4-2-3-1: サッカ-を戦術から理解する (光文社新書 343)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034467

感想・レビュー・書評

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  • 消化不良だったサッカー日本代表。報道から聞こえてくる文言に、大きな違和感を覚えていた。「戦術がいけてない!」、「選手交替も下手!」と感じてきた数名の監督について、その理由を、痛快に説明してくれた。まさに、読んでスッキリ出来る本であった。

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  • サッカーの勉強になったが自分の考え方とことなっていることもあった

  • サッカーを「布陣(戦略)」と「プレイヤーの技量(戦術)」に分解、前者にフォーカスした内容。
    各布陣の特徴や相性、戦略が戦術の差をいかに覆すか等、豊富な事例が図解されており、
    サッカー素人の自分も楽しめました。
    (副題では「布陣=戦術」としていますが、ニュアンスとしては戦略を指していると理解)

    ①サイドを制するものがゲームを制す

    サッカーは古くから「中盤を制するものがゲームを制す」と言われてきたが、
    今のサッカーは「サイドを制するものがゲームを制す」に変化している。

    サイドは360度敵に囲まれるピッチ中央と異なり、相対的にプレッシャーが弱い。
    したがって、サイドからボールを相手ゴールライン(ペナルティエリア最深部)にまで上げ、
    そこから、ペナルティエリア中央に折り返してゴールを狙う、これが定石となっている。
    (こうした場合、シューターはボールとゴールキーパーを見ながらシュートを打てる)

    ②1トップか2トップか?

    これは、相手方のDFの人数との関係性の中で有利不利が決まる。

    例えば、3-4-1-2の布陣で4-2-3-1にぶつかると、DF3枚の内2枚(中央の1枚+左右どちらか1枚)が
    1トップに対応する(=中央に寄る)。
    すると、必然的にDFラインの左右どちらかにスペースが生まれ、
    1トップの後ろに控えるプレイヤーに裏をつかれる恐れがでる。
    結果、中盤4枚の内、外側の1枚がDFラインにまで下がることとなりやすい。

    つまり、3-4-1-2にも関わらず、押し込まれて実質は4-3-1-2
    (場合によっては両翼が押し込まれる5-2-1-2)となり、
    かなりディフェンシブな戦いをせざるを得ない状況に陥る可能性がある。

    逆に4-2-3-1で対応していれば、DFの両翼が押し上げることで、2-4-3-1に近い形とし、
    相手方の1トップ、中盤3人に対しそれぞれ数的優位を維持した対応を取ることが考えられる。

    ③サッカーは布陣でするものではない

    布陣は強力な武器ではあるが、布陣より前にまずやりたいこと(信念・方針)があり、
    それを実現するために必要な布陣(戦略)を選択する。この順序は決して逆ではない。

    したがって、布陣は固定するものではなく、臨機応変に変更できることが望ましい。
    布陣には「相性」が存在するし、戦術面での不利があれば戦略面での打開を図る必要がある。

    ただし、戦略の幅を広げるためには、複数のポジションを担当できるプレイヤーが不可欠。
    一方、ファンタジスタは総じてシステム(布陣)に縛られ、自由なプレーを制限されることを嫌がる。
    監督には戦略の幅を広げつつ、戦術との整合性をどのように確保するかが求められる。

  • これを読んで、一瞬、かなり戦術の解釈に強くなりました。内容を忘れるにつれて、戦術眼も衰えました。

  • サッカーの布陣表記は以前は3列表記であったが、より詳細に伝えるために、4列表記が基本となりはじめている。その立役者ともいえる杉山氏の代表的著作となるだろう。ただし、4-2-3ー1 vs 3-4-1-2 時代の本だと言える。 

    サッカーはいろいろな要素があるとは思うが、その中で戦術=布陣というものがある。布陣は戦術の1つ(現在では、システムと布陣は若干異なるとされているが)ではあるが、戦術を決める上で基本的な要素である。

    著者の文体らしいが、具体的な試合の流れを取り出し、それに対しての評価を書いている。戦術の基本である布陣のトレンドを勉強したい人にはお勧めの書。

  • サッカー好きの方はぜひ!!
    観戦がもっとおもしろくなります。
    …ってか監督なりてー!!

  • 監督の視点でサッカーを見て楽しむことを本書は教えてくれた。
    実際には監督ではないので、監督の視点でサッカーを見たことがなかったが、
    監督が、特に布陣についてどういうパターンを持っており、指揮するのにどう使ってきたかが分かる。
    サッカー観戦の楽しみが増えた。

    著者も監督ではないので、監督の思いは伝わってこない。
    しかし、監督になったつもりで考えてみるのには面白い情報がたくさんある。
    なんちゃって監督として楽しむことができそうだ。

    ps.
    子供のサッカーでは、布陣にこだわることなく、選手が自分の頭で考えて、相互に声をかけあって対応するのが一番だと、コーチからは教わった。
    大人のサッカーとの違いは、本書を読んだだけではよくはわからない。

  • もっと早く読むべきだったなぁ。読後とり急ぎウィニングイレブンで試しました。

  • サッカーの戦術に関する本。
    サッカーは布陣でするものか、否か。
    そんなことどうでもいいと思った。4-2-3-1とかシステムがある以上、布陣でする一端もあるだろうし、人間が行うスポーツである以上、システムに縛られず、流動的な部分もあるし。

    ただ、サッカーで番狂わせはあるけど、布陣は、弱者が強者に勝つためのツールである感じがした。

    この本には、サイドを制するものは試合を制するってあるけど、そこは非常に納得がいった。実際、サイドを軽視し、中盤に力を注いだトルシエジャパン、ジーコジャパン、アテネ五輪の日本代表はうまくいかなかった面もあるから。その代わり、日韓W杯の韓国代表とか、ヒディング、バルセロナなど数々のチームは、サイドを重視して、華やかな結果を残したから。これらのチームは、サイドに最低2人以上配置していて、以前日本がやってた、3-5-2、4-2-2-2は使ってない。

    サッカーを生で観戦するとき、布陣も注意して見ると、非常に面白くなるんだなを改めて思った。

    この本を読んでいて、一番思ったのが、日本サッカーは仮に負けても反省しないことが一番気がかりだった。協会、マスコミ、サポーターそれぞれに責任みたいのはあるのかもしれない。ただ、トルシエジャパン時代、ジーコジャパン時代の失敗に目をつぶるかのような姿勢はあまりよくないのではないか。臭いものに蓋をする精神は良くないと思った。失敗したなら失敗したで、真摯に受け止めて、危機感を持って対処すれば、もっともっと上へ行ける気がする。多分、失敗から反省して活かすのってすごく難しいことだし、プライドが許さない、そもそも気づいてない、気づかないふりをしているケースが多いんだろうけど、やっぱ反省して、次の試合に活かして欲しいと思った。
    これは自分自身も言えることだけど…
    でも、筆者も受け取り方は違うかもしんないけど、危機感は抱いていた。

    この本は、サッカーの布陣に関する本だけど、マスコミ、代表、協会についても触れられていて、多面的に見ることができる本だった。

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著者プロフィール

スポーツ・ライター

「2015年 『攻撃的サッカー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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