いちばん悲しい (光文社文庫 ま 26-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334779184

感想・レビュー・書評

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  • 殺人事件に関わる女性たちの悲哀。
    書き下ろし。

    プロローグ
    第一章 残された女
    第二章 姿なき悪意
    第三章 忘れたい出来事
    第四章 かわいそうな母親
    第五章 いちばん悲しい
    エピローグ

    妄想癖が激しい佐藤真由奈の不倫相手・戸沼暁男が殺される。暁男の妻・杏子は真由奈の思い込みによる行動で残された母子の生活がめちゃくちゃに。

    捜査する所轄刑事の我城薫子と本部の梶原は、戸沼家族が参加していたキャンプで、女の子が事故で亡くなっていたことを知り、遺族の渡瀬川邦一、瑠璃夫妻に接触する。

    瑠璃の生い立ちが明らかになるにつれ、疑惑の目を向けていく捜査陣。

    それぞれが「自分が正しい、可哀想」と被害者感情が高まるにつれ、事件を迷宮に誘い込む。


    ミステリーでもあり、被害者感情が豹変していく様が恐ろしくもあり、面白かったです。

  • 自分が「いちばん悲しい」と思う女性達が入り乱れ、殺人事件の真相に辿り着いて行くミステリーになっています。

    登場人物達がとにかく濃い。
    妄想ちゃんと呼ばれる愛人、佐藤真由奈。
    夫を殺されていても悲しむ事無く男に走る土沼杏子。

    キャンプでの不幸な事故の裏に隠れている女性達の怖さに慄く。

    そして、殺人事件の捜査を担当する刑事の梶原と薫子。
    誰一人として共感出来ぬまま読了しましたが、人間の持つ「毒」の恐ろしさに辟易しながら一気読みでした。

    何とも言えない読後感となりましたが、終始引き込まれるイヤミスで次作も楽しみな作家さんです。

  • 読み終わってみるとこのタイトルはピッタリだなと思う。
    まさにみんなが"いちばん悲しい"話。
    人間ってそういうものだよね。

  • プロローグですでにわくわく。人の不幸は蜜の味というのは本当だなと思うと同時に、こんなにわくわくしている自分が嫌になる(笑)。タイトルとジャケットも秀逸。

    雨の夜の刺殺体。被害者は男性で、どう見ても怨恨。うだつの上がらないサラリーマンなのに浮気していたことが判明。しかも不倫相手は彼が離婚調停中だと信じていたうえに偽名を使われていた。妻は冴えない夫に浮気する甲斐性があるとは夢にも思わず。

    どろどろです。妻と愛人ほか誰にも共感できません。好きになれそうな登場人物といえば女性刑事ぐらい。コンビを組むのは暴言だらけの男性刑事ですが、シリーズ化でもされたらこのコンビは意外に良くなるかもと思えます。

    女性刑事の言うとおり、犯人にたどり着くまでどこを向いても「女」に当たる。女の嫌な部分をありったけ見せつけられます。「私がいちばん可哀想」と言いたがる人に限ってそうではない。


  • 思ったよりぞくっと来なかった
    落ちの感じもうーんって感じだった
    でも途中まで面白かった

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著者プロフィール

1965年東京都生まれ。北海道札幌市育ち。1994年『パーティしようよ』が第28回北海道新聞文学賞佳作に選ばれる。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞。
著書に『熊金家のひとり娘』『完璧な母親』『大人になれない』『いちばん悲しい』『ある女の証明』『祝福の子供』『あの日、君は何をした』『彼女が最後に見たものは』などがあり、近刊に『レッドクローバー』がある。

「2022年 『屑の結晶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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