- Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309464084
感想・レビュー・書評
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神話伝説上の幻獣を扱っているのかと思いきや、その他にもポーやカフカと言った作家の創作も入っておりました。
世界各地、様々な時代から寄せ集められる博識は見事だけれど解説があっさりとして物足りない気がしました。
あと…あいうえお順の構成に面食らいました…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ボルヘスは好きなのかそうでないのかわからないまま、とりあえず読んでます。
本書は有名な1冊なので、文庫になったのをきっかけに読んでみました。
現代ではファンタジーのゲームや漫画で、世界中の様々な「幻獣」が有名になってますが、この本が書かれた当時はそうではなかったと思います。
日本のヤマタノオロチなどについても言及していて、満遍なく収集されているなと思います。1つひとつが短いので、パラパラ読んでも十分楽しめます。 -
「幻獣」とは、伝説、伝承上の動物全般を指す言葉。家庭用ゲームの世界では、たとえばRPGゲームシリーズ『ファイナルファンタジー』をはじめとした多くの作品で、モンスターの総称としてよく使われている。今となっては、これら想像上の生物をイラストとともに紹介する書籍が量産されているが、本書はこれらの始祖といった存在。
ボルヘスは1899年、アルゼンチンはブエノスアイレスの生まれ。詩人・小説家としてだけでなく、驚異的な博識・読書量で知られている。この『幻獣辞典』も、ギリシャ時代の古典から北欧・インド、中国・日本・アメリカ・イスラムの神話、さらにはポオやカフカといった作家から120の題材がとられ、1項目につき1~4ページ程度の短く、かつ濃縮された文体で説明が施されている。
本書はたんなる「ファンタジーの副読本」以上のものである。多くの物語がそこから名前や設定を借りている、神話や伝承の迷宮を旅するための地図なのだ。そこらの解説本が他の本からの孫引きで作られているのに比べ、著者が序で〈引用した資料はすべて原典にあたり、それを原語(中略)から訳出すべく、われわれは最善をつくした〉と胸を張る本書の記述は機知に富み、簡潔でありながらなまなましく、そして詩的な風情さえ漂わせる。
そもそも「幻獣」という言葉が、訳者・柳瀬尚紀が本書のために造語したか、少なくとも一般に広めたものである。訳出不可能とされたジョイス『フィネガンズ・ウェイク』の全訳を、造語を駆使して完成させたことで知られている訳者は、後書きで本書の翻訳作業を「《迷路》にはまり込む喜び」〉にたとえている。とはいえ、構えるには及ばない。気ままにページを開き、寝る前に読むだけでも、見たこともない世界の夢を見られる気がする。 -
名前は知ってたけど何となく手を出してなかった。文庫化ってちょうどいいタイミング。
これだけ簡単にネットで何でも調べられるようになると、博識とか売りになりにくい。そうなると後は取捨選択に力量が問われるわけで、そう思って読むと、世の中不条理というか、神話とか伝説って因果応報とか倫理的にはできてないんだなぁ、としみじみと。だからおもろい、ってところももちろんあるんだけれども。 -
難しい幻獣の世界。
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ボルヘス先生の、空想動物辞典。
ゲームなんかでメジャーなのも多いので
古さも感じるけど、想像の翼がうずきますな。 -
無教養なうえ、ゲームもファンタジーも苦手な私には、五十音順の情報を吸収することはハードル高すぎた。
じゃあ、ある程度カテゴライズされた形ならいいのかっていうと、そういうもんでもなく。つまりは、自分の教養、想像力のなさが問題。 -
RPGブーム以前の書物であり、収録基準もその記述内容もD&Dからの影響を受けていない。この手の本としては二十一世紀の現在ではかなり貴重な特質だろう。明らかに個人創作の生物まで含まれているのは気になる。
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まさかのあいうえお順。