- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334915285
感想・レビュー・書評
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ミステリーを愛して止まないのに小バカにした感じが最高 #しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人
■きっと読みたくなるレビュー
またやってくれましたね、さすがは早坂吝先生。
いつも変態的なミステリーをありがとうございます。
ミステリーを愛してやまない癖に、小バカにした感じが最高なんすよね。いい塩梅で読者をおちょくってくるですよ。こんな作家先生、唯一無二だと思うんだよなぁ。
読みやすく楽しい作品なのでたくさんの人に読んで欲しいですが、正直ミステリー初心者には本作の渋みが分からないかもしれません。
どんな小説なんだと思われるかもしれませんが、しっかりとした本格ミステリーです。迷宮牢というトンデモ館をはじめ、癖のある魅力的な登場人物ばかりだし、実はプロットも出来が超イイ。謎解きも伏線も二重三重によく練られているし、なかなかの読み応えです。
タイトルがまず奇妙なんですが、内容もその通りでびっくり。どんだけやりたい放題のミステリーにするんだって感じで、作者が一番楽しんでるに違いない。
本作、いろいろ推しどころありますが、まずはキャラクターも癖がスゴイ。特にお気に入りは汚野ですね。癇に障る言動と人生舐め切った態度が憎々しいのよ。正直やり過ぎで、人によっては合わないんでしょうが、これがイイんですよ。やり切ってくれるところが素晴らしい。
そしてメイントリックも癖スゴで、まぁ一筋縄ではいきません。入り組んだ奥深い仕掛けで、もはや宗教とか思想のレベルで騙しへの思いが強すぎ。真面目なのか冗談なのか判別不明。でもカラっとしていて、読み終わった後は晴れやかな気分にさせてくれるんです。
世の中には社会へのアンチテーゼやカタルシスが深い重厚感たっぷりの作品はいっぱいあります。本作も重厚感はありますが、ベクトルの向きが全く違う面白さなんですよね。
■ぜっさん推しポイント
褒めてるのか貶しているのか…といったレビューでしたが、なかなかの力作です。
一見ライトに書かれたミステリーのようにも読めますが、構成がめっちゃ上手で、導入から最後まで一気読めてしまう。トリックもシンプルながらも挑戦的なことをやってるし、かなり精魂こめて書かれたんでしょう。
今年のミステリーの中でも爪痕を残す作品だと思うので、ミステリー好きは絶対読みましょう!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
実によくできた推理小説だと思う。
最初の事件から急に飛んで迷宮に入り込む。
この迷宮でのゲームも未解決事件の犯人を集めたと言うが、年齢も性別も違う7人。
1人ずつ殺されていくのだが…。
伏線を回収しながら行き着いた先は、全ては何だったのかと完全に騙される。
何が自分に合わないのかと言うとキャラの濃い登場人物の中での迷惑系ユーチューバーの台詞である。
今どきなのかもしれないが、どうも馴染めない。
軽くなってしまう感が残念。
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'23年9月11日、読了。早坂吝さんの小説、初体験でした。
面白かった、ですが…ちょっと期待が大きすぎたかな。
正直、「迷宮牢の殺人」の章の最後は、迷宮の図案を見ながら、「???」でした。でも…「捜査」の章の最後で、なるほど!と納得。そうくるか!と…でも、なんかなぁ┐(´ー`)┌
以下、ネタバレを含むかも…未読の方、ご注意を!
冒頭からラストまで、良く練られているなぁ、とは思います。繰り返しますが、面白かった!
でも…その「病気」を、今まで全く知らなかったので…読みながら、大事な箇所を、作者の誤りだと思っていました。そして、それをどんでん返しのタネとするには、ちょっとなぁ…なんというか、ズルくない?僕が知らないだけで、一般的には知られた症状なのかな?
あと、聴覚障害者に暴行をしようとするシーンは、読んでいて吐き気がしました。最悪です( ⚈̥̥̥̥̥́⌢⚈̥̥̥̥̥̀)
以前から、早坂吝さんの超有名な、メフィスト賞受賞作を読みたいと思いながら、未だ未読でしたが…これを機会に、そろそろチャレンジしてみようかな…。 -
楽しい。
もはや、推理とか真犯人は誰?とか、動機は?
クローズドサークルでのとか言ってる場合じゃない。そもそも、騙されないぞなんて、この早坂さんの本を前にして思ったことなんてない。
これだけやらかされたら、笑うしかない。 -
最後の一行まで目がそらせなかった。
迷宮牢に集められた七人の男女。彼らに命じられたのはデスゲーム。真犯人によって一人また一人と殺されていくが。
あちこちに散りばめられた伏線の数々は見事だし、クライマックスはすでに快感の域ですらあった。この謎が解けるか! -
ある意味では期待通り、ある意味では期待を裏切る良作。
早坂作品三作目の読了。
いろんなパターンを書ける溢れんばかりの才能に脱帽。
最後のオチまで完璧。