愛着障害 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334036430

感想・レビュー・書評

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  • 自分、予想より重症で草

  • # 社会問題と照らし合わせると面白かった一冊

    ## 面白かったところ

    - 愛着障害は自然治癒はせず、大人になっても寛解していない人がいるという発見

    ## 微妙だったところ

    - 題材に使われている人が殆ど文豪で、偏っていた点

    - 新書のわりに300ページくらいあって長い

    ## 感想

    幼い頃に愛着活動が満たされた人は人を信用することができるし、人との距離感を適度に保てる。

    愛着活動を行える安全基地があるから、果敢に挑戦ができる。

    ベビーシッターや保育所・幼稚園でさえも乳幼児を預けることができるこの時代において、経済的合理性を考えたら外注した方が精神的には楽になれる。

    だがたった生後半年から一年半の間で、取り返しのつかないような禍根を残す可能性があるなんて理屈では知らなかった。

    他人との距離感に、大人になっても悩む人や自分自身の生い立ちを振り返るにもいい一冊。

  • だからどうしたらいい?の部分が薄く、著名人の例が多すぎてかなり飛ばして読みました。欲しい情報があまり載ってなかったです。

  • 書店でよく見かける「発達障害グレーゾーン」の著者と知って気になり購入。愛着とは何か、どれほど人生に影響を及ぼしているのかが語られている。個人的に信奉するアドラーの考え方と似ているようで違う気がする。有名人の逸話をもとにこの人は不安型だ、回避型だ、などと分類しているが、あとづけの説明に感じられて納得感は薄い。自分は愛着障害かもしれないなどと思って読んでみたが、不安型や回避型に当てはまる部分もあれば安定型に当てはまる部分も多く、細かいところはあまりしっくりこなかった。

    愛着とは、ある特定の存在に対する特別の結びつきのこと。その存在は多くの場合、母親である。愛着形成に重要な時期は生後六ヶ月から一歳半くらいまでだという。ここで十分なスキンシップを取って、母親が感受性・応答性を備えている場合、愛着がスムーズに形成される。愛着とは安全基地のようなものである。いざというときに逃げ帰れる安全基地があることで、安心して外界を冒険する意欲を持てるという。そして十代初めのころから成人するころまでに、子供の愛着パターンが、大人の愛着スタイルへと確立されていく。

    愛着障害を抱えた人はこんな特性がある、という部分は「傷つきやすく、ネガティブな反応を起こしやすい」など、まあそうだろうと思うようなことばかりで目新しさはあまりなかった。その中では以下の部分が参考になった。
    ―「部分対象関係」から「全体対象関係」への移行が愛着の成熟を表している。愛着障害を抱えていると、相手からどんなに恩恵を施されても一度不快なことをされれば、それ以外のことは帳消しになって相手を全否定してしまう。
    ―自分が自分であるということに確信をもてず、アイデンティティにおいて問題を生じやすい。集団、性、存在など、自分がどういう社会的役割を担うにしろ、無理をしているという感覚をともないやすい。その結果、ある役割を本心から果たすのではなく「演じている」という感覚を持ちやすくなる。

    愛着障害の修復はカウンセラーにしかできないという前提があるのかと思いきや、そういうわけでもないらしく、勇気をもらえた。「一生付き合う覚悟で、腹を据えて、その人に関わろうとしている非専門家や家族の方が、愛着障害の修復という点では、大きな力となるだろう。実際パートナーや恋人が安全基地となって受け止めた結果、安定していくケースも多い」とのこと。相手に文句を言ったり将来を憂いている暇があったら、自分自身が安全基地になれる器になろうと思った。相手にそこまで尽くそうと思う理由は、やはり「あんたが、あんたのバラの花をとてもたいせつに思ってるのはね、そのバラの花のために、ひまつぶししたからだよ」ということに尽きるだろうか。

  • アダルトチルドレンという言葉は正直まだそんなに理解してないのだけれど、「安全基地となる存在」が必要というのは数年前に体感しました。生活を立て直すために一時的に避難させていただき助けていただいたけれど、向こう側の生活が変わり、のちに間違いを起こして現在は行方知れずになってしまいました。同じ基地がずっとそこにあるとは限りませんし、依存になってもいけないし、難しいところです。
    同時期に職場で宗教絡みでメサイア・コンプレックスというのも知り、教育と称したパワハラなどもしんどかったです。結局はこういうワードたちにとらわれず、変な罪悪感など持たないようにし、なんだかこいつらおかしいぞという自分の感覚を信じていくしかありませんでした。こういうのはわざわざ自分をラベリングするように読むのもちょっと危険な気がするし、難しいところです。でも読みたくなる(汗)

  • まぁまぁ、なぜそのようになるのかに重きを置いていて著名人と結びつけている点は興味が持てる。ただし、どうするべきかにおいては情報量が少なく、対応するための本としては弱いと感じる。

  • とても良かった。ちょくちょく泣いてしまうところもあった。

    私は大人になっても親にされた事、言われたことを引きずってきた。それが種になり劣等感やコンプレックスになり、さらに親を恨むという悪循環に陥っていたがこれは愛着障害なんだと気づけただけで少し楽になった。

    1番心打たれたのが怒りが赦しに変わる時についてのところ。悪い点や至らぬところもあるが、親はそれなりに努力し愛してくれた。というような文だ。そこで私はハッと、親の事を恨みきれていない自分に気づいた。
    過去をゆっくり受け入れて、その経験を活かして生きていきたいと思えた。

    これを読んだ後は縁を切っている親とも連絡を取ってみた。すぐとは言わないが少しずつ許せるといいなと思う。

  • あぁ、これって愛着障害だったのか。。。って、自分の考え方が腑に落ちた。改善方法?対処法?はしっかりとカウンセリングが必要なんだと思うけど、意識出来ただけでも多少は生きやすくなる気がする。

  • 作家や著名な方々が愛着障害を持っていたようです。愛着障害は精神的に不安定となる反面、成功を収めるおいうことを示唆しているのかもしれません。

  • 幼少時代の親との関係、愛着関係の重要性を改めて確認できた。大人になってから影響を及ぼすほど。

    心の安定を土台に、外の世界に向かっていくことができる。チャレンジする気持ちが育つ。失敗したとしても帰ってくる場がある。安全基地があることの意味はとても大きい。

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著者プロフィール

岡田尊司(おかだ・たかし)
1960年香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒業。同大学院医学研究科修了。医学博士。京都医療少年院勤務などを経て、2013年より岡田クリニック(大阪府枚方市)院長。日本心理教育センター顧問。パーソナリティ障害、発達障害、愛着障害を専門とし、治療とケアの最前線で現代人の心の問題に向き合う。著書『悲しみの子どもたち』(集英社新書)、『愛着障害』『愛着障害の克服』(いずれも光文社新書)、『愛着アプローチ』(角川選書)、『母という病』(ポプラ新書)、『母親を失うということ』(光文社)など多数。

「2022年 『病める母親とその子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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