- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334751357
作品紹介・あらすじ
傷が癒え、再び前線へと戻るフレデリック。しかし戦況は厳しく、イタリア軍は敗走を余儀なくされる。フレデリックは戦線を離脱し、命がけでキャサリンのもとへ帰り着く。結婚を誓い、スイスへ脱出する二人。だが、戦場の中で燃え上がった愛の結末は、あまりにも悲劇的なものだった。
感想・レビュー・書評
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あまりに衝撃的な結末だった。幸せだったフレデリックとキャサリンだが最後には赤ん坊は死産、キャサリンも死んでしまうとは悲劇的で人生の悲哀を感じさせる。喜びと悲しみのギャップが大きく映画のワンシーンの様だ。最後の一文、雨が降っていた、というところにぞくっとするほどのインパクトがあった。ヘミングウェイの小説は一文が短く映像が浮かんでくるもので、”武器よさらば”がbestだと感じた。
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悲惨な敗走、混乱による同士討ち、脱走。
恋人との再会、ひとときの享楽が後ろめたさ、空虚な感情を際立たせる。
突然の喪失。
人は必ず死ぬ。あっけなく。
足元がぐらつく。 -
本筋とは関係ないのだけど、
主人公のセリフ、
「子供の頃から、あんなしっぽが欲しかったんだ。人間にもキツネみたいなしっぽがあったら楽しいと思わないか」っていうのにびっくり!
私はいつもそう思ってるから!!(^-^)
眩しい時はアイマスクとして、
寒い時は襟巻として、
塀の上を歩く時はバランスをとるために、
など、
用途は沢山あるぞ!(*^。^*) -
戦場に戻り、戦況に劣勢から敗走の途上で軍から離脱する。輸送していたトラックを捨ざるを得ないやむなきの事情があったのだが、言い訳するより逃亡罪のリスクを選んだのは、キャサリンの存在と元々好んで兵士という職業を選んだのでは無かったから。エンディングは淡々としつつ切ない。2021.2.25
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(Mixiより, 2010年)
うーん。この物語は、特にストーリーに際だった魅力を持っていないと思う。主人公の性格に感情移入しながら考えていると、どんなに危機的な状況であっても絶対に打開され(もしくはスルーされ?)ることが、読んでいるうちにわかってくる。たとえばどんなに戦地が激しい戦闘状態で、仲間が殺され、次いで主人公がとらわれ絶対絶命、という場面でも、落ち着いた情景描写が続くことによって、絶対に死なないという確信を読者は得てしまう。主人公の目を通してみる、戦地のフィルムのような作品。随所に光る、恋愛の哲学ともいえる詩的な表現は心に残るものがいくつかありました。上巻と同様にいくつか引用すると、(キャサリン)「・・・魅力的になるから、あなたはわたしにもう一度恋をするわよ。」(ヘンリー)「(中略)いったい、なにが望みなんだ?破滅させたいのか?」(キャサリン)「正解。あなたを破滅させたいの。」(独白)「男はよく、ひとりになりたがるし、女もひとりになりたがるし、愛し合っていると、おたがいの、ひとりになりたいという気持ちに嫉妬する」