- Amazon.co.jp ・本 (700ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334751326
感想・レビュー・書評
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感想はまとめて最終巻(5巻)に書きます。
※今の時点で最終巻読了し、感想も書き終わったので、5巻の感想もすぐアップします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
エピローグも含め本編読了。感無量です。3ヶ月ほどかかりましたが、後半は噂通り怒涛の展開に一気読みでした。
しかしこんな長い小説なのにひとつの事件を挟んでほんの数日の話なんですよね。
狂おしいほどの一族の愛憎の物語が終わり、しばし呆然としております。
カラマーゾフ家を巡る事件の顛末には、アリョーシャとイワンが語る、神は存在するのか?という命題が通奏低音のように共鳴していてる。ミーチャを通して「罪のない1人を罰するよりも罪ある十人を許す方が素晴らしい」というメッセージが浮かび上がってくる。
新訳だからかユーモアもあって思いの他読みやすかったですね。挫折する感じはなかった。
ロシアという国を批判的に描いてもいて、神と信仰を問う宗教書のようでもあり、恋愛小説でもあり、推理小説でもある。
何より人間の根源的な欲望や魂の救済を全身全霊で描き切ったエネルギーに圧倒されました。 -
読書日記は5巻にて。
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コーリャが愛しくて愛しくて!
からの圧巻の裁判。
嵐のような一冊で、夢中で一気読み。
次巻がもうエピローグだけだなんて信じたくない…! -
長編だけど読みやすい。初読には最適。
ミステリーとしても面白いけど、要素が多過ぎて消化できた気がしない。また読み返さないと。
裁判シーンはドラマチックで圧巻だった。これは小説だからなのか? -
第4巻は、かなり文学的な、じっくり読める内容。それにしても、よくずっーと高揚した物語が続くものだ。だが、アリューシャの影が薄い。12歳?のコーリャだってほとんど大人と変わらないぐらい心を顕にしてるのに。後半のイワンも凄い。でも、賢く理性的だったはずのイワンもミーチャと凄く似てきた。カラマゾフ家ののろわれているのか。
すべてが繊細すぎ、すぐ傷つく。そして、この物語の背景に神キリストが居る。この世界を支配している。それが我々には分からない理由の大半を占めるのかもしれない。 -
二巻同様、次男イワンに翻弄されます。
主となるのは長男ミーチャの振る舞いに対する真偽。
これまでの登場人物が一堂に会し意見をぶつけるさまは予想できるところもあり、そうなの!?と読む手が止まる時もしばしば。
裁判シーンは形式上過去が整理されるのでスポーツのようにわかりやすくなります。
とはいえ、それでも頭を悩ませるのがこの本の特徴です。
カテリーナはなぜその振る舞いを?
スメルジャコフって、脇役だと思っていたのに!
イッポリート、後からの登場にしてはよくしゃべる、、、などなど。
現場にいるミーチャの気分と重なっていると思うほど混乱します。
極めつきはイワンです。
初めての読書の中で、彼の発言が最も興味深く、わかりません。
誰よりも自分の思考を自覚しているからてしょうか?
『あれ』の存在で、さらに理解が難しくなりました。
最終五巻では彼らの真相に近づけるのか、がんばってみます。 -
4巻読了。
・ミーチャの裁判の結果がでたとこまで。
さいごタイトル、お百姓たちがいじを通しましたって、どういうことだろう?
・怒涛の展開。人々は、博学で弁が立つなぁとだれもかれも。
・人情とか、1人の人のなかには多面性があるとか綺麗事でなくいきいきと描かれてた。
・貴族の父殺しは重罪で、道に倒れてて凍えてる虱だらけの農奴とか下男のグリゴーリとかを杵で殴ったりしてもたいして罪に問われないとか、きっちりした身分制度、人々の意識があるなぁと思った。今では人権とかあるけどこの時代のロシア社会が垣間見れるよな。グルーシェニカの召使とか。
・ロシアの身分制度の説明、階級と官位の説明が、巻末の読書ガイドにあった。ロシア帝国に住む全ての住民が、いずれかの階級に属してたそうだ。
・うわー裁判の結果!?
二転三転。
・父殺しを心の底ではみながのぞんでる?
・13のコーリャの鉄道事件にははらはらした。しかし、ベレズフォンが、イリューシャが針を飲ませてしまったと悔やんでたあの犬だったとは!
・イワンは狂ってたのか。スメルジャコフもそうなのか。
読めば読むほど、だれが事実をはなしているかがてんでわからなくなってきた。
イワンと話してた。悪魔、分身、は果たしてスメルジャコフだったのか。スメルジャコフが3千ルーブルほしさに、ほんとにやったのか。みんな妄想なのか。
わけがわからんくなるが、現実ってそういうもんかも。わたしの見ている世界っていったい・・・
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19世紀にこの小説が完成しているというのがすごいと思った。同じ人物が作り上げたと思えないほど多彩なキャラクターが様々な哲学を持っており、作者自身が事件の目撃者として登場しているのも面白いし、物語がリアルに感じられる。 社会制度、基本的人権、宗教、科学、司法制度、家族愛、教育、心理描写など、テーマも多岐に渡っている。 状況証拠だけで有罪を問うこと自体、未熟な司法制度と言わざるを得ないが、現代の日本でも起きてることは由々しき事実。 物質と物質を媒介するエーテルの存在が引き合いに出されるなど、アリストテレスの古典的な化学が信じられている時代というのも面白い背景。ロシアの葛藤を伝える点においても作品の魅力の1つとなっている