優しい死神の飼い方

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929145

感想・レビュー・書評

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  • 死神が降臨した犬と、その犬を飼うことになった看護婦が住む病院での話。人の未練を解放する死神の仕事をしながら、ある事件に巻き込まれていく流れがうまく、楽しく読み進められた。

    ただちょっと、個人的に期待した展開と違った。
    でも、最後まで読んでみると、こういうのも、また良かった。

  • 少しずつ読んでいてようやく読み終わった。
    一体どんな話になるのかと思ったら、予想以上にファンタジーで、でも「今」を大事に生きている人たちの輝きもあってすごくいい話になっていた。菜穂さんなんて天使やん……って思うくらい。
    レオと呼ばれることになった<死神>の気持ちや考えの変化も見どころ。生活している中でいつか来る終わりを意識することは常にあるわけではないけれど、今生きている時間には限りがあり、終わりがある。だから今、この瞬間、やれることをやれる分、やらないとって改めて思った。

  • 「死神、初仕事にとりかかる」
    駆け落ち寸前に自宅に戻った彼女。
    婚約者やその目で見た状況だけで判断するとなると、彼女が駆け落ち寸前に怖気付いて帰っだと思うだろうな。
    時代が時代だった為、他にも色々とあっただろうが目の前で大切な人を無くしたのは一生心残りだろうな。

    「死神、殺人事件を解明する」
    自分が犯したと思っていた事件が。
    計画的に行おうと考えて踏み込んだ家で、突然死を見たら誰でも驚いて冷静ではいられなくなるだろうな。
    彼も彼で、何故自分が売られる可能性のあるルートを選択したのだろう。

    「死神、芸術を語る」
    消えた作品たちの居場所。
    有名でもない自分の描いた風景画を怪しげな風貌をした人物が高値で買い取った後、その品たちの行き場が分からなくなったら誰でもその言葉を疑ってしまうだろうな。
    本物の太陽を見れない子供に、夢を与えるほどの色彩とはどんな物なのか見てみたかったな。

    「死神、愛を語る」
    命の灯火が短い彼女の悩み。
    病気だと分かり尚且つ自分の命の残りが短いと分かれば、ただでさえ勇気のいる言葉の重みが変わってしまうのだろうな。
    彼に背を押され勇気を出した彼女は、いくら強制感があったとしても凄い勇気の持ち主だな。

    「死神、街におりる」
    突然知らされた未来。
    実際に関与してしまえば、その人の代わりに他の人の未来が変わるなど色々と問題が生じるから規則として決められているのだろうな。
    いくら仕事といえど、短い間とはいえこれだけの時間を過ごせば情が移るのも仕方ないのかもしれないな。

    「死神、絶対絶命」
    告げられていた日付より早い襲撃。
    やはり何かしら運命を変えようとすれば、それに伴いどこかでズレや変化が生じてしまうのだろうな。
    院内にある限りある物の中で病人も交えての戦闘にしては、かなり健闘したのではないだろうか。

    「死神のメリークリスマス」
    クリスマスに飾る物にしては。
    本当に子供だけの知恵であの場に隠したと言えばいいのか、飾ったという方が正しいのか分からないがやったのか少々疑問だな。
    ただ死が近い者の未練が全て取り除かれた状態というのは、本人も自分の死を受け入れる為に時間を割けるようになるだろうから羨ましい限りだな。

  • 死神と呼ばれているモノが人間の後悔という念を浄化すべく修行にくるファンタジーなお話。

  • 前半人情噺のようで夢中になって読んでいたのだが.... 後半どこに着陸するのか不安になった....

  • 久しぶりの面白い小説。
    といっても世界観に引き込まれるほどのものではない。
    ストーリーの組み立てと登場人物の役割分担がシンプルで無駄がない。ラストは感動をありがとう。

  • 小さな奇跡のお話達があれよあれよと言う間に大きな1つの流れに。
    受け入れるものは受け入れて、最後綺麗な光を放つように。
    犬の性がね。プププ。

  • レオがしゅうくりいむを頬張る度、幸せをお裾分けして貰ったような気持ちになった。

  • 抱えている思いのどれだけが勝手な思い込みや勘違い何だろう。できれば相手の思いも生きてるうちに確かめておきたい。優しい気持ちになれた本でした。

  • ゴールデンリトリバーの身体の姿を借り、地上に左遷させられた死神。人生に強い未練を残し地縛霊となる魂を救う役割を果たしていく。
    死神のレオは、ホスピタルの看護師菜穂と出会い、地縛霊となりそうな魂を救っていく。
    過去から現在に至る事件を解決し、絡まる糸がほどかれていくとき、全てが解決していく。
    ミステリーの要素もある楽しい小説。ほっこりしますね。

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著者プロフィール

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。医師。2011年、第4回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞し、12年、同作を改題した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューする。代表作に、「天久鷹央」シリーズがある。その他著書に、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『機械仕掛けの太陽』『祈りのカルテ』「放課後ミステリクラブ」シリーズ等がある。

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