- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334039226
感想・レビュー・書評
-
「人間を磨く」田坂広志著
1.購読動機
著者が約30年前大病を患い、それと向き合い、今に至るから。
その向き合い方を学びたかったから。
2.人間を磨くとは?
「引き受け」ができること。
3.引き受けとは?
人との出会いを、人生の中での局面を、大きなエゴで受け止めること。
大きなエゴとは、すべてが自身にも、非があると認識できること。
そして、その認識を、自身が成長するために、何が学べるか?と発展させること。
4.本書のよいこと
田坂さんの過去の体験談の記述があること。
それがため、「わたしもある、ある」と理解が進むこと。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間関係を好転させるためにはどのようにすればよいかという本。
人とのやりとりの技法など、テクニカルな小技の紹介ではなく、自分がどのように人生に向き合えばよいかという、大きなテーマで書かれている。
自分に非がない、完璧で統一的な人間を目指すのではない。
・自分の非を見つめ(それはなかなか治らない)、皆の前でも認める。
・人と関係がこじれた時こと、自分の心の中で相手との関係を閉じず、相手に心を開いていることを示す。
・人は言葉の影響力に大きく影響されている。人の悪口を言うとどんどんその人のことが嫌いになっていってしまう。なので、嫌いな人ほど相手の良いところを見つけ、日記などに書きだしてみる。
・自分の中のエゴを見つめられることで、心の鏡に曇りがなくなる。自分の姿、他人の姿、物事の姿が曇りなく見えてくる。
確かにこれができていると、人間としてしっかりしていて皆にも認められそうだなと思う。
考え方としてはうなづけることがたくさん。
ただ、行動に移すのは生半可な気分じゃできない。
意識しながら、できることからやっていこうかなと思う。 -
読了7冊目
・密やかな奢りと無意識の傲慢さを伴った優等生意識が人の心を遠ざける。
・我々の心の中には、小さなエゴがある一方、大きなエゴと呼ぶべきものがある、この大きなエゴは小さなエゴとは逆に、今の自分を変え、さらに成長したい。いまの自分よりも、さらに成熟はさた人間になりたいと願っている。この小さなエゴと大きなエゴは常に心の中で戦っている。
・心の中の大きなエゴに従って動く人物からは、人間としての謙虚さが伝わってくるが、逆に小さなエゴの声に支配される人間からは、しばしば傲慢さと呼ぶべきものが伝わってくる。
・人間、自分に本当に自信が無いと、謙虚になれない。真の謙虚さとは、まさに自分の非や欠点や未熟さを、素直に認められる。ということであり、その非や欠点、未熟さを一つ一つ克服しながら成長していこうとする姿勢のことである。
・人生における人間関係の問題は、ある意味で、そのほとんどが、関係する双方に非がいる。どちらかだけ非があるということはあまりない。すなわち、その課題を自分ごととして捉え、成長の課題から目を背けてしまうと、一時的には、その人間関係の問題を解決できたように思うが、気がつけば以前に巻き込まれた問題と同じような問題に巻き込まれ、自分の成長課題をふたたび突きつけられることになる。
・人間を磨くとは、自分の心の中の小さなエゴの動きが見えるようになることであり、小さなエゴの否定的な動きや、破壊的な動きを静めていくことができるようになることである。小さなエゴの動きが見えるようになると、心の鏡に曇りがなくなる。自分の姿、他人の姿、物事の姿が、曇りなく見えるようになる。人間を磨くとは、心の鏡を磨くこと。自分の心の小さなエゴを静かに見つめ、その小さなエゴによって、常に曇ってしまう心の鏡を磨いていく。それが人間を磨くという言葉の真の意味だろう。
→田坂さんの本を久々に読んだ。今回は傲慢さということが言葉として残った。謙虚でありたいと思いながらも、自分はできる。だれよりもやっている。という傲慢さはあるなと思った。それは無意識に人に伝染しているとも思った。また、最近できないと思われたくないという思考を手放したいと考えていたが、そのエゴは消えるものではなくあるものとして静かに小さなエゴを見つめていけばいいんだなとも思えた。自分はまだまだ未熟だなと感じ、心の鏡を磨いていこうと思いました。 -
田坂氏の新刊。
すぐに買いに行きました。
すごい作品。
生きる道標になります。
しなやかな心で、自分を磨きます。 -
名著。著者の中でも最高峰。
-
古典から学ぶべきは「かくあるべし」という「理想的人間像」ではなく
いかにして成長していくかという「具体的修行法・心の置き所」
捨て去ることも消し去ることもできない「小さなエゴ」に処する
唯一の方法は「ただ、静かに見つめること」
「非や欠点もある未熟な自分を抱えて生きる」という視点で
「人間を磨く」意味と具体的な七つの技法を語る -
著者の著書の中でも、深く考えさせる良い一冊だった。繰り返し読みたい。