ドストエフスキ-と父親殺し/不気味なもの (光文社古典新訳文庫 Bフ 1-3)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334752248

作品紹介・あらすじ

『カラマーゾフの兄弟』の父親殺しをテーマに、ドストエフスキーの性格と作品を分析した論文と、ホフマンの「砂地」の分析を中心に考察をすすめる「不気味なもの」。みずからの理論を発展させ、鋭い精神分析的考察で文学を読み解き、以降の文学論に大きな影響を与えた重要論文6編。

感想・レビュー・書評

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  • 小箱選びのモチーフと不気味なものがよかった

  • 書き物のために急速に読んで急速に終わらせた感。
    三大親殺し文学とか発想が面白すぎるだろフロイトさん。

  • フロイトが精神分析的な観点から文学を読み解く論文集。「不気味なもの」が読みたくて購入。
    一見意味のわからない作品でも、色んな知識があれば深く考察できていいなぁと思った(小並感)

  • 古典なれど最新。
    フロイトの理論は、フロイトの物語として読んでいく視点も必要なのだろうと思われた。しかしそれでいて学ぶことは多い。
    3人の女性のイメージは非常に興味深い。

  • フロイトによる文学分析の論文集。「小箱選びのモチーフ」は、三人娘でなぜ末娘が選ばれるのかの謎を解く。「幼年期と市と真実」では、ゲーテが幼い頃の思い出を分析。そして、「ドストエフスキーと父親殺し」では、ドストエフスキーの性格分析と父親との関係を描く。いずれも興味深い内容だった。

  • ポリュクラテス王は少し調べよう。黄瀬くんでいろいろやるのに使えるかも…

    実のところ頭にあんまり入らなかった。いままで文献に当たらずにきていた「父殺し」の原典に当たれてよかったなー、ぐらい。

  • いろいろな文学作品を精神分析的に解釈。それぞれの作品の説明もある程度されているけど、読んでないとわかりにくいかも。
    『詩と真実』が気になったのと、「不気味なもの」のタイトルは聞いたことがあったものの未読だったので読んでみた。heimlichとunheimlich、反意語なのに意味のかぶるところがあるってのがちょっと興味深かった。

  • <概要>
    精神分析の祖フロイトの著書。
    「不気味なもの」「ドストエフスキーと父親殺し」ほか、小論文数本を収めたもの。
    神話とシェイクスピアに代表される小説に登場する人物の行動および出来事の分析を行い、人間の精神の動きに関する知見を得ようと試みる。

    <所感>
    以下の三つの点から、個人的にはフロイトの著書および考え方にはなじめない。フロイト自身より私が他の著書を読んだのが大分前だったのが問題なのかもしれないが…

    ①精神的疾病・異常行動の源泉を無暗矢鱈と幼児期の性的なコンプレックスに求める点。

    ②いくら名著といえども、小説の登場人物・出来事を精神分析のためのたたき台として利用することの是非についての議論がなされていない点。

    ③方法論?に関する異議。自身の診断に基づく経験主義的な知見を前提として議論を進めており(例:目を失うことに対する恐怖は去勢されることへの恐怖の表れである)、その知見が直感的でなく納得しづらいものであっても、診断時のデータ等が示されていないため読者に反証可能性が残されていない点。また対抗仮説の検討も不十分であるように思われるので「その可能性はあるよね~」くらいのふんわりした議論が積み重なっているようにしか思えなくて読んでいて辛い(この原因はフロイトが医者であるのに対して私の学問的バックボーンが社会科学にあることである可能性もある)。まあこの短さなら仕方ないのかもしれないけどさ~。

  • フロイトの精神分析を応用した批評は数多くありますが、その本人が書いたもの。フロイトの理論を知る助けにも、批評への応用の参考にもなります。これがまた内容も面白く読みやすい。

  • 普段、物語を読んでいて楽しいとか恐いとか様々な感情を私たちは抱く。しかし、作家がその根底で何を意図して創作したかまで推測することは難儀である。可能だとして主観が入ることは否めないだろう。

    しかし、それがたとえ主観であろうが、フロイトが掲げる「精神分析」が、身近な文学作品にあてられたことは私たちがそれを解釈する一助となる。あくまでひとつの見方としてだが、貴重な見解であることは間違いない。

    文学もフロイトにかかるとここまで面白い分析になるんだなあ。

    返却期限ぎりぎりでじっくり堪能できなかったから再度読みたい。
    (20110529)

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著者プロフィール

1856年生まれ、オーストリアの心理学者、精神科医。神経病理学者を経て精神科医となり、神経症研究、自由連想法、無意識研究を行った。精神分析学の創始者として知られる。心理性的発達理論、リビドー論、幼児性欲を提唱し、人間の心の『無意識』という世界を発見したことによって、マルクス、ダーウィンとならんで20世紀の思想に大きな影響を与えた人物の一人ともされる。1939年没。主な著書は『ヒステリー研究』『夢判断』『日常の精神病理学』『精神分析入門』『自我とエス』『性欲論三論』など。

「2024年 『フロイト著作集第7巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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