上流階級 富久丸(ふくまる)百貨店外商部

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 757
レビュー : 151
  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929107

感想・レビュー・書評

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  • 上流階級と外商さん、どちらともご縁がナイので、どこまでリアルかわからないのだけど、興味深くて面白かった。
    「ゆりかごから墓場まで」百貨店のお世話になる人たちがいるんだなぁとか、そんなことまで百貨店が取り仕切るのかとか、驚きっぱなし。
    産まれた時には名前入りのあれやこれや、入学・卒業の際にはお祝いのあれやこれや、結婚の時にも同じく。うん、これは想像できる範疇。
    リフォーム。これも最近はいろんなところが取り扱うようになっているので、うん、まあアリかも。
    お葬式。……これには本当に驚いた!

    兵庫の田舎のパン屋さんで洋菓子を売っていたのが自分の原点となっている主人公の静緒が、叩き上げで男社会の外商に配属されたことや、パワハラ上司やタチの悪いお客を蹴り飛ばす様は痛快です。
    お仕事小説と呼んでいいのかは疑問だけど、ドラマ化したら楽しそう。
    (トッカンの原作者さんだと知り、納得!)

    英国紳士然とした伝説の外商・葉鳥さんについてはもう少し書き込んでほしかったところ。
    クリーム王子は立ち位置がわかりにくい。単なる戦友にして親友なのか、彼側の気持ちがイマイチ読み取れない。
    そんな中で、登場時は小憎たらしいライバル同僚の枡家が非常によいキャラ。ラストでは思わず応援。
    ああ、彼のことはいろいろ書きたいけれど、ネタバレになってしまうので自粛。
    本作を読んだ方と、彼の可愛さについて語り合いたいものです(笑)

    お菓子も好きだし、兵庫県民なので店のモデルや土地名に覚えがあったりで楽しい読書になりました。

  • 普段全くご縁がない百貨店の外商部が舞台の小説。面白かった!

    リッチな方を相手に売り上げの3割を支えるという外商に、洋菓子部門から配属になったバツイチの静緒が主人公。上流階級の人々の買い物の仕方にびっくりしたり、その方々と外商員の信頼関係など、心温まるエピソードが。しかしノルマや苦労も大変なのもで、それに立ち向かう静緒の活躍が爽快!

    百貨店は物を売っている所だと思っていたけれど、外商はリフォームとかお葬式とかサービスなら「何でも」売ってくれるのだ。
    静緒は幼い頃母に連れられて来た『夢の宝石箱』の中で、今頑張っている。

    ※個人的には、イケメン外商員の枡谷より、静緒の元夫神野が素敵だなぁと思った。ドラマでは誰が演じたんだろ。

  • (No.13-57) お仕事小説です。

    『鮫島静緒(さめじま しずお)は、冨久丸百貨店芦屋川店勤務の外商員。男っぽい名前だけれど女性。
    ちょっと前まで結婚していたが、ただいま独身。子供はいなかった。というよりそのことでいろいろあり・・・離婚。友人は「ダンナを断舎離」と。
    百貨店は女性が多い職場だが、外商員はほぼ全員男性。静緒は冨久丸百貨店で初めての女性外商員として抜擢された。しかも大卒でなく専門学校卒の中途採用だったのに。当然風当たりは強い。

    実は冨久丸のカリスマ外商員・葉鳥が自己都合で辞表を提出。人事部は後任を育てるという名目で1年間雇用を引き延ばし、葉鳥氏の跡継ぎ候補として全国の支店・系列店から優秀な店員が10人ほど集められた。その紅一点が静緒。

    跡継ぎ候補は葉鳥氏からお客様を数名ずつ譲られ、今までと同じ又はそれ以上のお買い物をしていただく。さらに自分でも新しい顧客を開拓。
    1年後も外商として残れるかは、成績しだいという厳しさ。

    今まで上流階級とは無縁だった静緒は必死で勉強し、お客様に気持ちよくお金を使っていただくべく努力を重ねるのだった。』

    デパート(百貨店)には外商というものがある、ということを知ったのはいつ頃だったかなあ。
    母を通じてだったかもしれないな。今とは違ってデパートにもっと重みがあった時代。母の友人宅で外商が出入りしているお宅もあったでしょう。家はそういうことはなかったけど。
    私は子供のころも今も、それほどお買い物に興味がない。デパートにわくわくして出かけた、という記憶はないなあ。昔は、買う必要があるもののために行くくらいの感じ。今はデパートより、イオンだわ~。

    ここに描かれる百貨店は、静緒の視点しかも外商としての視点なのですが、それでも先の見えない業界の苦悶する姿を見ることが出来ます。
    景気はそれほど良いとは言えない。でもお金があるところは実はあるのだ。そのお金をどうやって使ってもらうか、静緒のやっていることは戦いと一緒。
    戦いながら、「わたし何やってるんだろう」と時々後ろめたくなったりする静緒です。

    あまり縁のない百貨店外商の内幕を知ることが出来、カリスマ・葉鳥氏、天敵・桝家、課長・邑智(おおち)、上流階級のお客様たち、など面白い人がたくさん出てきて、楽しく読めました。

    続編出来そうじゃない?書いて欲しいな。

  • 談話室で教えていただいた百貨店がテーマの外商さんのお話!
    秘書や執事なんかを想像してしまう働きっぷりとそつのなさ。動くお金の大きさが別世界すぎて興味深かった。
    富裕層の皆様のお金の使い方については色んな理由があって、こういう方々がドーンと使うから経済も回るんだろうなと思ったりもしたし、福久丸百貨店への愛着による買い支えにも見えて「いつもと違う感触を届けたい」と奮闘する静緒の頑張りが見てて気持ちよかった。
    映像作品のノベライズかな?と思える読みやすさも今の私には良かったです

  •  世の中には自分の知らない世界というのが確かにある、そうセレブと呼ばれる人達の世界、その一端がここに…!
     じゃなかった(笑)セレブを顧客として接している百貨店外商の話です。いや、コレはコレで知らない世界で興味深い、宝飾品やペルシャ絨毯というのは想像がつきますが、まさか葬式まで扱ってるとはね~
     そしてセレブなお客様と接する外商員の努力ときたら、よくぞそこまで、と感心しきりです。お客様のために外国語を勉強したり、品薄の仮面ライダーベルトを求めて日々電話を掛けまくったり(涙)一人の売上ノルマ月1500万(月だよ、月)は伊達じゃない。
     

  • 日本に執事がいないわけだよ「外商」があるんだから。

    お金だけではなく外商も使うのがお金持ちもとい上流の方々のたしなみ。親から子へと伝承されるものなんですね。

    成金は人がなかなか遣えないけれどそれを育てるのも商売としては大事。

    これからは外国人と働く女性。

    接客や上質のファッションについてもいろいろ学べて面白かった。

  • 「トッカン」シリーズ(『トッカン―特別国税徴収官―』、『トッカンvs勤労商工会』、『トッカン the 3rd: おばけなんてないさ』)の高殿円のお仕事小説。本作の舞台は百貨店の外商部である。

    デパートで年間100万円ほどの買い物をする上客は、お得意様口座を持つことができ、1割引きという特典が付くほか、外商員と呼ばれる「御用聞き」が家に出向く。希望の商品を持って行くだけでなく、贈答品の相談に乗ったり、ケータリング等を請け負ったりする。
    そうした外商部に働く側の目から見た、お仕事の「裏側」を垣間見られるエンタメ小説である。

    年収1000万を超えるのは全世帯の1割なのだそうだが、本書に出てくるお金持ちは、それより一桁上以上の収入だろうと思われる。月々100万にも達するような買い物は、年収1000万ではちょっと手が出ないだろう。
    本書の舞台、関西の老舗百貨店・富久丸外商部の顧客は、芦屋の高級住宅地に住むような人々である。
    主人公の鮫島静緒は、長身できつめの顔立ち。高卒でケーキ店の営業として働いていたところを、富久丸に引き抜かれ、さらにはそこで手腕を認められて、男の城と呼ばれる外商部で働くことになる。
    さまざまな事情を抱え、難題もふっかけてくるお得意様とどう渡り合っていくかが読ませどころである。

    「トッカン」シリーズに比べると、幾分落ち着いた筆致で安定感が感じられる。
    劣等感を抱えつつも、媚びず、自分の持ち札で何とか勝負していく主人公が心地よい。
    ちょっとウェットなトーンが混ざるのも、J-POP的というか、浪花節的というか、気持ちよく涙が流せる感がある。
    「上流階級」というタイトルはちょっとナナメに外れている感じもするが、知らない世界もうかがい知れて、しかもエンタメ、軽めに読めて十分楽しめる1冊だと思う。

  • 小説版「リアル・クローズ」ともいえる、いつかTVドラマになりそう・・・。[リアル・クローズ]と違って、この主人公はありとあらゆる「販売」を愛していて、あがいている、現代の日本女子版の「カーリー」のような高殿円らしい作品。

    ヒギンズ教授のいない、自前で頑張るイライザは、自分の仕事にも共感できるところなので、深く頷いてみたり。

    「なぜ女だけ、仕事と人生とを切り分けて言われるのだろう。」

    「値札のつけられない人」になる、というのはかっこいい目標だな、と思ったり、初志貫徹して職人になる道を選ぶ外商の神様がかっこよかったり。

  • 面白かった! 
    上流階級のあれこれに、外商の難しさとやりがい。
    へぇ~という知識も色々で、読んでいて楽しい。
    頑張り屋で、男気(?)のある主人公は、つい応援してしまう。
    脇役の葉鳥や桝家も、魅力的。
    後半には、ぐっとくる場面も。
    素敵なお仕事小説。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-761a.html

  • 初読みの作家さん。三分の一くらいまで気が進まず読んだ。あ~、セレブって面倒くさい人多い~、くらいの気持ちで。だが、桝家が絡み始めてから俄然面白くなり、お終いの方は泣きながら読んでいた。
    何なんだ~、この面白さ。
    静緒の活躍見ると元気が出るなあ。周りは素敵なイケメンばかりだし。特に、葉鳥さんが素敵すぎて胸キュンだわ。

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プロフィール

『トッカン -特別国税徴収官-』『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』『政略結婚』等の一般文芸、『銃姫』シリーズ、『カーリー』シリーズのライトノベル、『魔界王子 devils and realist』等の漫画原作、舞台『メサイア』の原作・シリーズ構成等々、多方面で活躍し、今一番注目の小説家。

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