- Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334924461
作品紹介・あらすじ
「まずお歳を聞かせて下さい」「ここはどこですか」「次の三つの言葉を覚えて下さい。いいですか、あさがお、飛行機、いぬ」「今日は何曜日ですか」「さっきの三つの言葉を思い出して、言ってみてください」人ごとだと思っていたことが、我が身に起きてしまった。最初は物忘れ程度に思っていたが、若年性アルツハイマーの初期症状と告げられた。身につまされる傑作長編小説。
感想・レビュー・書評
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私の父も認知症になり、目覚める度に記憶がリセットされるみたいで、自分がなぜここにいるのかわからず理解するところから1日が始まった
そんな父に主人公を重ねてしまう、次第に失われて行く記憶、記憶をなくすということはそれまで生きてきた人生、周囲の人々との絆すら失くしてしまうことになるのだろうか?
でも作中の一文に救われる気がした
「記憶が消えても、私が過ごしてきた日々が消えるわけじゃない。私が失った記憶は、私と同じ日々を過ごしてきた人たちの中に残ってる。」
また主人公が会社に必死に隠し通そうとしていた気持ちもわかる気がする
まさに同じ年代の者どおし、自分もそうするだろうとシンクロする
自分の父がそうだった通り、私もいつか認知症を発症するかも知れない、その時妻や子供の事も忘れてしまうかと思うと恐怖しかないですが、忘れてしまえばい気にすることもないかも知れませんが…
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大事な人の顔も名前もわからなくなる、忘れたことすら忘れてしまう・・・自分がそんな病いに侵されていくのはどんな気持ちなんだろう。主人公や家族の姿をリアルに想像するたびに、何度も涙がこらえきれずにボロボロと泣いてしまいました・・・。
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「自分が自分であるために」がよくわかりました。
医療者には人に誠実であって欲しいと思えるお話でした -
自分もアルツハイマーになったらどうなるんだろう。
対人関係など読んでいくうちに複雑な気持ちになりました。
最後の2ページが特に…。
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50歳で若年性アルツハイマーになる男性の話。
仕事では部長を務め、
娘が近々結婚し、孫も産まれる。
老後は妻と趣味を活かして…などと
想像していた未来や
今の生活がどんどん崩れていって
とても怖かったです
本人目線で書き進められていて
途中何度も読むのが辛くなる。
と、同時にどうなってしまうのか気になって
先を見てしまう。
そんな作品でした。
主人公の思いや葛藤、
支えていく妻の思い、
周りの理解のなさや憤り、
なにより記憶がなくなっていく辛さや恐怖
いろいろなことを教えてくれました。
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50歳で若年性アルツハイマーを発症する話し。自分が自分でなくなるような感覚。よくこれだけ繊細な描写ができるなと関心しながら、夢中で読んだ。
決して良くなるわけじゃないし、進行は否応なし。それなのに、最後は希望が持てる。もし自分がかかったら、こんなに穏やかな気持ちが訪れるだろうか?自分と自分の大切な人との関係、絆の深さが試されるよう。誠実に、丁寧に毎日を過ごしたいと思った。 -
「2005本屋大賞 2位」
九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/604585 -
若年性アルツハイマーの話。
主人公が鬱の症状とともに、物忘れがひどくなり、病院に受診をすると、若年性アルツハイマーといわれます。
最初は必死に仕事をして、一生懸命隠し続けます。
奥さんも、これがいいと聞くと、夕飯などに出したり飲ませたり必死になっていきます。
私も、主人公と年齢が近く、しかも、親も認知症だったので、どうなっていくかというのがわかるので、(主人公の親も認知症だったので、ああなるのか?みたいな感じで苦しみます)切なかったです。
認知症が進んでいる状態は、本人も意識があるので辛いですね。 -
今まで普通にやれていた事が落葉樹の葉が欠けるようにやれなくなっていく。
周りの人が居る事で自分の存在を認識できるけど、その周りの人の事も忘れていく。
なすすべも無く。
簡単には語れない難しさがありますね。