琉璃玉の耳輪 (河出文庫)

著者 :
制作 : 尾崎 翠 
  • 河出書房新社
3.68
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本棚登録 : 168
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309412290

作品紹介・あらすじ

時は昭和三年-。名探偵唐草七郎の一番弟子にして閨秀の探偵・岡田明子のもとに舞い込んだ摩訶不思議な依頼。「三姉妹を探して下さい。三人とも左の耳に一粒の琉璃玉が嵌った、白金の耳輪をしています」阿片窟の女傑、女掏摸、男装の麗人、旅芸人一座、変態性慾の男、老刑事、放蕩の貴公子…奇想天外、百花繚乱!幻の探偵小説が奇才の筆でいま蘇る!大発見を語った「尾崎翠フォーラム講演抄録」併録。

感想・レビュー・書評

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  • なかなか難しく重厚な物語だった…!
    登場人物それぞれの過去があって、それが繋がってくる気持ちの良さを味わえた。にしても、三姉妹の名前が似ていて途中で分からなくなったり、見慣れない言い回しや漢字が使われていたりと、読み応えあったなぁ。
    一回では落とし込めてない部分も多いし、南総里見八犬伝に通じるという話をあとがきで知ったので、そういう観点で何度でも読みたい。

  • 途中から急に面白くなって止められなくなりました。
    あとがきを読んで、途中から津原さんが原作にプラスして新しい物語をつくったと分かり納得しました。
    昭和3年の原作と津原さんのアイデアや文章がほどよく調和して、独特の作品になっていると思いました。

  • 江戸川乱歩作品のような昭和初期が舞台の
    「ミステリ=推理小説」というより「探偵としての冒険小説」
    作者の本領発揮感漲る熱の入った作品
    こういう幻想ミステリが本分なのだろうと感じさせる
    原作とどの程度の差異があるかわからないが
    抜群の雰囲気ある娯楽小説

  • 2013-7-19

  • 1/17 読了。
    戦前の日本のごっちゃ煮でスペクタクル好みなところは、『シャルビューク夫人の肖像』の舞台だった19世紀アメリカによく似ている。舞台背景のみならず、精神の分裂が物語にも大きく寄与するところも近く、たまたまこの2冊を続けて読んでよかった。
    黄氏の数式については東日本大震災後の今ならどう書いたか、あるいは道具立てそのものを変えてしまっただろうか、津原さんに聞いてみたい気がする。

  • ああ

  • 尾崎翠の「琉璃玉の耳輪」をベースに書き上げられた探偵小説。
    原案の魅力や雰囲気、スピード感を全く損なわずにオリジナルの設定(しかも結構重要な)を入れ、見事に面白く仕上げている。中でも瑩子と岡田明夫のやりとりと、八重子と木助のやりとりが見もの。

  • 阿片窟、見世物小屋、伯爵、唐人髷、多重人格…。物語の道具となっているものひとつひとつが、現代と現実から遠く、飽きることがない。しかも、これだけトンデモ設定なのに最後まで読ませるのは、品とおかしみの両方を備えた筆者の力なのだろう。やっぱり好きな作家だ。

  • いろんな人のいろんな寸劇が、最後にひとつになる。ぜんぶ伏線!

  • 単行本が出てるのは知らなくて新聞の今月の新刊広告で知って買わねば! となりました。
    もう先月だけど。死の島読んでたら遅くなったね。今月はすいかの本も出てるよね河出さん、まだ買ってないとかそれはともかく。
    尾崎翠原案津原泰水作とかなんですかその夢のコラボとおもって読んだら、いい塩梅に、どちらの作家もすきなんだけどそれぞれすこし個人的な読書体験として馴染みにくいとこもある、たとえば尾崎翠のときどき硬きにすぎる感じと津原泰水のときどき踏み込みすぎる感じが混ざりあうことによって中和されるのかなあて、なってだからすごい読みやすかった。
    それぞれのキャラクターも魅力的。
    あんまりわるいひとがいない。
    悪役はいるしどうしようもないんだけどそれでもなんだかわるいひとがいないとおもえるのは筆のはこびかなあ。
    津原作品ってなんとなく、そんなに読んだことはないけど登場人物がよくある善悪の規範ではくくられない気がする。
    この小説が映画化されたりしないかな。

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著者プロフィール

1964年広島市生まれ。青山学院大学卒業。“津原やすみ”名義での活動を経て、97年“津原泰水”名義で『妖都』を発表。著書に『蘆屋家の崩壊』『ブラバン』『バレエ・メカニック』『11』(Twitter文学賞)他多数。

「2023年 『五色の舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

津原泰水の作品

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