能面検事の奮迅

著者 : 中山七里

• 光文社 (2021年7月27日発売)

感想・レビュー・書評

[tweelingen16さんの感想 · 2024年4月15日]

能面検事シリーズ第2弾
空気も読まないし忖度もしない、自分の流儀をひたすらに貫く姿は相変わらず
前作時からそう時は経っていないようで、拳銃で撃たれた傷も完治していないようだか、仕事に邁進している
今回は通常業務に加えて大阪地検特捜部での公文書改竄事件の調査チームに加わることに
調査チームには昔1年だけ一緒に働いた東京地検の次席検事である岬も派遣されてきた
「東の岬、西の榊」あるいは「鬼の岬、仏の榊」と称され、司法関係者には知れ渡っている人物だが、この岬さんが良い味を出している、有能なのはもちろん、不破の流儀を不器用さと理解し、なんだかんだ温かく見守っている
改竄事件は男の青春と友情、護ると決めた約束、そこから思わぬ展開を見せるが、不破検事は原理原則を貫き罪を明白にしていく

[まるぅさんの感想 · 2024年3月4日]

青くさい

[ねこさんの感想 · 2024年2月12日]

大阪での国有地不正売買と文書改ざん。リアルのあの問題が頭に浮かぶ。
能面検事不破が淡々と事件に挑むのだけど、今回は人間らしさも垣間見えた。
事務官惣領は、登場シーンが少なかった気がする。
二人の間には信頼関係が徐々に芽生えているようで、次作も楽しみ。

[solcomさんの感想 · 2024年2月2日]

能面検事　第二弾
今回の案件は、ある学園への国有地売買に絡む贈収賄と大阪地検特捜部の証拠書類改ざん事件。　
なぜ大阪地検のエース級検事は改ざんという罪を犯したのか？　
過去のエピソードがベタだけど泣けました。

[歌菜さんの感想 · 2024年1月12日]

「あっこれあの話だな…」と元になったであろうニュースを思い出しながら読んだ。時事を下敷きにしてまったく違う方向のミステリーに仕上げていて凄い。不破検事、岬検事の立ち居振る舞いがとにかく格好良かった。職責に誠実に仕事を全うする姿は社会人として見習いたい

[きりゅさんの感想 · 2023年12月31日]

不破検事が格好良い！アンドロイドのような人間味のない有能な男からほんのり香る人間らしさってもうそれだけで素晴らしい。能面検事と言われるほど己の職務に愚直な男、の事務官である美晴目線で見る政治とカネの事件から始まるどんでん返し！面白かったです

[ehaehaさんの感想 · 2023年12月16日]

そういう繋がりかー。
理由も分かる気がするなぁ。これも面白かった。

[ハルめめさんの感想 · 2023年11月30日]

能面検事第2弾。国有地払い下げ問題、地検の文書改ざん問題など時事ネタをベースにした作品。政治的問題で行くのかと思ったら殺人事件という方向へ展開していく。原理原則を貫く不破検事の人としての情を感じる終わり方。

[ktaropiacereさんの感想 · 2023年11月9日]

完全に能面検事にはまってしまい、あっという間に読了。こんな人が上司だったらかっこいいだろうな、と物語は事件性が高いのにどこかときめいてしまうほど。
仕事以外の一面は明かされておらず、次で出てくるのか楽しみ。（おそらく出てこないと思うが）
久しぶりに心から好きな本に出会えた。

[ねねさんの感想 · 2023年10月9日]

小学校建設による国有地売買の不正、そして大阪府検内での文書改竄問題。
ダブルの問題に挑むは、何を考えているかわからない能面検事の不破だ。
決して揺らぐことのない忖度のない態度によって検察内で孤立しているものの、その姿勢によって仕事はできる男。
そんな彼が捉えた事件の真相とは。

どこかで聞いたような話が続々と…。
もはや皮肉な主題にも思えてくるし、真垣総理が政権を運営しているという設定に、『総理にされた男』を読んだ後となってはなんだかわくわくしてしまう。

なぜ国有地売買でその土地が選ばれたのか。
なぜ財務官僚と証拠品隠蔽を図った検事はダンマリを決め込むのか。
次々明らかになる予想だにしない事実に、少しずつ全容が見えていく感覚が楽しい。

堅苦しさや重さが付きまとうので、
すらすら読めるものの、少しハード。
検察の知識がもう少し備わったら楽に読めるだろうか…・？

著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい！」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲（ルビ：ソナタ）』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲（ソナタ）』『追憶の夜想曲（ノクターン）』『恩讐の鎮魂曲（レクイエム）』『悪徳の輪舞曲（ロンド）』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司～贖罪の奏鳴曲～（ソナタ）」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」