パラドックス学園: 開かれた密室 (光文社文庫 く 10-8)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334745295

作品紹介・あらすじ

パラドックス学園パラレル研究会、通称パラパラ研。ミステリ研究会志望のワンダは何故か、このパラパラ研に入部することに。部員はドイル、ルブラン、カー、クリスティーと名だたるミステリ作家の名前を持つものばかりだが、誰もミステリを読んだことがないという…。やがて起きる"密室殺人"と予想もできない究極の大トリック。

感想・レビュー・書評

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  • 前作にあたる「ミステリアス学園」以上に、ある程度のミステリ知識やパラドックス問題への知識が無いとピンと来ないかも…

  • 3

  • バカミスかつメタミステリです。ただ仕掛けと誘導が結構凝っていると感じました。ふざけんなという感じではなかったです。

  • 昔読んだ前作は面白かった記憶がある。僕が成長したのかも。主人公の正体はあの人だったが、彼は当初日本人の記憶を持っていたはず。また、100歩譲ってメタ構造を受け入れるとしても、ハリセンで殴られても人は死なないように、あのトリックでは死なないと思う。

  •  偶然、『ミステリアス学園』と一緒に買って、続けて読んだんだけど、図らずも繋がってる感じだった。
     『ミステリアス学園』を読んでなくても大丈夫だったけど、読んでないと、この奇抜な設定に面喰っちゃう気がする。

  • 『ミステリアス学園』の続編。今回は、トンデモ系メタミステリだな。

    ただし、トンデモなりに構成と作りは凝っていて面白い!

    ミステリのような事件が現実に起きてしまう世界に迷い込んでしまった主人公の物語。

    今回もミステリ好きのためのミステリ。

  • パラレルワールドのパラドックスの話。
    有名ミステリ作家が、大学生として登場する不思議な世界での事件。
    解決やトリックなどに期待してはいけない。
    鯨統一郎ファンなら読んでもいいかもしれないが。

  • メタ・パロディと括ると簡単だが、泡坂妻夫的、とでも言うべき独創的な仕掛けも施されている。具体名は出てこないがネタバレも随所にあるので、古典ミステリを一通り(いわゆる名作だけで良いので)こなした人向け。7.25

  • パラレル世界でミステリ界の大御所カーとかポーとかが大学生で,密室で事件が起こるバカミス。
    正直つまらない。

  • バカミスの大家,鯨統一郎のパラドックスをテーマとしたミステリ。
    登場人物は、ポー,ドイル,ルブラン,クリスティ,カー及びクイーンという名探偵。終盤で,ワンダー・ランドと呼ばれていた主人公の正体が,チェスタートンであることが分かる。
    この6人の名探偵が,パラドックスに満ち溢れた世界の中で,核シェルターという完全な密室の中でカーを殺害した犯人と,殺害方法を推理するというストーリー。
    舞台となっているのは世界は,アキレスと亀や,ゼノンの矢などの”パラドックス”をテーマとした話や,「張り紙禁止」と記載された張り紙が貼られた壁の話など,大小さまざまなパラドックスで彩られたパラレルワールド。
    この世界は,推理小説(=ミステリ)が存在しない。しかし,ミステリの世界で起こっているような殺人事件が現実に発生している世界である。
    カーが殺害された密室殺人のトリックと真犯人は,驚愕というよりバカバカしい。犯人は読者であり,トリックは読者が,「パラドックス学園」という本に用意されたパラパラ漫画をパラパラしてしまったことで,カーが立て続けに頭を打ち,死んでしまったというもの。うん,ひどい。
    バカミスの大家だし,こういう作家なのでこのオチも納得できなくはないが,パラドックスに満ちた雰囲気は嫌いではなかったので,パラドックスっぽい別のオチで解決してほしかった。
    本作のような,狙ったバカミスはあまり好みではないので,この作品の評価も辛めで。★2。

  • 大学のパラレル研究会、通称パラパラ研。部員はドイル、ルブラン、カー、クリスティー、ミステリ小説が存在しない世界。新入部員のワンダには、ミステリを読んだ記憶がある。パラパラ漫画つき。

    様々なミステリを細部まで読み込んで、ミステリの何たるかを体得している人にはウケるのかも。最も怪しい人物は犯人ではないとか、結果論じゃなく最初からの定理になっているので、素人には論理が読み解けない。

  • 正直、面白くなかった。
    最終的にそうなんだ、位の感想かな。

  • 軽い感じで読み進められ、オチも中々に肩透かしを食らわせてくれた。まんまと作者の罠に引っかかってしまい、自分に苦笑、作者のイタズラ心にあっぱれ的な気分になり、読後感は悪くなかった。

  • 『ミステリアス学園』を読んだ時ほどの高揚感やおかしみを得ることは叶わなかった。あるいは挙げ連ねられている大家達の原作に親しんだ所謂ミステリ通ならばまたどんな思いを抱くだろうか。そうして純粋に作品を離れた元ネタ探しをすればするほど理想に現実の追いつくことの阻まれていくパラドックス。アキレスは亀を追い越せず、飛ぶ矢は飛ばず?顔のない著者は、再帰的イノセンスを獲得せんと奔走する大学一年生の姿を借りて、泥をかぶる勢いで水を差しにいったのかもしれない。謎解きに飽きたら一寸その場で踊ってみよう。初めは理由さえなかったと、自分自身を鎮めるために。

  • あ、こう来たかー。って思う結末です。純粋な推理小説が好きな人には、まさに投げつけたくなるような本ですね。

    パラレルワールド(=平行世界)の中に集まったミステリーの巨匠達。
    ある日、そのうちの一人が密室殺人の犠牲者となります。

    推理をしていく上で、こんなロジックがあるんだなぁと思いました。でも、どことなく矛盾を感じるのは、まだ深いところまで理解していないからなのでしょうか。

  • 矛盾や逆説なんて我々のこころの内側にびっちりこびりついている。それを理解できない者たちがヒステリーになるのだろう。生きるってそういうものじゃない?

  • 壁に叩きつけてやろうかと。

  • 前作ミステリアス学園よりよかった。作中で語られるパラパラ漫画。何気なく読み飛ばしてしまうが、最後に凶器が示されると、なるほどと納得させてしまう説得力があった。すべてが何かになる状況下でカーが死んでいるというミステリー好きにはたまらない設定だが、作者が作者だけに、求めるのはこういう結末。そういう意味では期待を裏切らない出来。

  • またまたやってくれました^^

    推理小説の鉄板を愛たっぷりにシニカルに描いた前作の世界観はそのままに、今回はミステリ界のお歴々がお目見えです。
    ポー、ルブラン、ドイル、クリスティ、クィーン、カー、そして最後には意外なあの人まで登場^^

    我が儘を言えば、もっとキャラが立ってても良かったな〜。ドイルがジャンキーで数打ちゃ当たるな推理披露するとか、クィーンがもっと理屈っぽいとか。
    あ、でも「降霊か?!」なところは良かったね^^ニヤニヤ

    前作はミステリを知らない人でもまあまあ楽しめる?かな?な要素たっぷりでしたが、今回はミステリスキー指向かな〜。

    次は何をやってくれるか楽しみです。日本作家編なんてどうですか!て思ったけど、それは既に竹本健治がやっちゃってるのですよね、うーん…。

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著者プロフィール

鯨統一郎
一九九八年、『邪馬台国はどこですか?』でデビュー。大胆な歴史解釈から、日本の常識を覆す独自の作品が話題を呼ぶ。以来、歴史だけではなく幅広い題材を用いて、次々と推理小説を発表している。著書に「喫茶〈ひとつぶの涙〉事件簿」シリーズ、「ハウスワーク代行・亜美の日記」シリーズ、「女子大生桜川東子の推理」シリーズ、「歴女美人探偵アルキメデス」シリーズ、『タイムメール』『女子大生つぐみと古事記の謎』『作家で十年いきのびる方法』など多数。

「2022年 『カルトからの大脱出』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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