サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

  • 河出書房新社
4.29
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309226712

感想・レビュー・書評

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  • 世界的話題の書ということで繰り上げ読了。アフリカで細々と生きていた人類の祖先(食物連鎖でいうと中程度)が、なぜこの星の支配者になったのか、その答えの鍵は「フィクション」であるという。国家、文明、貨幣、宗教、企業、法律、平等や将来は今より豊かになるというフィクション。これらのおかげで見知らぬ人と協力するようになり、進化の法則を飛び越えて力を得た。一方、狩猟社会から農耕社会になったおかげで安定的かつ豊かな社会を手に入れたと教えられたが、労働時間は増え、人口は増えたが飢餓も増えた。むしろ穀物を活かすために働いているようなもので、主人は穀物だという視点は新鮮。生物学的に数を増やすことが成功ならば、歴史上最も成功した動物は家畜となった牛であるが、狭い檻の中で過ごし、初めて歩くのは解体される時という生物が果たして幸せなのか。そしてこれは人間にも当てはまるのではないか。

  • ホモ・サピエンスの歴史を筆者の視点、持論で解説した本。学校で習った「歴史」は、かなり大まかにざっくりと、それも主流の解釈を学んだだけだったことに今さらながら気付きました。そして、学生時代に苦手科目だったのに、歴史ってこんなに面白いんだ〜と思いました。好奇心をかなり、くすぐられました!

  • ジャレド・ダイヤモンド、ダニエル・E・リーバーマンなど知の巨人達が、展開する理論を総合的に俯瞰。特に認知革命については、両者が今まで主張していなかった目新しい理論。そしてその理論は、文明を支えるための最上位の概念ともいうべきもので、実に目から鱗の理論です。個人的には、これまで読んできた書籍の中でもベスト3といっても過言ではない名著です。

    • bossa66さん
      分厚いのでどうしようかずっと躊躇していましたが、読んでみます!
      分厚いのでどうしようかずっと躊躇していましたが、読んでみます!
      2016/12/28
    • グアルデリコさん
      結構、目からウロコです。頑張って下さい!
      結構、目からウロコです。頑張って下さい!
      2016/12/28
  • 「七万年前から三万年前にかけて見られた、新しい思考と意思疎通の方法の登場のことを、「認知革命」という。」この認知革命に関する様々な考察は面白かった。「農業革命」には、私にとって目新しい考察は無かった。総じて平凡な印象しか持てませんでした、残念。

  • 我々ホモ・サピエンスとはなんなのか、どういった存在で、どういう歴史を歩んできたのかを教え、また考えさせてくれる。
    虚構の発明と農業の奴隷の話が興味深かった。
    後半になるほど段々難しくなってきた。下巻をちゃんと理解できるか少し心配だ。

  • ブックオフ富士見2017.8.16 1460円

  • 農業で爆発的に人が増えたとか、農業で小麦の奴隷に成り下がったとか。面白い。

    人間は長らく、狩猟民族として生きてきた話も。

  • 読みにくかった。補足的な情報が多く結論がぼやけてしまう。
    農業vs狩猟。農業は狩猟に比べて仕事時間が長い、幸福なのはどちらか
    人間の架空のルールを作れる力。会社、法律、貨幣などの制度

  • 面白い。文章が説明文チックになりすぎずにいいリズムで読み進められる。

  • ベストセラーなだけあっていろいろな角度から人類史を説いており面白い。「銃・病原菌・鉄」のような内容ではあるし目新しい情報はないっちゃないが、「自由と平等」の矛盾、つまり自由であればあるほど人は平等ではなくなる(金持ちは金を自由に使えなくなる)という観点は興味深い。

  • 名著

  • 色んな意味で、歴史とは現代の人が都合よく書いた物語に過ぎないんだなぁ。
    過去は主観に基づいてしか想像できないもの。全くの事実は過去に生きていない限り分からない。
    ホモサピエンスに関しても同様。

  • ただの猿の一種だったホモ・サピエンスが、何故文明を築き、世界の支配者として振る舞うに至ったかを考察した本です。
    人間の特別性とは、生物学的な差異ではなく、存在しない想像の秩序を共有し信じることであり、この能力の獲得により遺伝や環境変化によらず、行動を変化させ、後世に伝えられるようになったのである。
    この視点に立つと、神話、宗教、国家、金、法や人権、善悪までもがその時代によって移り変わる虚構であることが分かります。
    虚構であると言うと、それが悪であるかのように聞こえますが、あくまで多数の人間が効果的に協力する唯一の方法であることは確かなのだと思います。しかし同時に善でもなく、ただそういうものであるという認識が大切なのだと思いました。
    この認識ができたところで、共同主観的虚構に個人が影響を与えることはできないのだと思います。しかし、虚構を絶対だと盲信し、他人を攻撃したり、自分を責めたりすることを減らすことはできるのではないかと思います。
    魔女狩り、優性論、ナショナリズムなど、虚構が攻撃性に転じた例は枚挙に暇がありません。この認識こそが歴史を学ぶ意義だと思います。
    現代においても、貧困は自己責任なのか?多様性とは何か?このような問題を考える上で大切な視点となると感じました。

  • 時間が掛かる。難解だが読めると面白い。

  • 全部が全部納得できるわけじゃないけど興味深い

  • ベストセラー本だから漸く読んでみた
    所々に男性優位社会であることが散りばめられ不快

  • ホモサピエンスは、ただの動物の一種にすぎない

    他の人類種ではなくホモサピエンスが世界を征服し、生き残ったのは、言語のお陰、虚構により協力がうまれた
    言語の柔軟性が優れてる、他の動物にも口頭言語はある。

  • 「サピエンス全史」というタイトルはすごい大きく出たなという感じもするのですが、現生人類であるホモ・サピエンスが認知革命により虚構を信じる能力を手に入れ、ネアンデルタール人その他の(進化的な兄弟である)人類種を滅ぼしてきたという話から始まります。虚構を信じる能力が強大な社会の形成を可能にしており、これがホモ・サピエンスの強さだと理解しました。神とか宗教とか、国家さえも想像上の虚構でしかありません。

    認知革命の話から、狩猟採取民族から農耕民族への遷移に関する農業革命の話、そして上巻の終わりは帝国主義について。この本が書かれたのは2014年?のようですが、新しいグローバル帝国主義により、国家が好き勝手に宣戦布告して戦争したりすることはできなくなっている、というところで上巻が終わっています。この見解に反するような出来事がいくつも起こってしまいましたが。

  • 我々人類とは何か?に真っ向から向き合い答えてくれる一冊。

    ホモ・サピエンスを俯瞰しつつ、捉えているので読み手としては奇妙な気持ちになる。今私たちが正義として捉えているものが、どのような文脈で出来上がっているかを考えさせられる。

    個人的に面白いと思ったのは、他の人類(ネアンデルタール人など)に比べて我々は知能や体力で優れていたわけではなく、虚構を作る力があったから生存したいう点。

  • 面白いし読みやすい。
    認知革命、農業革命、虚構や貨幣などホモ・サピエンスの歩みのターニングポイントに関してわかりやすく論が展開されていた。特に「人類は小麦の家畜である」と言う話は非常に面白かった。
    話の内容に関しての疑問や反論が頭によぎっても、その直後にその点を潰されるということが何度もあり、とても丁寧に書かれている。

  • 話がとにかく面白い
    人類が歩んだ道はなぜこんなにも面白くできているのか

  • ★★★★

  • ホモサピエンスの歴史を知ることができた。
    自分たちが把握できているここ数千年の歴史は、ホモサピエンスが生まれてからの期間のほんの少しの時間でしかない、と改めて知った。
    歴史や全体像を少しでも知ることで、今現在を多少なりとも捉えることができ、視野も広げらる。
    やはり知ることは大切

  • 読むこと読むこと初めて知ることばかりで、読み進めるのがとても楽しい。下巻も楽しみ。

    高校生とか、世界史を学ぶ前にこの本を読んだら、しっかりした土台になりそう。

  • 人類の歴史について、人類誕生から先史時代までについてを特に学べる本。(わかる限りの)事実に基づいた情報の整理ではなく、現在に至るまで、現在の世界がなぜこのようになっているのかのその理由、人類誕生から虚構の概念が生まれたところに起因していること、そこからどのように歴史が動いているのかを知ることができる。歴史を学ぶ上で、根本からその学び方、歴史の捉え方を変えさせてくれるぐらいの気づきがあり、面白い。それがここまで売れている理由ではないか。

    自分なりの学びのまとめ
    ホモサピエンスは噂話をすることができるようになり、架空の話、虚構の概念を捉えられるようになった。それにより、人をコントロールして、動かすための神話的なものを作り上げることができるようになった。その虚構が、神話や宗教、国家、はたまた経済、格差、差別を作り上げている。貨幣制度も同様。今の世の中は虚構の概念から長い年月をかけて人の暮らしを成り立たせる様々な事象、世界を創り上げている。なぜ今のような世界を人類が作ってきたのか、その理由が割と納得感のある感じで理解できる。そういう事実を持って歴史や現在を捉えることが歴史の見方の差になるのではとも感じる。

    歴史を学びたいと思っていろいろな本を読んでいるが中々頭に入らない自分がいる。この本を読んだことで捉え方が変わり、歴史の理解の仕方が変わりそう、また本書の中にも触れられているところが多く学びになる。

  • 読み終えたがまだ評価できるほど理解できていない

  • 人類史として、上巻には、第1部「認知革命」、第2部「農業革命」、第3部「人類の統一」のうち「貨幣」と「帝国」を取り上げている。
    どれも面白いが、第1部で様々な人類種のうちホモ・サピエンス以外の運命とホモ・サピエンスがもたらした全地球的影響についての記述が印象的だった。

  • 「サピエンス全史 上 ユヴァルノアハラリ著」読了。牧畜の人に対して厳しく書かれていた。すごいかなと思って読み始めたが、思っていたのと少し違った。下巻読むかは考え中。

  • 人類が、食物連鎖の頂点に君臨した背景、事実をデータを用いて、言語化した表現で分かりやすく表現している。
    学校では、教えない歴史、生物学史が
    記憶に残りやすい。
    1

  • 話の上手い先生の、歴史の授業を聞いているようで読み応えがあった。自然と不自然をどう定義するのかを、歴史を振り返り正論で詰めてくるのが痛快だった。
    なかでも古代コミューン説を面白く読んでいた。産む女だけがその子の親だとわかる。一夫一婦制で不倫や離婚、望まれぬ妊娠や堕胎や虐待など繰り返すよりも、生まれた子どもを集団で大事に育てるほうが遥かによい気がしてくる。
    分かっているつもりでも、家畜の話はつらいなぁと思ってしまった。いつでも特定の肉や乳製品を買えるのには理由があるわけで。人類によって絶滅させられた種の話も現在進行形なのだから深刻だ。
    でも全体を通して非常に読みやすく、理解もしやすく、残っていた芸術作品や遺跡を見ると想像が膨らんでとても楽しかった。

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著者プロフィール

歴史学者、哲学者。1976年イスラエル生まれ。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻し博士号を取得。現在、ヘブライ大学で歴史学を教授。『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21 Lessons』。

「2020年 『「サピエンス全史」「ホモ・デウス」期間限定特装セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ユヴァル・ノア・ハラリの作品

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