クリスマス・キャロル (光文社古典新訳文庫)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751159

感想・レビュー・書評

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  • 初ディケンズ。もう少し早く読むんだった……。古典作品は面白くないものと思い勝ちだったが、かなり惹き付けられた。筆者の伝えたいことが解りやすい上に、説教じみてない。むしろ感動してしまった。他のディケンズ作品も読みたいなぁ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「他のディケンズ作品も読みたいなぁ。」
      岩波文庫の「ディケンズ短篇集」「デイヴィッド・コパフィールド1~5」がお薦め、それからもう一つチャー...
      「他のディケンズ作品も読みたいなぁ。」
      岩波文庫の「ディケンズ短篇集」「デイヴィッド・コパフィールド1~5」がお薦め、それからもう一つチャールズ・パリサー著「五輪の薔薇1~5」(ハヤカワ文庫)もディケンズっぽくて素晴しいです!
      2013/01/15
  • 狷介にして吝嗇家であるスクルージが、3人の精霊との出会いによって
    未来を帰る可能性のあるものとして捉えるに至る過程を描いた作品である。

    この作品は、キリスト教文化においてクリスマスという一日が持つ重要性―それは日本人がカップルで過ごすような恋人の日という捉え方ではなく、自分の身の回りの人全てに対する「愛」を確認し、表現するという日だという意味を持つと考えられるが―を改めて確認できる機会であった。
    この作品を読んだのは35℃をこえるような真夏であったが、心のなかに暖かな涼しさを感じた、そんな作品でした。自分の大切にしたいと思うものであれば、とことん大切にする、そんな気持ちで本を閉じました。

  • クリスマスが近いので読んでみた。
    巻末にも書いてあったけど、スクルージはただの守銭奴ではなく、すごく真面目で努力家。
    精霊たちの出会いで欠けていた親愛の気持ちがようやく生まれたのだと思う。
    クリスマスにぴったりの暖かい物語だ。

  • 洋書で一番好きな本は何かと聞かれたら、迷わずクリスマス・キャロルと言うくらい好きな話。
    偏屈で非情でケチな老商人スクルージがクリスマスの夜に、優しさを失う前の自分を追憶させる過去の精霊、貧しさの中でもクリスマスの喜びに包まれる人々を見せた現在の精霊、心を入れ替えなかった場合に訪れる絶望を見せた未来の精霊に出会い、心を入れ替えるという話。
    あらすじだけ書くとそういう話だけれど、何回読んでも心が暖かくなるからついに紙の本を買ってしまった。青空文庫でも訳者は違うけど読めるので、是非。

  • 短い作品なのでサラッと読めた。
    内容は意地の悪い老人が色々な人や物を見て改心するという童話みたいな話し。
    単純だけど普段生きてる中ではなかなか気づけないこと。
    自分は意地悪ではないか。

  • ディケンズの名作。ケチな主人公が3人の亡霊と共に過去を回想し、優しさを取り戻していく。

  • 『クリスマスの精霊に導かれし孤独な守銭奴』

    恥ずかしながら、初読みデス… クリスマスのことなど気にもとめない守銭奴スクルージが、クリスマスの精霊とともに、身近な人達のクリスマスの様子を体験し、本来の姿を取り戻していく。

  • 京都の古本屋でたまたま見かけて購入したはずです。学校に通っている時に何度か紐解いてはいたのですがなかなか読み通すのに時間がかかりました。本日ようやく読了です。

    ブラックユーモアが効いた洋物のコミックを読んでいるような感じでしたね。七面鳥にもプディングにも、イギリス特有の味付けを舌に感じるような、そういう文章でね。イギリス文学ってやはりこんな感じだよなぁ、という感がいたします。
    ……ってことは、まぁ、名訳ですね。
    ディケンズにチャレンジしようにも、殆どの邦訳が読めたものじゃなかったのです。ひょっとしたら、イギリス文学でルイス・キャロル以外だと、私が通読出来たイギリス文学はディケンズのこの本くらいかもしれません。

    ディケンズの人情にはどこか「クサい」ものを感じます。ラストのスクルージの回心というか豹変ぶりも、「そこまで?」という思いを禁じ得ません。
    ただ、それを越えて余りある程、人間に対する温かな眼差しをこの本には感じます。スクルージにも救いがあるということを、人生のあらゆる辛酸を乗り越えて呼びかけようとする、まさにマーリーのような思いを携えて、ディケンズは「クリスマス精神」を訴えたのだと思います。
    イギリス人がクリスマスにはディケンズを愛読するのも、分かる気がしますよ。

  • 「人はみな、隣人、同胞と進んで深くかかわって、心を通わせなくてはいけない。そのためには、遠路をいとわずどこへでも出かけるようでなくてはだめだ。」

    こんなに感情が溢れ、匂いがする物語だったとは。前回読んだ岩波文庫の訳は、感情移入できず、短いお話ながら何度も挫折しかけた。それに比べるとさすが新訳だけあって、人々の交わす表情が伝わってくる。単純明快な話だけど、クリスマスはキリスト教のお祭りであることを再認識させられる。日本にいると「誰と過ごすか」「何をあげるか」しか話題にならないけれど、貧しい人に寄付をし、キリストの誕生を家族みんなでお祝いしようという温かい心が根底にあることを改めて思いだすきっかけとなった。毎年この訳で読み返したい名作。

  • 成長物語が好きなので、スクルージの変化の様子を楽しんで読めた。
    最後の言葉が身にしみた。

著者プロフィール

1800年代を代表するイギリスの小説家。おもに下層階級を主人公とし、弱者の視点で社会を諷刺した作品を発表した。新聞記者を務めながら小説を発表し、英国の国民作家とも評されている。『オリバー・ツイスト』『クリスマス・キャロル』『デイヴィッド・コパフィールド』『二都物語』『大いなる遺産』などは、現在でも度々映画化されており、児童書の発行部数でも、複数の作品が世界的なランキングで上位にランクされている。

「2020年 『クリスマス・キャロル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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