世界を支えるすごい数学: CGから気候変動まで

  • 河出書房新社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309254531

感想・レビュー・書評

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  • やさしそうな見た目とは裏腹になかなか読み応えのある難しさの本でした。


    かつて、数学とは何かを数値化するために使うものでありましたが、現在、さまざまなことが自動化されたおかげで、使うものではなくなってきています。

    例えば、お釣りの計算はレジでやってくれますし、目的地の最短ルートはわざわざ地図と睨めっこする必要もなくなりました。
    数学はこうして使うのではなく、「欠かせないもの」として変化していった、と冒頭で述べられています。

    また、数学は、作られた当初の目的とは思いもよらない形で利用されていることが多く、この本においても、そんな数学が主に取り扱われております。


    何か新しいものを生み出すとき、予想もしていない使われ方をすることはよくあります。もちろん悪用も含まれています。

    しかし、技術を自分のものだけとせず(ただし、誰が作ったか、は明確に残す必要はあります。)誰もが使えるようにすることで、驚くほど快適に過ごす環境づくりの役に立つかもしれません。

    …ただし、この本はやはり難解で、読み終わりましたが消化不良に陥りました。時間をおいて再トライしてみようかと思います。

  • 『世界を支えるすごい数学: CGから気候変動まで』|感想・レビュー・試し読み - 読書メーター
    https://bookmeter.com/books/20156087

    #BookReview: What’s The Use by Ian Stewart – BookAnon.com
    https://bookanon.com/2021/07/26/bookreview-whats-the-use-by-ian-stewart/

    Ian STEWART - Ian Stewart
    https://ianstewartjoat.weebly.com/

    世界を支えるすごい数学 :イアン・スチュアート,水谷 淳|河出書房新社
    https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309254531/

  • 数学のすばらしさを伝える良い本なのですが、私には難しかったので星3つ。
    ある分野を念頭に考え出された数学が、まったく違う分野で大活躍している、不合理な有効性の例が列挙されている。選挙区の区分けの公正さを記述する数学、巡回セールスマンとP=NP問題の関係、ハミング距離を使う画像認識は次元を小さくするために敵対的サンプルを簡単につくれる、腎臓移植のドナー選びにグラフ理論が使われている、RSA暗号や楕円曲線のしくみと量子コンピュータでも破れない暗号、シュレジンガー方程式と複素平面の関係、コンピュータグラフィックスの回転に使われる四元数、ばねの不良解析に使われたカオス挙動のアトラクター、CATスキャナに使われるラドン変換、画像圧縮に使われるハフマン符号、フラクタル、ウェーブレット変換、GPSに使われる乱数発生器とメルセンヌ素数。北極海の氷とイジング、ビッグデータの解析とトポロジー理論。 これらが理解できれば数学者になれる。

  • 数論や四元数、トポロジー、ウェーブレットなど学校教育では学ばなかったような数学が世の中でひろく応用されているという話題。一つ一つの章が短めで数学的な詳細にはほとんど触れられず、もう少し数学的な解説があるとよいかなぁ。。。

  • 文字通り様々なことを数学で分析した一冊。

    数学の基礎的な素養が十分でない自分には難しく感じた。

  • わりと上級基礎的な数学の知識がないと読み進めるのが辛い感じでハード。細かいところを気にしないでも読み進めることはできるけど、そうだとこの本を読む意味はない(興味があるとしても上っ面の文字だけを目で追うよりは、もっと初歩的な数学関連の本を読んだほうがいい)。私は自分の限界を感じたため第7章あたりで脱落したため評価は不能。

  • [目次]
    第1章 不合理な有効性
    数学は時代遅れか
    コンピュータと数学
    なぜ役立つのか
    神秘の数学
    数学の6つの特徴

    第2章 政治家が有権者を選ぶ
    政治と数学
    選挙を操作する
    2つの戦術
    不正を暴き出す
    選挙区はコンパクトか
    単純にはいかない
    得票数から探る
    死票を数える
    原爆と酔っ払い
    ケーキを分ける
    選挙区分けへの応用
    民主制は完璧か

    第3章 ハトにバスを運転させよう
    都市を巡るセールスマン
    スーパーの配送から天体観測まで
    フラクタルと線形計画法
    〝難しい〟問題とは
    現実的な問題
    奇妙な数学
    次元とは
    カントルのリフルシャッフル
    空間を埋め尽くす曲線
    コンピュータによる証明
    ハトも問題を解決できる
    自動運転車は安全か

    第4章 ケーニヒスベルクの腎臓
    命を救う臓器移植
    オイラーと7本の橋
    腎臓移植のチェーン
    矢印付きのグラフ
    最大限に活かす

    第5章 サイバースペースで身を守る
    もっとも純粋な数学
    数論と暗号
    素数の落とし戸
    数を円形に並べる
    RSA暗号のからくり
    いくつかの弱点
    〝体〟と〝楕円〟
    楕円曲線と暗号通貨
    暗号法を脅かすもの
    量子コンピュータの進化
    量子にも屈しない暗号法

    第6章 数平面
    現代の通信網
    数とは何か
    数字が無限に連なる
    想像上の数
    iの正体
    複素数の活かし方
    実数より簡単
    量子には虚数が不可欠
    エレクトロニクスとブロードバンド

    第7章 パパ、3つ組を掛けることはできたの?
    グラフィックスと数学
    コンピュータゲームの進歩
    時代を拓いた数学者
    3次元を投影する
    橋に刻まれた数式
    滑らかに回転させるには
    四元数を使う
    CGの制作現場
    アニメーションのつなぎ方

    第8章 ビヨーン!
    ばねと数学
    うまく巻けない
    カオスに隠されたパターン
    あいまいさの数学
    とことんまで使い倒せ
    チームで取り組む

    第9章 任せなさい、私は変換だ
    体内を覗く
    フーリエの発見
    ラドンの考えたこと
    スキャンから再現する

    第10章 はいチーズ!
    画像の圧縮
    冗長性を活用する
    JPEGのしくみ
    フラクタルに目をつける
    目を細めて見る
    指紋を保存する

    第11章 まだ近くじゃないの?
    魔法のナビ
    現在地を知るには
    ランダムに見える
    相対論で補正
    広がるGPSの利用

    第12章 北極の氷をイジングする
    気候変動は現実である
    氷の上の池
    磁石の不思議
    一学生が挑んだ問題
    モデルを〝解く〟
    1次元でだめなら2次元で
    氷が融けるモデル

    第13章 トポロジー学者を呼べ
    穴を見つける
    トポロジーのおもちゃ
    脳の中の壺
    形を区別する
    トポロジーとビッグデータ
    防犯センサーから医療まで

    第14章 キツネとハリネズミ
    尽きることのない応用法
    数学のいろいろな定義
    数学を喰らう宇宙人
    世界を作り替える数学

    訳者あとがき

    索引

  • 京都新聞2022年12月17日付読書欄で紹介。

  • What's the Use?: The Unreasonable Effectiveness of Mathematics
    https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309254531/

  • 高校で数学やる前に何に利用されているのかを知るべきではないか

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著者プロフィール

ロンドンの建築工学設計事務所、デーヴィス・マグワイア・ホィットビーの技術者。これまでの主なプロジェクトに、ロンドン中心部のBBC本社ブロードキャスティング・ハウスとテート・モダンⅡギャラリーがある。また、シエラ・レオーネに図書館や文学センターを支援する目的で設立された産業関連慈善団体CODEPにも参加している。グラスゴーのストラスクライド大学で構造力学の博士号を取得。

「2012年 『橋の形を読み解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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