サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309226712

感想・レビュー・書評

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  • 著者は歴史学者。サピエンスの歴史、進化、どうやって地球上で今日の最強の地位を築いたのか、興味深い視点、観点が多い。

    認知革命によって、どうやって人類が地球という生態系の中でこれほどまでに繁栄できるようになったのか、農業革命によって人類は何を得たのか、貨幣とは何なのか、丁寧に説明されていて面白い。

  • 重厚感があるが読み始めると止まらない。
    ・むしろそれは、全く存在しないものについての情報を伝達する力だ
    ・その秘密はおそらく、虚構の登場にある。厖大な数の見知らぬ人どうしも、共通の神話を信じることによって、首尾よく協力できるのだ
    ・歴史を動かす重大な要因の多くは、共同主観的なものだ
    ・自由連想と網羅的思考法は、分類と官僚制に道を譲ったのだ(書紀体系の発明)

    ・ホモ・サピエンスの異なる集団どうしの生物学的区別は、無視できるほどしかない
    ・インド社会の複雑さやアメリカ大陸の人種的ダイナミクスは生物学では説明できない。
    ・想像力が生み出した虚構を、残忍で非常に現実味のある社会構造に変換した出来事や事情、力関係を学ぶしかない
    →歴史を学ぶ重要な理由の1つ
    (想像上のヒエラルキーと差別)

  • 農業革命が人々を貧しくさせた、のが目から鱗だった。来たるスタグフレーションの時代。みんなが貧しくなる時代。考えさせられる。

  • YouTube大学で本書の紹介がされていたので、いつか読んでみたいと思っていた。 チャレンジ出来て良かった。 人間とは何か、どういう構造に基づいて今があるのか、歴史や、宗教、社会学など、 多角的に書かれている。下巻もチャレンジしたい。

  • 世界史を学んだ人にとっては簡素に映るかもしれないが、読み進めるほどに頭の中の年表が輪郭をハッキリさせてくる感覚が快適。

  • 目から鱗名著

  • 長いけど面白い

  • もともと内容については様々なところで聞いていたので、改めて読んでみて目新しさはなかったが…

    歴史の解釈の仕方は様々だとは思うが、狩猟→農耕民族となったから生まれた苦悩など、面白さはたくさんあった。

    やや流し読み程度ではあるが、下巻も読みたい。

  • 今、自分がここにいる。
    その理由をこの本は語ってくれています。

  • 第1〜6章くらいまでは、サピエンスの進化の過程がとても納得いくストーリーで語られており興味を持って読めた。
    7章以降は進化のダイナミズムから、知的要素へ変わり少し冷めてしまったが、それも含めて自分がどのように今として在るかを感じられる内容であった。

  • 〈長すぎて今じゃないのでYouTubeで断片的に覗き見〉

    目的:自分は何者かのヒントを得る
    背景:生きている意味を理解できないが、なぜそうなのか(他の人とちがうのか)、自分の脳みそやDNAはどうなっているのか、ヒントを得たい。

    感想:
    ・フィクションを作れるおかげで、国家や金が創造できたがこれが完成系ではない。話は作り替えることができるので、今後、今信じていたことが覆される可能性がある。
    ・新しいフィクションを作り始めている(と仮定する)国や人間は今後どうなるのか。日本や韓国は出生率が低くなってきている。これは、生物は子孫を残すために生きている、という生物の根本を無いものとし、人間が生きる新たな理由となるストーリーをつくる段階にいると思う。なぜ産まないのか、その理由の上位として経済的に厳しい、仕事を頑張りたいなどがあるとおもう。国家というストーリーをつくり、その国家が行なってきたことが、生物の根本の考え方を捻じ曲げている。こんな感じで無数に存在するストーリーが影響を与え、潰し合い、進化(もしくは破滅)していくのか。
    ・世界中で安楽死が合法化されているが、これも、進化の過程の副産物(種を残したら死ぬはずの年寄りが生きすぎている)。
    ・結論、人間も自然の摂理に則り、種を残し、役目を終えたら死ことが正解だと思う。
    ・無駄なものやストーリーを生み出しすぎて、最終的に破滅(もしくは機械にのっとられる)のが結末。病みすぎた。完。
    ・自分は想像力が弱いから心理学とか生物学とか、シンプルなものが好きだなと思った。

  • おうちの時間が長い時にこの本を見てみませんか?この本はゼロから人類の歴史を説明しています。そして、その歴史がどうやって今の社会を構築したのかを明かします。この本は英語版もあり、優しい英語で説明しているので、あわせておすすめです。
    [英語版]Sapiens: a brief history of humankind
    https://booklog.jp/item/1/0099590085
    (応用化学コース D2)

  • オーディブルで。

    半年くらいかけてのんびり聴き切った。
    前半の動物としてのヒトのくだりがとても興味深かった。

    貨幣や帝国主義といった空想を共有する人類についてもなるほどという感じ。
    貨幣は本当に空想でできてるし、仮想通貨なんかはその最たるものだよなーと思いつつ。

    人類が一つの共同体に向かっているという主張についてはちょっと疑問が残る。

  • サピエンス全史
    贅沢の罠。農耕社会で多くの人が食べられるようになったことで苦労も増えてしまった。

  • ホモサピエンスが如何に他の人類史を駆逐していったのか。認知革命の凄さ。

  • 名著として名高いので読んでみました。

    我々ホモサピエンスの歴史を教えてくれる本で、知らない事がたくさん。

    認知革命で協力の点で他を凌駕し、農業革命で全体としての発展を、産業革命でエネルギー革命を果たし今や国家を超えた一つのコミュニティを形成している。

    化学、政治、経済の三本柱が今の我々の発展を支えている。

  • 頂き物。
    スタートダッシュから科学礼賛が凄まじく、眉間に皺を寄せながら読み進めたが、やはり性に合わず。あまりにも人間という生物種を無自覚、無批判に礼賛しているところがあまりにも烏滸がましい。

  • 人類について。
    ちょっと一回読んだだけでは頭に入りらなかった;
    でもとても面白いです!
    下巻も頑張って読みたくなりました。

  • 面白かったがエビデンスがよわい

  • 人間の歴史について深く考えたことは無かったが、論理的に書かれているため非常にわかりやすい。一見難しい内容と思えるが、どんどん読み進めたくなるのは筆者の凄い所である。

  • S

  • 農業によって、狩猟採集生活より労働時間は増えたにもかかわらず、元には戻れなかったくだりが面白い。

  • (上)のみ読了。後半1/3が特に面白かった!

    単に私の好みなのかもしれないが、書式の発展や、帝国文明の広がりなど、各歴史の断面を点でしか知らなかったことをより俯瞰的な視点で捉えて共通性を見出しているから、あーなるほど、と腑に落ちる瞬間が生まれる。

    高校世界史レベルでは、どうしてもwhy?の深掘りには限界があったが、世界史の点、各出来事をつなげる線に対する共通性の考察が新鮮だった。

  • 愛読書はベストセラーと言うことがモットーで話題の本を読むことにしているが、驚くほど引き込まれた本だった。
    人類の歴史を時代毎に変わるキーファクターに焦点を当て説明していた。

  • 45億年前  地球誕生
    38億年前  生物誕生
    600万年前 ヒトとチンパンジーが別れる
    200万年前 人類がアフリカ大陸からユーラシア大陸へ
          異なる人類種が進化する
    50万年前  ネアンデルタール人登場
    30万年前  火が日常的に使われる
    20万年前  東アフリカでホモサピエンスが進化
    7万年前   認知革命
    虚構、ストーリー、フィクションが出現
    ホモサピエンスが、アフリカ大陸の外へ
    4万5000年前 ホモサピエンスがオーストラリアへ
    オーストラリアの大型動物が絶滅
    3万年前  ネアンデルタール人が絶滅
    1万6000年前  ホモサピエンスがアメリカ大陸へ
    アメリカ大陸の大型動物が絶滅
    1万2000年前  農業革命
            植物の栽培、動物の家畜化、定住
    5000年前  最初の王国、貨幣、書記、多神教

  • 2020年、最も衝撃を受けた作品。
    世の中を支配する虚構と、農耕革命という罠。
    社会の見方が変わりました。

  • 生物学的な本能に基づくもの以外の「あらゆる思考」「あらゆる信仰」「正義や平等や人権」「貨幣」は全て、私達ホモ・サピエンスにのみ備わった「虚構を信じる能力」から生まれたものだというのには驚かされたし、この力があったからこそ他のホモ属(人類種)を圧倒し、滅ぼし、単一のホモ属になったのだな、と。妙に納得致しました。

    文化や思考や価値観の全てが私達の「いわゆる妄想の産物」であるならば、それらで巨大なネットワークを構築して地球を支配し生活しているというのは凄いですね。
    「実際に自分の目で見て体験したわけではないもの(それこそ貨幣とか)を信じることのできる能力」……、一見陳腐でしょうもなさそうな響きを持った能力ですが、今の人間社会の9割近くはこの能力で培われ、維持されているものだと考えると、とてつもなく凄いことだと分かります。

    そして、他の動物と大きく異なる「何か」に対する違和感も、この能力の有無に起因すると考えれば、スッと飲み込める気がします。

    後半ではその能力故に起きる問題や歴史が語られていましたが、考えれば考えるほど社会の問題は根深く、それも「虚構を信じる」が故に、問題も自在に变化してしまうわけですから……。
    下巻ではこの辺をさらに深堀りするのでしょうか。楽しみです。

  • Audibleにて。
    *我々サピエンスが兄弟たち(ネアンデルタール人など)を根絶やしにできた理由は、150人という顔見知り(噂話)の集団の限界を超え、神話によって統制された行動をできるようになったためだという。この大きな集団を作れることこそがサピエンス最大の能力だとすれば、近年の人間はその力を放棄していっているようにも思えるが、一方で分業によってより大きな協力関係を築いているとも考えられる。
    *一人のメスが複数のオスと交尾し、それらが集団となって協力して子育てを行う「多夫制」は、チンパンジーやボノボにおいて実際に確認できる。また一部の先住民族では、子供は女性が受けいれた複数の男性の精子によって作られると信じられている。これは突飛なようにも思えるが、実際のところ、ただ一人の男性の精子によって女性が妊娠する、という我々にとっての常識は、近代になるまで確認のしようがなかった、すなわち先住民族の考え方を否定できる根拠はなかったという点が非常に興味深い。

  • おもろいけど話長いな
    人間って愚か、、だけど徐々に良くなっていると信じたい

  • 認知革命
    5万年ほど前、ホモサピエンスが出てきて3万年ほどたったある日、突然虚構を考えることができるようになった人間は、共通の象徴を掲げ、動物として協力できる数十名を越える集団での協力ができるようになり、他のホモ属を圧倒して世界に広がった。

    農業革命
    農業をやるようになって、人類は種しては繁栄を誇ったが、個人的には狩猟最終時代よりも、栄養不足で過酷な人生を歩くようになった。人類は小麦の奴隷となったとの見方も。同様に牛や豚の家畜も、種として繁栄したが、大多数の牛は、生まれて4ヶ月して、初めて歩くのが、屠殺場行きという、あまりに悲惨な運命を招いている。

    科学革命
    それまで遅れていた欧州が世界を征服できたのは、未来は今よりも豊かになれると信じられる様になり、信用を担保に投資をする資本主義の考え方が、浸透したから。その切欠は、コロンブスのアメリカ発見。欧州の人達だけが「人は無知」だと認め、科学への膨大な投資を行い、それが未来への成長の確信となり、無限の成長が前提となっている資本主義を支え、欧州帝国主義が世界を征服する原動力となった。

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著者プロフィール

歴史学者、哲学者。1976年イスラエル生まれ。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻し博士号を取得。現在、ヘブライ大学で歴史学を教授。『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21 Lessons』。

「2020年 『「サピエンス全史」「ホモ・デウス」期間限定特装セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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