- Amazon.co.jp ・本 (465ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309411453
作品紹介・あらすじ
沖縄密約事件=「西山事件」は何を語るのか-下山事件、松川事件からロッキード、角栄逮捕まで、戦後、権力の闇をあばく報道によって社会を震撼させ、そうであるがゆえに謀略の標的にもなってきた毎日新聞、その栄光と悲劇の歴史を、血がにじむような努力で真実にせまった事件記者たちの姿とともに描き出す、社会部長だった著者でしか書けなかった渾身のノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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元毎日新聞社会部部長の筆による、下山事件から毎日新聞倒産(寸前)までの毎日新聞社会部の半世紀録。
読み出しの感想は「うわ〜新聞記者って文章下手くそだな。校閲入らんと勢いだけやな」でしたけど、読み進む内に文体にも慣れ面白く読めました。
最後に半身不随で書き上げたというのを読んで、記者の気合と根性に畏れ入る次第。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
諏訪メモの話が特に衝撃だった。松川事件最高裁で、何人もの被告人の死刑など→有罪破棄の決定的な証拠になった「諏訪メモ」。そのありかを尋ねる弁護団に対して最高検は「知らない」と突っぱね続けていたが、上告後、最高裁に係属中、毎日新聞の福島支局の若手記者が、ある日検事正に聞くと「うん。諏訪メモはここにある。」これを毎日新聞が報じたことで、弁護団が最高検にこのメモを提出するよう求めたが最高検はこれを拒否、結局最高検から極秘のうちに東芝工場に返されて最高裁が提出命令を出すという流れに。
こういう形での真実への迫り方もあるのか、と…。
他にも、終戦の日の新聞発行、社会部から見た西山記者事件、ロッキード事件のスクープをとってく過程など。違った観点から、戦後の「著名」な刑事事件の数々をみることができて面白かったです。
ぶちょーがある日貸してくれました。