翼の翼

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334914288

感想・レビュー・書評

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  • 中学受験のお話。

    翼の母は地方出身で、自分は中学受験のことなど何も知らなかった。
    ある日何気なく受けた試験をきっかけに、自分の息子には才能があるのではないか?中学受験出来るのではないか?と思ってしまい、知らず知らずのうちに息子を中学受験に焚き付けてしまう。。。


    田舎者の私には、もう最初からちょっと受け入れ辛い世界だなぁと言う感じ。。。

    うちは二人の子供、どちらも出来が良かったわけではないから、最初から何の期待もしなかった(^_^;)
    息子なんて、この辺りでは最低の高校だったのかも(^^;;

    でも仕事し始めてからは全然変わって、仕事人間になっている(笑)

    娘も凄い学校は出ていないが、資格を取ってしっかり働いてお給料をもらっている。

     
    都会は田舎とは違うのかな。。。

    私の娘も息子も、小学校の頃なんて、思い切り遊んでいた。
    私達親が連れていくところも、いつも大きな公園だった。
    一緒になって沢山遊んだ。

    今もいい思い出になっていて、私達親と、娘、息子との関係も非常に良く、娘、息子ともに稼ぎに全くの不満もない。


    あ、いけない。本の感想じゃなくて、自分のモヤモヤをぶちまけちまった。。。

    本は凄い熱量だったし、面白くないなんてことは全くない。
    凄い引き込まれた小説だった。
    一気に読めるような、凄い勢いのある小説。


    だけど、田舎者の私には、こういう世界がちょっと、、、、

    子供はさ、沢山遊ばせてあげてほしいなって思った。
    次は何して遊ぶ?
    それを考えるのが大事なんじゃないのかな??って。

    がんじがらめの受験生、、、
    何か切なくなってしまった。。。
    私は田舎者で本当に良かったと思ってしまったよ。。。(^^;;

    • yyさん
      bmakiさん

      こんにちは。
      bakmiさんの子育て論、大賛成!
      うちは、そこそこ都会での子育てだったけど
      とにかく外でたくさん...
      bmakiさん

      こんにちは。
      bakmiさんの子育て論、大賛成!
      うちは、そこそこ都会での子育てだったけど
      とにかく外でたくさん遊ばせましたよ~♪

      この前テレビで こんなこと言ってました。
      次に何をするか、自分で考えさせることが大切だって。

      そういう一人ひとりが
      これからの社会を作っていくんですよね。

      「うん、うん、そうなのよ」って
      独り言を言いながらbakmiさんのレビューを
      読ませていただきました☆彡
      2023/05/02
    • bmakiさん
      yyさん

      ありがとうございます(*^^*)

      yyさんに共感して頂けてとても嬉しいです(^_^)
      酔っ払いながら言いたいこと書い...
      yyさん

      ありがとうございます(*^^*)

      yyさんに共感して頂けてとても嬉しいです(^_^)
      酔っ払いながら言いたいこと書いてしまって、ちょこっと反省してました(^^;;

      日本の官僚になるような人は、きっとそういう受験をしてきてる人なんだろうなぁ、そう言う人が日本を動かしてくれてるのかもしれないなぁという気持ちは若干あるものの、やっぱり子供は子供らしく沢山遊ばせてあげたいなぁって思いました。

      遊び方って凄く考えますもんね。次何して遊ぶ??って本当は良い訓練になっていそうですよね(^^)


      あ、しかし、この本は凄い本でした。高評価なのが頷けます。このお母さんに感情移入は出来ませんでしたが、それなのに強く引かれてしまう本でしたよ(*^^*)
      2023/05/02
  • 中学受験のお話です。
    『金の角持つ子どもたち』は、子どもが自ら受験したいと言い、戸惑う母が子どもに寄り添っていくお話でした。
    本作は母が受験にのめり込み、父、祖父母からも期待されプレッシャーに押しつぶされそうになる翼君のお話です。
    中学受験には賛否両論あるかと思われます。最初からこの手の本は読みたくないと思う人もいるのではないでしょうか。でも、この作品には受験絡みだけではない親の子に対するどうにもならない気持ちがたくさん散りばめられています。
    どうしても他の子どもと比べてしまうこと。そして我が子が劣っていれば妬み、優っていれば才能を伸ばしてあげようと、子ども本人の気持ちよりも親のテンションが高まってしまう。そこには“この子のため“というキラキラした魔法がかかってしまっているので、子ども本人をどんどん置いてきぼりにしてしまう。
    さらには、子どもとはお父さんお母さんが大好きな生き物。だから親の喜ぶ顔が見たくて無理してしまうのですね。
    親の何気ない一言を重く受け止め、その価値観に縛られてしまうことも怖いところ。親を真っ直ぐに好きでいてくれる子どもの前での発言は、注意しなければいけないと強く思いました。
    ‥‥親って仕事は疲れますね。側から見れば、そんなに厳しくしなくてもいいのに、と思われる行動も、子どもへの愛情ゆえなのです。
    「自分が選ばれないことの百倍も千倍も、子どもを選んでもらえないことが辛いとは。」
    自分が苦しいことよりも、子どもが苦しんでいる姿を見ることが何倍も辛い。だから幸せになってもらいたい。その結果、無理をさせてしまうのです。
    でもやっぱり子どもと親は別の人間。子どもの人生は子どものものです。誰でも自分自身が選んだ道を歩くのが一番。自分自身で選んだことが正解だと思います。
    翼君の翼は折れてしまうのか、羽ばたいてゆけるのか。
    口出しせず見守るのも辛い仕事です。

  •  朝比奈あすかさんの作品を続けて読むことに…こちらの作品の大きなテーマは“中学受験”。ひとり息子の翼が、大手進学塾の一斉テストを受けたことを機に、“中学受験”への意識が高まったことを受けて、翼の気持ちを蔑ろにするほどの無理を強い、また家庭をも崩壊の危機を迎えてしまうのだが…。

     この作品では息子翼のために、母円佳は何をおいても翼の成績をあげ塾のランクを維持向上させ、最高ランクの中学への合格を目指そうとしています。翼の思い、そして円佳の思い…本当に読んでいて痛かったし、苦しかったなぁ…。翼がこわれる一歩手前で、きちんと翼自身の気持ちに向き合うことができ、ほっとしました。円佳目線で物語が描かれていますが、翼目線ならどんな風な展開になるんだろうか…ちょっと気になります。

     私自身にも子供たちにも中学受験の経験もなかったので、こんな世界もあるんだなぁ…というのが、正直な感想です。でも受験といえば、中学だけではなく、最近は幼稚園の受験とかもあるようだし(こちらも私自身も子供たちにも経験ないけれど)、高校受験や大学受験、大きくとらえれば入社試験だってありますよね…。私は、子供たちの受験において、よく言えば子供たちの自主性に任せたとも言えるし、悪く言えば関わりをあまりもって来なかった…とも言えます(汗)。子供たちには、お母さんが教育ママじゃなくってよかったよ…と言われたこともありますが、果たしてそうなのかなぁ…。

  • 生まれる前は「健康に生まれてきたらそれだけでいい」と思ってたのに、あの思いはどこに行ったのだろう?
    子供の受験でここまで熱くなることはないけど、気持ちは分かる。
    子供には失敗してほしくないし、悲しい思いをして欲しくないって思ってしまうから。

  • 軽い気持ちではじめた中学受験が、凄まじい家庭内葛藤を引き起こすー

    家庭が壊れていく過程がリアルで戦慄を覚えた。
    なんだかつらい話でしたが、
    はたして、最後に救いがあるのか?
    主人公・翼くんの翼を再び羽ばたかせることはできるのか?
    が、気になって、夢中で読みました。

    小学校高学年くらいの子を持つ親はきっと、いろんな思いが心に渦巻いて、涙を流さずには読めない、と思う。


    朝比奈あすかさん、初読みですが、芯が通っていて読みやすい文章だな、と思いました。
    中学入試頻出作家だそうで、2020年の入試に多く取り上げられた「君たちは今が世界」も読んでみようと思いました。

  • その行動、言葉がけは 子どものため?
    それとも、親である自分のため?

    しんどい本でした。
    子どもは親の期待に応えたいから。それが分かっていながら子どもをコントロールしてしまう親。
    たぶん、どの親もそんな部分が全然ないということはないと思う。
    でも、子ども自身を潰すほど行き過ぎると、つらいですね。

    受験は先すぎてまだ全然想像ができないけれど、
    まっすぐとわが子を受け止めたいと 改めて思わされた本でした。

  • 凄まじかった。中学受験とはこんなにも凄まじいものなのかと初めて知った。
    軽い気持ちで受けた全国一斉テストで息子の翼が好成績をとり、考えてもいなかった中学受験への道に進むことになった円佳と翼。
    翼の成績に一喜一憂し、成績が悪ければ感情をぶつけ、成績が良くても次のテストで落ちることが不安でどんどん翼を追い込んでいってしまう。母親の円佳の言動に眉をひそめる一方、同じ母親として共感することばかりだった。

    『自分がいらないと言われるよりも、子どもがいらないと言われるほうが辛い』『初めからできない子だったら、よかったのに』と円佳が言っていたけど、その気持ちは本当によくわかる。母親にとって、子どもって自分以上でかわいくて大切で…でもだからこそ子どもと自分とは別の人格なんだという境界線がなくてはならないんだな、と思った。どんなにかわいくて守ってあげたくても、子どもの人生は子どものもの。親が『失敗しないように…』『将来困らないように…』とレールを敷くことは、やはりどこがで歪みが出てきてしまうのだな。
    親は人生の先輩として選択肢のみを与え、子どもが自分で選んだときは、どんなに危うそうに見える道でも、『失敗したら戻っておいで』くらいの気持ちで見守ればいいのかもしれない。
    『お前のためにこんなに頑張ったのに』『これまでいくらかけたと思ってるんだ』なんて言葉は子どもからすれば『しらねーし』って感じだよね。わかっていても、つい思ってしまうけど(笑)
    親はずっと子どもの後方支援でいることがいいのかもしれない。

  • 中学受験がテーマなので、もう関係無いかなと思っていたのだが、かなりの高評価なので気になり手にした。

    昔と違って今は、中学受験をする子どもも少数ではなくなってはいる。
    だが、どうしても子どもが決めるのではなく親の希望だろうと思わずにはいられない。
    ほんとうに勉強が好きで行きたいと思える中学なのか…。
    それを子どもが決めれるのか⁇
    親のため、と子どもが思っているのは間違いだろう…
    などと、どっぷりとはまってしまった。
    加熱する親の心情もわからないわけではないが…
    子どもがついていかないよ、と。

    受験がテーマではあるが、家族の在り方についてとても考えさせられる深くて凄絶な内容だった。

  • 中学受験のために必死に勉強する翼。
    親の期待に応えようとする姿が、もろくてぺしゃんこになりそうで緊張しながら読む。強烈だった。

    「ちょっとやってみて、嫌だったらやめられるから」
    塾に限らず、プールでもピアノでも英会話でも、こんなことを子供に言っておきながら、一度始めるとやめられなくなり、渋る子供に怒ってしまう親は少なくないのでは?

    母の円佳の気持ちもよく分かる、でも翼がつぶれていくのを読むのが辛かった。
    生まれる前は、元気に生まれてきてくれればそれでいいと願い、
    赤ちゃんの頃は、元気にのびのび育ってくれるだけでよかったのに、
    学校や受験、お友達や従兄弟との比較など、なんでこんなに子供に対して強欲になってしまうんだろう。
    まだ幼い我が子たちを大事にしよう、私の見栄やエゴで潰さないようにしよう、と強く思った。

    でも、やっぱり円佳の気持ちもわかるのだった。く、苦しい!

  • ずっと「中学受験」というものについて、自分なりの考えがまとまらずにいる。
    先日星5つをつけた『金の角持つ子どもたち』とは、また全然ちがう中学受験の話。
    どちらも実際にありうる話だが、こちらは端的に言えば「教育虐待」の話である。
    本書を読んで、そして自分のまわりを見て思うのは、中学受験で不幸になるのは「ちょっとできる子」のおうち。
    トップ校にらくらく受かる子の親にはわからない。
    はなから期待をかけないような成績の子の親にもわからない。
    同年代の中でも、「ちょっとできる子」の親が、狂気の世界へと足を踏み入れ、せっかく「ちょっとでき」ていた子どもをこわしてゆく。
    ママ友どうしの、虚栄、自虐、プライドがまぜこぜになった会話がリアルで、自分もその場にいるのではと錯覚しそうなほど。
    中学受験を肯定するか否定するかは自分次第。
    どちらを選んでも、「気にしない」ではいられない。

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著者プロフィール

1976年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』を刊行。06年、群像新人文学賞受賞作を表題作とした『憂鬱なハスビーン』で小説家としてデビュー。その他の著書に『彼女のしあわせ』『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『自画像』『少女は花の肌をむく』『人生のピース』『さよなら獣』『人間タワー』など多数。

「2021年 『君たちは今が世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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