カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (700ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751326

感想・レビュー・書評

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  • エピローグも含め本編読了。感無量です。3ヶ月ほどかかりましたが、後半は噂通り怒涛の展開に一気読みでした。
    しかしこんな長い小説なのにひとつの事件を挟んでほんの数日の話なんですよね。
    狂おしいほどの一族の愛憎の物語が終わり、しばし呆然としております。

    カラマーゾフ家を巡る事件の顛末には、アリョーシャとイワンが語る、神は存在するのか?という命題が通奏低音のように共鳴していてる。ミーチャを通して「罪のない1人を罰するよりも罪ある十人を許す方が素晴らしい」というメッセージが浮かび上がってくる。

    新訳だからかユーモアもあって思いの他読みやすかったですね。挫折する感じはなかった。
    ロシアという国を批判的に描いてもいて、神と信仰を問う宗教書のようでもあり、恋愛小説でもあり、推理小説でもある。
    何より人間の根源的な欲望や魂の救済を全身全霊で描き切ったエネルギーに圧倒されました。

  • 読書日記は5巻にて。

  • コーリャが愛しくて愛しくて!
    からの圧巻の裁判。
    嵐のような一冊で、夢中で一気読み。
    次巻がもうエピローグだけだなんて信じたくない…!

  • 長編だけど読みやすい。初読には最適。
    ミステリーとしても面白いけど、要素が多過ぎて消化できた気がしない。また読み返さないと。
    裁判シーンはドラマチックで圧巻だった。これは小説だからなのか?

  • 19世紀にこの小説が完成しているというのがすごいと思った。同じ人物が作り上げたと思えないほど多彩なキャラクターが様々な哲学を持っており、作者自身が事件の目撃者として登場しているのも面白いし、物語がリアルに感じられる。 社会制度、基本的人権、宗教、科学、司法制度、家族愛、教育、心理描写など、テーマも多岐に渡っている。 状況証拠だけで有罪を問うこと自体、未熟な司法制度と言わざるを得ないが、現代の日本でも起きてることは由々しき事実。 物質と物質を媒介するエーテルの存在が引き合いに出されるなど、アリストテレスの古典的な化学が信じられている時代というのも面白い背景。ロシアの葛藤を伝える点においても作品の魅力の1つとなっている

  • ミステリーの行方にドキドキしてるってのに、最初はコーリャとかいう自称社会主義者の14歳の少年とアリョーシャとのなんだかこれいる?っていうエピソードから始まります。が、これがとても良いのです。アリョーシャの修道院を出ても変わらぬ態度を堪能出来ましたから。

    そしてイワンとスメちゃんのやりとり。これこそ真実でしょ?でも、イワンも悲しいかなもう1人の自分という悪魔に苦しめられてる…

    そういうのぜーんぶ持って第12編の『誤審』へ。ここはまるでオリエント急行の殺人の後半のように事件の真相が暴かれていくかとおもいきや、ミーチャの態度がおもろすぎて…自滅しかねませんよ!
    さらに検事と敏腕弁護士との腕の見せどころみたいにもなっていて、思わずうなってしてしまいます。
    そして判決をくだすのはなんと、「お百姓たち」。。
    お、おまいらに何がわかるんだい!!

    …ここまでが4巻でした。
    カラマーゾフの兄弟は未完の小説と言われていますし、5巻はエピローグということですが、いったいどこまで書かれているんだろうとドキドキしています。

  • 少年コーリャ登場、イリューシャとの顛末。明かされるイワンとスメルジャコフの秘密。そしてついに裁判が始まる。

    700ページある第4部は、さらに会話文の冗長さがマシマシになっていてうんざりしてしまいそうになりつつも、二転三転する怒涛の展開に目が離せないまま一気に読了。

    第10編ではコーリャという少年の魅力と、アリョーシャと少年たちの交流に、悲しくも心洗われる。第11編ではイワンとスメルジャコフに焦点があたり、ここから裁判に向けて物語が大きく動いていく。続く第12編では、ミーチャの運命はどうなる?という思いのもとに裁判を見守ることに。証人たちの答弁に一喜一憂させられるのはミステリー小説的な感覚が強い。検事による論告と弁護人の弁論という対決も見どころのひとつ。

    筋書きを追うだけでも面白いが、単純に悪人・善人とは言い切れない、個性的な人物たちの魅力とその背景には惹かれる。特にカラマーゾフの兄弟たちはやはり半端ではなかった。様々な苦悩や葛藤が重層的に描かれていて、一読しただけでは消化しきれない深みがあると思った。5巻のエピローグが気になりすぎる。

  • 凄まじいカタルシス。物理的にはいちばん分厚いけれど、体感時間はいちばん短いと思う。散りばめられた細かいサイドストーリーが思わぬところでつながり、異様な説得力を伴って胸に迫る。この物語に賑やかしのモブなんていないことがよくわかる。

  • ゾシマ長老とフョードルという、二人の「父」を同時に失ったアレクセイ。また、「運命と闘い、自分を救う」ために奔走するドミートリーは、ついに念願のグルーシェニカの愛を手にしたものの、「父殺し」の容疑で逮捕され、早くも別りの運命にさらされようとしていた。そして、カラマーゾフ家との紐帯ばかりか、カテリーナとの愛も断ち切ろうと決意してモスクワに発ったイワンと、同じ日の午後にとつじょ癇癪の「発作」を起こし、今は離れで眠るスメルジャコフとの関係は、いよいよ謎を深めるばかりだった。

著者プロフィール

(Fyodor Mikhaylovich Dostoevskiy)1821年モスクワ生まれ。19世紀ロシアを代表する作家。主な長篇に『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『悪霊』『未成年』があり、『白痴』とともに5大小説とされる。ほかに『地下室の手記』『死の家の記録』など。

「2010年 『白痴 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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