- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334728274
感想・レビュー・書評
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財布視点というトリッキーさと様々な人物を描いて重厚な事件に仕上がっていた。
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斬新な視点。だけに、解決されなくても成立したかも?
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10個のお財布が主人公という変わり種の作品。お財布だからこそ分かるものもあれば、お財布だからこそ分からないものもある。そのもどかしさが面白い。お財布たちが個性豊かなのも魅力的だと思う。
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刑事、探偵、証人、犯人…それぞれの人物の財布が語る一連の事件。
財布が事件を語る、という手法が珍しいけど、読みながら物語に入り込むと、ついつい財布が語り手であることを忘れてしまい、財布の中身について言及されて「あ、そういえば財布だった」と思い出す…なんてことが何度かあった。
ロス疑惑を彷彿とさせる事件だった。
敢えて複雑で分かりにくくしている作風は、初期の宮部みゆきさんらしい。
宮部みゆきさんの本って、登場人物に感情移入させるタイプの本ではないけど、早苗さんのことは、「どうか死なないでー」と思いながら読んでた。
甥っ子がかわいそうでね。
余談だけど、「旧友の財布」のエピソード、どこかで同じような話を読み聞きした記憶がある。
この本を私は過去に読んだのか、ドラマで見たのか…でもこの本は初見のはずだしな。
孤独な同級生が大事にしてるペットを殺して、素知らぬ顔で一緒に捜索、お墓を作ってあげたりして、その同級生を掌握する…。
そしてそのペットの墓は記念碑的存在としてお気に入りの場所…という話。
こんな嫌なエピソード、そうそうめぐり合わないと思うんだけど。
なんだったんだろう。モヤモヤ。 -
発想が良い。よくまとまってた。
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再読。
1992年刊行。
刑事の財布から犯人の財布まで10個の財布が語る物語。
保険金殺人、マスコミによるセンセーショナルな報道、スター性のある人を食ったような疑惑の人物。
面白かった。
財布が語り手というのが斬新で、でも今のキャッシュレスの時代においては、財布を煩雑に見ることもなく、現金の多さだけで懐具合を図れず、とても懐かしく感じた。
そして、ロス疑惑を思い出した。
ミステリーとしても、もちろん面白かった。 -
持ち主について、財布が語る不思議な物語。最初の違和感が、次々と出てくる財布を通して進んでゆくに従い払拭されて、どんどん引き込まれてゆく。
犯人と思った人々が最後の最後に・・
後半の盛り上がりから、あの結末はいかにも簡単すぎたのでは? -
「吾輩は猫である」の猫の視点からの作品であったが、この本は、財布からの視点で、持ち主を、見ているのが、とても新鮮に思えた。
そして、一つずつ物語が違うのだけど、財布達の視点から、持ち主の行動や、お金の流動等が、描写されながら、短編小説が、長編小説になって行き、少し長いが、読み終えてしまった。