めて(笑)。
それはケルアックとバロウズならもっとずっといいものが書けただろうということで、つまり愛の裏返しなわけなのだけど。
私はケルアックはこれが初読、バロウズは数編読んだけれどビートニクならギーンズバーグが一番好き、というわけで、翻訳者のように熱烈な愛があったわけでなく、それよりルシアン・カーとその周辺への野次馬好奇心から読んだというのは全く否定出来ない。
なので、興味があったのは実際何が起きたのかであって(これはフィクションであるのはわかっているけれど事実の欠片はあるだろう)、物語の様式や文章にではなかった。
そんな私からすれば、そう悪い小説ではないと思うのだけど…。
素直に面白かった。
野次馬抜きにしても。
それぞれのキャラクターも生き生きして見えたし。
文章も(翻訳の力が多分にあるとしても)読みにくくなかった。
これから「路上」を読んだらこんなに力の差があるとはと驚愕するのかなー。
驚愕したいから読もうかなー。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うーん、おもしろさがわからん
-
本屋で訳者あとがき立ち読みしたけど、要は小説の体をなしてないし、ただ事実を2人の著者が書き繋いだだけでそんなに面白くないよ、ということでいいのかな?
-
うーむ、これはケルアックとバロウズというアメリカ文学のレジェンドが共作したってこと以外、価値があるんだろうか。この二人を読み尽くした人、この事件に興味のある人が手を出す作品だね。私には不向きでした。
-
『オンザロード』が面白かったので読み始めたジャックケアルック。日常が非日常的なのが面白い。
-
9割方、タイトルに惹かれて。ケルアック、バロウズという名前には見覚えがあるような、ないような・・・?くらいの門外漢。ふむふむ、と読み進んでいるうちに、最後にちょっとした手違い(本当に、彼らにとっては『ちょっとした』ことでしかないように見えるのだ!)が起きて終わってしまった。人生なんて一つの流れだと思ってたら実は突然妙なところに飛ばされうるんだな、くらいの感慨だった。っていうかあとがきずいぶん長いな! さあクライマックスだと思ってたらあっさり終わってあとの残りがあとがきだったのでびっくりだよもう!
-
【選書者コメント】ビートジェネレーションの巨頭による合作。意味などはたしてあるのか。
-
モラトリアムな若者がビールを楽しむ。その日アメリカのどこかでカバたちはタンクで茹で死んだ。
人生の一欠。その辺に転がる、人々の日常。
誰かのアクションは私の「生」のどんな伏線と成り得るか。
長く生きてりゃきっといつかどこかででぶつかる点と点。
とりあえず、ここではないどこかへ。 -
小説家以前のバロウズとケルアックが交互に書いた小説。
ウィル・デニソン目線の章がバロウズ、マイク・ライコー目線の章はケルアック。
ダラダラと気だるい若者の感じが好きです。
とことん非生産的で刹那的で。
ビート・ジェネレーションを象徴するようなルシアン・カーのカマラー殺害事件を元にしているんだそう。
カバは、まったく出てきません。