素敵な日本人 (光文社文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334790028

感想・レビュー・書評

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  • 9話からなる短編集。
    難しく考えず疑わず、あっさり読み進められる東野圭吾も一長一短ありと言う読了感だった。

    個人的には【水晶の数珠】と言う作品が良かった。
    "親子もの"が心に沁みやすくなってきた今日この頃。

  • 東野圭吾さんの9編からなる短編集。
    心温まるお話から本格ミステリー、高度なSFまで様々な作品を楽しめる作品だと思った。
    それぞれの感想を載せていきます。
    《正月の決意》
    個々に出てくる人間達が、あまりにもふてぶてしくて少し引いてしまったが、その結果メインの夫婦の自殺を止める事になるというラストがとても面白かった。人生はもっとふてぶてしく、金言だなぁ。

    《十年目のバレンタインデー》
    一組の男女のバレンタインデーでの食事会がメイン。
    男の罪が暴かれ行くところがとても面白かった。最初は女性を疑っていたため正体がわかってとても満足でした。

    《今夜は一人で雛祭り》
    父親が嫁入り前の娘を大丈夫なのかという不安を描いたお話。一見関係なさそうに見える結婚前夜の話と雛祭りのエピソードが絡んでおり、真相知った際には彼女がなぜ不安にならなかったのかの理由も明らかとなる、この母親にしてこの娘、とても強かなんだろうなと思いました。

    《君の瞳に乾杯》
    ある男女の出会いを描いたエピソード。
    出会いからその結末までの話だが、2人の関係性が現代的でいいなぁと思いました。結末は《十年目のバレンタインデー》と似たようなものだが最後の男の言葉が切なく、もしかしたら彼女に対して本当に淡い気持ちを抱いていたのかなぁと思いました。

    《レンタルベビー》
    ここでまさかのSF展開。
    ロボット赤ちゃんを育てるカップルの物語だが、発熱や謎の失踪事件まで起きて不穏な展開まで起こっていく。その謎はなんとなく想像はついていたが、その後の2つのどんでん返しにびっくりしてしまった。挑戦って大事だなぁ。

    《壊れた時計》
    ミステリーである事を逆利用した回。
    壊れていることが逆に怪しいからと、直しに行ったらそれが裏目に出てしまったという話。Aの忠告を聞いていれば犯行は隠せたのかもしれないけど、突発的な犯行だったから結局捕まっていたのかなぁと思いました。

    《サファイアの奇跡》
    女の子ととある猫の出会いを描いた物語。
    猫が事故死してしまった所がとても悲しい気分になったが、脳移植によって別の猫の中にイナリが生きていることがとても嬉しくなった。

    《クリスマスミステリ》
    怖っ!!
    あのとき自分が殺したはずの人が生きており、その後で本当にその人が亡くなってしまった。しかも自分が殺そうとしたときの状況と同じという所が、彼女の本気度を表わしていてとても怖いと思いました。

    《水晶の数珠》
    最後に感動ストーリー。
    夢を追い続ける男とそれを反対する父親との物語。タイムスリップというSF感のある話を親子の不器用な関係を軸に展開されるストーリーに混ぜて感動させるところが素晴らしかった。不器用ながらも父親は彼のことを応援していたんだなぁ。

    これだけ幅広い話を書ける東野圭吾さんこそが「素敵な日本人」なのかなと思いました。素晴らしいお話をありがとうございました。

  • 面白かった!
    読みやすい短編集。
    サラサラっと読めるのにどれも内容がしっかりしてて満足。

    個人的に好きな話

    レンタルベビー
    近未来的な感覚も相まって面白い

    水晶の数珠
    最後にとっておきのいい話だった

  • (正月の決意)
    (君の瞳に乾杯)
    が特に面白かった。

  • 短編集といえども東野圭吾らしさは変わらない。短い話の中で同じように感動や驚きを得られるのだから、手軽さとお得感があります。

  • 9話の短編集。
    ゴリゴリのミステリーじゃなくて、
    さらりとしたストーリーが読みたくなりまして。

    そのなかのひとつ『レンタルベビー』
    本物そっくりの赤ちゃんロボット。
    ちゃんとうんちするし。
    うんち飛び散るのは困るな···
    最後のオチも斜め上を行く奇抜さよ。

    それぞれのお話、
    テンポよく読めて楽しめました(⁠^⁠^⁠)

  • 面白かった
    9編からなる短編集。
    単なる謎解きではなく、人情もの、SFっチックなもの、親子愛などなど、

    ■正月の決意
    警察のくずっぷりがコメディで終わるかと思いきや、最後で明らかになる明日への希望。
    良かった

    ■十年目のバレンタインデー
    10年前につきあっていた女性からバレンタインデーでの食事の誘い。
    そこで明らかになる男の過去、女の正体
    これまたよかった

    ■今夜は一人で雛祭り
    娘を送り出す父親。自分の妻同様、厳しそうな姑との関係に苦労するのでは?と思い悩みますが、ひな人形から明らかになる妻の想い
    これはいまいち

    ■君の瞳に乾杯
    合コンで知り合った女。アニメの話題で意気投合し、付き合い始めますが、コンタクトを外した女は実はという展開。そして明らかになる男の正体
    これも面白い展開です

    ■レンタルベビー
    SFチックな物語。最後のオチだけかな。
    いまいち

    ■壊れた時計
    犯人の気持ちが現れちゃったのね。
    犯行時刻がわからないよう、被害者の腕時計を修理した犯人。しかし..
    設定が面白かったです

    ■サファイアの奇跡
    青い猫を繁殖させようとしたブリーダの物語
    猫と女性の関係が暖かい

    ■クリスマスミステリ
    クリスマスに起きた殺人事件
    脚本家の女を毒殺しようとした男
    しかし、脚本家の女が一枚上手

    ■水晶の数珠
    父親と反目しあい、海外で俳優を目指す男
    父親が死後残したモノとは?
    そしてそのモノに対する父親の想いを知ることに
    これは、9作の中で一番良かった!

    ということで、単なる謎解きではない短編集ということで楽しめました。
    ちょっとした隙間時間にお勧め

  • 9編ともさすがにお上手だなぁと思います
    文庫本で買って どこからでも気軽に読めて
    損させない って感じ
    私が一番スカッとしたのは
    「君の瞳に乾杯」
    好きになった女性が指名手配犯だったことを
    見抜いた決め手が よかったですよ

  • 「正月の決意」、「十年目のバレンタインデー」、「今夜は一人で雛祭り」、「君の瞳に乾杯」、「レンタルベビー」、「壊れた時計」、「サファイアの奇跡」、「クリスマスミステリ」、「水晶の数珠」の9篇収録。

    バラエティーに富んだ作品たち。「水晶の数珠」は、父親の深い愛が感じられていい作品だった。ミステリーとしては、「十年目のバレンタインデー」と「壊れた時計」がオススメ、SFチックな「レンタルベビー」も捨てがたいな。

  • なんか読んだことあるなーと思いながら全部読んだらやっぱり読んでた、単行本で苦笑。何回読んでも面白いから困るね。好きなのはお雛様のエピソードのやつ。あと、指名手配人の顔を記憶する仕事のやつも好きだし、十年ぶりにバレンタインで元恋人と再会するのも好き、時計を直しちゃうやつも、毛の青い猫も、一度だけ過去に戻れる優しい父親との物語も好き!
    あ、全部じゃん。面白かったー。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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