- Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
- / ISBN・EAN: 9784323064031
感想・レビュー・書評
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戦争というのは、兵隊同士が戦い殺し合うだけのものではない。銃後で困窮生活を続ける人々が、戦争の巻き添えになって死んでいく、いかに非人道的なものか、その不条理な世界を描いた日本の漫画家たちの9作品です。動物園の人気者も戦争の犠牲となる 藤子・F・不二夫の『ぞうとおじさん』、戦争が終わっても空腹な時代が続いた 手塚治虫の『すきっ腹のブル-ス』、民間人への無差別爆撃を描いた 巴里夫の『愛と炎』など、いずれも非情な戦争の姿が伝わってきます。
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シリーズ5冊目。戦争に巻き込まれた兵士ではない人々を描いた作品群。東京大空襲、沖縄戦、疎開先から逃げ出す子供、ポーランドでの虐殺…。様々な「戦争の傷あと」が突き付けられる。中でも忘れてはいけないのが、殺処分された動物園の動物たち。毒の入った餌を食べない象は餓死させることとなる。餌をもらいたい象は芸を披露する。しかし、それは虚しく…。この悲しい話にもドラえもんの道具が夢を与える。何ともならない過去の出来事。なんとかしたいという思いから抱く幻想。何とかなるはずの未来を創る今。この記憶を活かせているだろうか。
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知っている作品多数。北条先生の作品、おそらく本誌で読んだなあ…。巴里夫さん、俄然気になりだす。
<収録作品>
ぞうとおじさん(『ドラえもん』)/藤子・F・不二雄
雨の中のさけび/樹村みのり
すきっ腹のブルース/手塚治虫
焼けあとの元気くん/北見けんいち
暗闇とペン先(『cocoon』)/今日マチ子
愛と炎・東京大空襲/巴里夫(原作・さわさかえ)
台風の夜(『三丁目の夕日』)/西岸良平
少年たちのいた夏/北条司
日和下駄(『寺島町奇譚』)/滝田ゆう -
マンガなので気楽に読める。どんなきっかけであれ、忘れてはいけないことに触れる機会を持てるのは良いことだ。子どもたちにもぜひ。